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姉、初めて知る事


軽い挨拶の後、談笑をしながら店内へ

足を進め案内された部屋へ入ると客間の

様で、案内をされるままディランは

店主さんと対面するようにソファに座り

フレディも近くに控えたのを見て、

邪魔にならならない様に壁際へと移動し

待機する。


「早速ですが、最近の傾向といたしまして」


そう切り出した店主さんの話は生活魔法道具

の売り上げとお客さんの反応を詳しく教えてくれ


「特に最近発売した掃除機は高位貴族は勿論

中堅の商会にも好評で生産が追いついていない

状態です」


人良さそうな微笑みに柔な雰囲気を纏っているも

営業としても接客も交渉も経験豊富でどこか

威厳を感じさせる店主さんが真剣な表情で


ふた周りも歳下であるディランを対等に

対応してくれ


「そうか。とはいえ技術者も限られているから

急に生産を増やせるのは難しい」


ディランも貴族そしても品格を保ちつつ敬意を

持って対応をし返事を返す姿に


互いに良好の関係ができている2人を見つめつつ

店主さんと目が合わない様に少し下を見ながら

2人の会話に耳を傾ける。


「初期に発売しました、魔法石の付けた

ティーセットは代表商品であり定番商品です。

季節ごとに柄を変えてからはさらに売り上げを

伸ばしております」


どこか楽しそうに話す店主さんの話に心の中で

首を傾げると


「コレクターが出始めておりまして、初期に発売

した柄のカップや試作にとお見せしていたカップ

は商品価値が上がりオークションに出始めている

のを確認いたしました」


初めて聞く情報に思わず顔を上げそうになったが

グッと堪え、話に集中する。


「噂には聞いておりましたが、事実なのですね」


ディランの言葉に


「はい。付け値は然程ですが、回を重ねるごとに

値は上がっております」


店主さんは事前に調べた様でディランに一枚の

紙を差し出すと、ディランは受け取り目を通す。


「まだ発売年数が浅いので、コレクターが探し回る

と言う事はありませんが、先を見通して行動かと」


安い内に入手し、自分の代では価値は変わらないが

数年先の代では倍もしくは数倍の価値になると

先読みしての購入の様で、


前の人生でも、確か腕時計投資の話を聞いた事が

あった。


同じ事なのだろう。


あったら良いな。

あれば便利だな。


その考えと思い付きで作った物が商品として

発売したくさんの人の手に渡り、価値がつけられ

見出された事に恐縮と複雑な気持ちになりつつ


「勿論、生活魔法道具だけではありません。

紙刺繍もすでに初版は数が少なく出回って

いない為、倍もしくは数倍の価値でオークション

に出ております」


自分が知らなかった情報に驚きつつも、

紙刺繍は働くご婦人たちの技術が認められた様で

嬉しくも誇らしく、ミランダとお祖母様に

知らせなくっちゃ。


心踊るような気持ちで話に耳を傾ける。


その後も商品ごとの販売数に客層、

また接客の中で出てきた会話など、店主さんが

ディランに教えてくれ、


「ありがとうございます。参考にします」


お礼と共に感謝の言葉を伝え、会話が区切りを

つけると、


「では、店内をご案内します」


その言葉に店主さんたソファから立ち上がり

少し遅れてディランが立ち上がった。


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