姉、心使いを貰う
馬の歩く音が聞きながらぼんやりと
窓の外を眺めていると、
「姉様」
こちらの様子を伺う様に声をかけてくれた
ディランに
「どうしたの?」
窓から視線を外し隣に座るディランへ体ごと
向け返事を返すと
「お疲れの様で」
心配そうに眉を下げるディランに
「大丈夫よ。ちょっと心構えが甘かっただけよ」
微笑み大丈夫だと伝えるも、眉間の皺が深く
なってしまい
「無理をし街に居る必要はありません。
屋敷に戻りましょう」
御者に指示を出そうとフレディに指示を出し
かけてたので慌て
「大丈夫よ!それに次のカフェでのアフタヌーンを
楽しみにしていたの」
引き留めると、じっと顔を見られた後
「かしこまりました。ですが、お疲れが溜まっている
と判断しましたが、屋敷に戻ります」
よろしいですか?
意見を聞いてくれる言葉の綴りではあるが、
はい。以外は認めないと言わんばかりに
「分かったわ」
もとより自分の心配をしてくれているディランの
心配りを申し訳なくも嬉しく受け取り頷き返事を
すると、重めな息を吐き出した後
「エスメ様が食べたいと教えてくださったキャロット
ケーキも用意させました。喜んでいただけると
思います」
困った様に微笑み教えてくれたフレディの言葉に
隣にいるディランに勢い良く抱きつき
「本当!? 食べてみたかった。
嬉しい、ありがとう」
喜びを爆発せると、フレディの小さく笑う声と
共に、
「喜んでいただけて光栄です」
戸惑いと困まった表情の中に嬉しいの感情を
入っており
「カフェ、楽しみね」
体を重く感じていたドレスの試着疲れなど
何処かに飛んで消え気力が湧き心が躍り出す程に
楽しみにしていると、あっという間にカフェに
到着し、出迎えてくれたボーイに案内され
入った一室のテーブルに着く。
香りの良い紅茶と共に運ばれてきたティーフード
と別にフレディから聞いたキャロットケーキが
置かれており、
まずはマナーに沿って紅茶で喉を潤した後、
焼きたてのスコーンをいただき、サンドイッチを
いただく。
このカフェはお祖父様とお祖母様が王都へ来た際に
必ず寄るカフェの様で、一息ついた所へノックの後
部屋に入ってきたカフェオーナーの挨拶後の会話で
知り、
「いつまでも若い時のまま仲の良いお二人で、
こちらも嬉しくて時に微笑ましく思っております」
懐かしそうに語るカフェオーナーにお祖父様と
お祖母様の話を聞き驚きと親しみを感じ、もっと
聞きたいと思うがオーナーも忙しい様で、
「この後も、ごゆっくりお楽しみください」
一礼をいただき退出する背中を見送った後、
視界の端に入った窓の外に見慣れた人物が
入り動きを止めると
「姉様、いかがなさいましたか?」
ディランが不思議そうに尋ね同じ様に窓の
外を見たので
「今、ルイが外にいた様に見えて」
返事をしつつ指を差し見る様に促したが
その場にルイはおらず
「気のせいだったのかしら?」
見間違えたのだと伝えると
「似た人物だったのかもしれませんね」
ディランの言葉に頷き、ティーカップに
手を伸ばした。
更新予約設定の日にち間違いをしており更新が遅れてしまいました。
大変申し訳ございません。




