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姉、考え込む


どうして忘れていたのだろう。


本当に


どうして。


肌着のまま立っているだけで1時間程立ち

その後、仮にと告げられるまま試着したドレスが

十着以上、それに伴うデザインの話し合いが

お母様のご友人とディランとで交わされ、


宝石の話になった時には慌て


「簡易な形でお願い」


要望を伝えると、


「かしこまりました」


お母様のご友人からは素敵な営業の笑顔で

返事をもらえたけれど、何故かディランから

言葉も行動も貰えず、


様子を伺うようにディランを見つめると


じっと見られた後、


「今つけているブラウンダイヤモンドもとても

お似合いですが、他の宝石も姉様の魅力を引き出せる

と思うのです」


真剣な表情と硬い声で告げられた言葉に、


「そ、そうかな?」


ディランが自分を思って考えてくれているならと

考えなしつつ返事をすると


「はい、大粒な宝石も素敵だと思います。

ですが姉様は大粒よりある程度の大きさにカットし

最小限に身につける方が互いに魅力を惹きあえると

思っております」


自分には想像できないけれど、ディランの中では

しっかりとでき上がった物がある言葉に


「ディランにお任せするわね」


頷きお願いすると


「お任せください」


力強く返事を返してくれたので、その後は

ディランが中心となりお母様のご友人やお針子さん

の意見を聞き何枚ものデザイン画が出来上がるのを

関心と尊敬の気持ちで見ていると、


「エスメ様」


フレディから小さな声で呼ばれ振り向くと、

お針子さんが冊子をフレディに手渡しており


「最新のデザインプレートをお借りしました。

お待ちの間に読まれてはいかがですか?」


話についていけていない自分への気遣いに


「ありがとう。そうさせて貰うわ」


お礼と共に受け取り、表紙をじっくり眺めた後

ページを捲った。


新し流行のドレスの形に刺繍のデザイン、

髪型など前の人生のファション紙と変わらない

情報を読みつつも


なるほど。

今のデザインに花の刺繍が流行る予定なのね。


多くの女性が身待とうドレスには彩りどりの

刺繍糸で刺された花があり、小さな花から

大輪の花まであり、


真紅の薔薇は似合う似合わないがはっきりと

出るけど、


憧れるデザインね。


他にはミモザなど季節を表す花や隣国の

刺繍のデザインも入っており


今年から来年は隣国の刺繍のデザインだけではなく

先程見た馬の置物や小物やインテリアも流行る

流れがきているのを感じ


どうしようかしら?

あの国、ミランダの出身国よね?


ミランダ自身から聞いた事も無かれば、こちらから

尋ねた事も無い。


紙刺繍として販売をする指示をさせば良いのは

分かっている。


公私を混合することは無いと知ってもいる。


だけど、自分の中では指示を出すのに戸惑いが

ある。


大好きで大切な親友の心を煩わせなくない。


だけど工房として流行るであろうデザインを

取り入れないのはどうだろう?


すぐに答えがでる訳はなく、


ドレスの形が決まるまで考え込み、


「ありがとうございました。楽しみにしてます」


仮決めと言う所まで進め、キリが良いの今日は

ここまでとなり、お母様のご友人とお針子に皆さん

に挨拶をしてディランとフレディと共に馬車に

乗り込んだ。


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