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弟は考え計画した


姉様が楽しそうで連れてきて良かった。


メイドとしての立場で店内にいる為、

いつもの様に表情に出したり、楽しげに

歌う様に話したりはしてないが、


産まれた時から一緒におり、弟として

包み隠さず全てを見せて貰えたから分かる。


心の底から嬉しそうで、時に誇らしげで

あるのが。


姉様と一緒に街に出ると言う事はそれなりの

警戒と警備が必要になってくる。


ルーズヴェルトの家事情は誰も声に出して

言わないが上位貴族は勿論の事、一部の

貴族や商会には知れ渡っている。


街を歩き何か起こるとは限らない。


この計画も短時間ではあったのもの、

厳選し選抜し

査して選んだ。


やるすぎではないかと、


厳しすぎるのではないか。


何度も自問自答したが、家から連れ出された

あの日を思い出せば厳しすぎると言う事は無い

と考えを改めた。


寝る間も惜しんで選んだ商会にレストランにカフェ。


姉様が楽しみ喜んでもらう事が前提で、

楽しんでもたう事が目的でもあるので姉様が

行きたいと話してくれたカフェも勿論予定には

入っている。


が、大通りから奥に入る事への治安の懸念。


それを考え代理で誰かが買いに行く事に

決まっている。


生活魔法道具であるティーカップの後、

紹介されているダーラナホースを女性店員から

受け取り話に耳を傾けながらまじまじと見つめ

ながら何やら思案している姿を視界の端に入れ

つつ


「今季の紙刺繍の評判も良く、明日売り出す

新作にも予約を沢山いただいておりますが、

数に限りがございますので、皆様の手には

行き渡るまで時間がかかるかと」


対面してる商会の会長の言葉に、


「そうか。ご婦人方には大変申し訳無いが

職人は増やしているが育成には時間がかかる

ので暫くすまないが待って欲しい」


ミランダ嬢からの報告書通りの回答を伝えると


「ありがとうございます。必ず手に入ると

分かればご婦人方もお待ちくださるでしょう」


穏やかに微笑み話す会長に微笑みで返事を返す。


彼とはお父様との友好関係で繋がっており

姉様が初めて作成した生活魔法道具を見て

ぜひ販売をしたいと声を上げてくれた人物

でもある。


この人物が販売をすると声を上げなかれば

一族だけれ楽しんで終わっていた。


販路を広げ、今や国中に広がった生活魔法道具


この店も大きくし支店を増やしても良い程の

利益を出しているのも関わらず、実店舗は

1件のみ。


家族経営をしつつ子供や血族は国外へと

目を向け販路の拡大を行い、また信頼を得て

移住もしその国で店を開いている。


他の店とは違い新しい物や国外の伝統文化へ

興味が強い一族だとお父様が楽しそうに話して

いたのを思い出し、


「あの馬の置物は国外の伝統文化ですか?」


会話をする為に尋ねると、


「はい。隣国です。確か紙刺繍工房の

ミランダ嬢の出身国の商品ですね」


どこまでこちたの内情を知っているのか

さらりと手札を見せた会長に、


「そうですか。多種多様の柄があるのですね」


冷静に切り返し、次の話題へと進めると


「祝いの品として贈られ言われがあり、

平民の間で送りあっている品です」


微かに何かを感じ取ったが、あえて気づかぬ

フリをし


「なるほど。初めて見ましたが柄も色も

見ていて楽しいですね」


さらりと返したつもりだが、相手は接客で

対話には慣れた人物。己の心うちなど

お見通しなのだろうが、


「あえて色の塗らず木の木目を楽しみ

月日が経つごとに色が変わるのを楽しむ

商品もあります」


こちらです。


どこからともなく出されたダーラナホースは

会長が言うとうり木の優しい色と香りがしており


「では、お一ついただきましょうか」


断る理由もなければ貴族としてお金を使い

感謝と経済を少しでも回すという意味も込め

購入を伝えると


「ありがとうございます。3つご用意いたします」


良い笑顔と共に告げられた言葉に、


こちらの事情は汲んでいるとのだと遠回りに

告げられ、心の中で重い息を吐き出した後、


感謝と礼の意味を込め微笑みで返した。



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