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姉、動揺する


街から帰り、入浴と着替えを済ませたのち

間も無く晩餐のためにディランの部屋へお邪魔をし

フレディの淹れてくれた紅茶を飲み


まずは街へ連れて行ってくれたお礼を、

次に買い物を支払いをしてくれたお礼を伝え


そのまま街と入店したお店の感想を互いに

話しになり、


今なら聞いてもおかしくは無いわよね。


機会を伺い、どんな答えがきても大丈夫な様に

心の準備を整えつつ


「ディランはさ、あの、女子生徒さんの様な人が

好きなの?」


声を表情に戸惑いと困惑など出ない様に細心まで

気をつけ尋ねると、


ディランは少しの間を置いてから


「好みかと聞かれれば似ていると思います」


返ってきた答えに、衝撃と驚きが表に出てしまい

慌て次に来た理解への拒否を心の奥底に隠しし


自分の心の中に予想とは違う感情があることに

気づき動揺したままでいると


「ですが、必要な場でマナーとルールができない方は

好みではありません」


続けて告げられた言葉に


あ、はい。


とても貴族らしい返事に素直に頷いたものの、

声で返事が返せず、必死に自分の感情を整える

のに精一杯だった。


どういう返事なのだろう?


ディランは好きという感情は無いが、

好みの性格や外見だったのは確かよね?


ディランの異性へが分かり嬉しく思い感情と

正反対に荒れ狂う感情の差を大きすぎて

気分が悪くなりだすが


ディランに悟られないようにしなきゃ。


フレディの自分を伺う気配とマルチダの視線を

背中に受けつつ、なんとか感情を抑え込み

晩餐を食べ食後の紅茶をいただき


「ディラン、おやすみなさい」


「おやすみなさい。姉様」


互いに夜の挨拶を交わしたのち、自室へと

足を踏み入れた瞬間、体から力が抜け

ふらつきながらもなんとかソファに辿り着き

腰をかけた瞬間


「ディランが、ディランが」


押さえ込んでいた感情が一気に溢れ出て

言葉にならず譫言の様に言葉を繰り返す。


ディランに婚約者ができる事は嬉しい。


それ以上に嫌だ。


声に出してはいけない感情が出てきそうになり

慌て口を閉じ両手で口を覆った。


「エスメ様」


そんな自分に見かねたのかマルチダが声を

かけてくれ視線だけを向けると、


「エスメ様のお気持ちは分かります。

持って当然の感情です」


普段と変わらず淡々と告げるマルチダを

見つめていると


「多いな声は聞こえてしまうかも知れませんので、

小さな声で、思った事を生まれた感情を声に出した

方が整理が早くできます」


変わらぬ声と態度は安心感とマルチダが言うなら

間違いはないと言う安心感に口を覆っていた両手を

下げ


震える唇で感情を言葉にして表に出した。



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