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弟は嬉しく思う


互いに外用の洋服から入浴を終え部屋着に替え

軽食と共に紅茶をいただき一息ついていると


「ねぇ、ディラン」


姉様からの呼びかけに短い返事を返しつつ

視線を向けると、少し言いずらそうに目を逸らした

のち、


「魔法石のお店で会ったボーイックと女子生徒の事を

覚えてる?」


恐る恐る尋ねる姉様の態度を気にしつつも尋ねられた

人物を思い起こす。


学園で噂の中心となっている2人に会うとは。


心の中で苦々しく思い、咄嗟に姉様を彼らの視界に

入れにない様にと動けた事は自分を称賛しても良い

と思たし、同様に動いてくれたフレディには後ほど

揶揄われると分かってはいるがお礼を言わなければと

思い出していると


「ディランはさ、あの、女子生徒さんの様な人が

好きなの?」


視線を左右に彷徨わせ、時折こちらの様子を伺う様に

向けてくる視線は、戸惑いと困惑などが感じられ


姉様が何を思い尋ねてくるのか理解できなかったが、


「好みかと聞かれれば似ていると思います」


思うままに返答すると、息を呑み驚いた表情に

こちらも驚きつつ、


「ですが、必要な場でマナーとルールができない方は

好みではありません」


耳に入る噂を集約し出した自分の中にある答えを

伝えると、戸惑いつつも頷いてくれた。


下位ではあるものの貴族社会ではこの学園に居る間に

性格や知能、品格など確かめられ婚約のが生まれる。


それは幼き頃より何度も教えられ、また入学時にも

伝えられているはずが、下位の男性貴族は誰もが

女子生徒に夢中になっており、


親世代と教師陣からは怒りと困惑が女子生徒に向けられ

婚約しした淑女は勿論のこと、これから婚約者をと

思っている淑女からはアメリア嬢を筆頭に困惑と対応希望

の話が届けられている。


だが、筆頭であるアメリア嬢も高位貴族の淑女も

噂だけでは判断ができない。と、返答しつつも

表立って見えない所で動いているのは、学園内の

お茶会で話が出ているので爵位持ちの淑女は皆理解を

している。


噂通りの方だったな。


紅茶を飲みつつ、噂など当てならないと思っていたが

本人を見て納得し心の中で重々しい息を落とす。


あの女子生徒が姉様に不愉快な視線を向けている。


ルイからの報告に聞いてい苦々しく思っていたが実際に

本人を目にし不愉快に思い奥歯を噛み締める。


一度本人に会い注意するべきか?


視線だけで何かあった訳では無い。

まだ、様子を見て待つ時か?


騎士団長のからの教えである気を読めを心の中で

繰り返し荒れる心情を抑え込んでいれば


「ディラン」


先程路は違い、楽しそうに弾む様に名前を呼ぶ

姉様にカップを置き視線を合わせると、


「街に連れて行ってくれてありがとう。

すっごく楽しかったわ」


頬を少し赤く染めながら笑顔で感謝と礼を伝えて

くれた姉様に乱れていた心が一気に静まり、


「僕もすごく楽しかったです」


目を輝かせ楽しそうに時に嬉しそうに商品を手に

取っていた姉様を思い出し返事を返すと


「沢山、買ってくれてありがとう」


物欲が無いのか物を欲しいと言わない姉様が

笑顔で手に取る商品を全て買い取り屋敷に届け

させているので、姉様の部屋には包装された商品が

並べられていたのだろうと想像するだけれ、


店内を無人にする願いと手配が大変だったが、

皆、こちらの理由に理解してくれ協力をいただけた。


姉様の笑顔が見れるなら、何度でも街へ連れて

行きたい。


そう思える程に嬉しそうに、時に楽しそうに笑う

姉様に話を聞きつつ、視界端で良かったですね。と、

訴えてくるフレディを追い出し


「また、行きましょう」


まだ先の未来への約束を告げると


「ええ。行きましょう」


笑顔と共に深く頷いてくれた。


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