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姉、お出かけの準備をする



マルチダと共に部屋に戻り室内着である

生成りのワンピースを脱ぐ為に服を握った

所でノック音が聞こえ、頭の中で訪問予定

があったが考えたが予定は無い。


が、廊下にいる相手が誰なのか確かめて

貰う為にマルチダに視線を送りつつ、

入室を許可する言葉をかけると、姿を見てた

のは1人のメイドさんで、


「街へ出るご準備をすると聞き手伝いが

あればとお伺いました」


腰を折り礼と共に訪問理由を告げたメイドさん


「ありがとう。マルチダ、何かあるかしら?」


着替えも髪型も全て自分で整えるつもりだった

のでどうするべきかと悩んだが、


「では、髪をお願いします」


自分の仕事の合間に来てくれた心使いをいただき

お願いをすると、安堵の息を漏らした後、


「かしこまりました」


マルチダに教えてもらったメイドの微笑みでは

無い個の感情が入った微笑みを貰え、


お願いして良かったな。


嬉しそうに微笑んでくれたのを見て自分も嬉しく

思いつつ準備し始めた。


学園指定の紺色のワンピースと似ているが、

我が家のメイドさんだけが着るデザインの

仕事着に身を包むと視線と身が引き締まる。


朝の仕事で着ていたはずなのに、今日着ると

いつもと違う気分になり、言葉にできなに何かが

心の中にあるが手を止める訳にはいかず、

着替えが終わり、次は髪型を結い上げ室内帽へ入れる

準備の為ドレッサーへ移動し鏡の前へ座り、


「お願いします」


先程来てくれたメイドさんへお願いをすると、

心得たと力強く頷いてくれた。


何度も髪を櫛で漉きその後、1つに纏め髪が

落ちてこない様にきつく縛り上げ室内帽へ納め

てくれた。


迷いなく動く手を見つめていると


「エスメ様」


急に名前を呼ばれたので視線を向けると


「少し化粧を施しますのでそのままで」


マルチダの言葉に驚き、化粧をしない事を

伝えようと口を動かすが


「大人として、また、メイドとしてのマナーです」


そう言われてしまうと反ろうする事はできず、

なされるままでいるが


なんだか化粧が濃い様な?


普段化粧をしないからか粉を乗せられていく

自分の顔を見ているとそんな感想を持ち


「マルチダ。化粧が濃い様な気がするのだけど?」


隙を見て伝えるも


「いえ、まだ薄い方です」


キッパリと返され、


そうかな?

そんなに粉を乗せなくても良い気がするなぁ


音にできなかった言葉が心を頭を占めるが


「とてもお似合いですよ」


髪を結い上げてくれたメイドさんの褒め言葉に


「ありがとうございます」


お礼を返し、思う事はあったがマルチダが自分

の事を思い施してくれた化粧だもの、

変な事は無いわね。


自分が見慣れないだけだと考え直し、全てを

マルチダに任せる。


暫くし出来上がったようで、動かしていた手を

下ろし、


「いかがでしょうか?」


出来上がりを問うマルチダの言葉に


「ありがとう。とても素敵だわ」


乗せすぎていたと思った粉は調節され程良い

色になり、上睫毛を挙げた事で目が大きく見え

唇はほんのりと赤く塗られており、


さすがマルチダ。


完成すれば今まで見た事の無い自分の顔に

なっており、驚きと共に気持ちも高揚し

まじまじと鏡を見つめていると、


「素敵ですね」


いつも何かフレディが鏡に映っており

勢い良く振り向くと、


「とても素敵なレディだったのですが、今の

行動で全てが台無しです」


ワザとらしく大きなため息とゆるりと首を振り

ながらの言葉に


「それは失礼しました」


擦れた布の音をさせないようにゆっくりと立ち

上がり、マルチダに教えて貰ったメイドの礼を

完璧な角度と速度でこなし返事を返せば


「流石、エスメ様」


今度は関心の褒め言葉に、ゆっくりと体を戻し


「当たり前よ。ディランと一緒に行くのだもの。

迷惑をかけないように無いとね」


いつもの様に笑い返事を返すと頷きで返事を返し

てくれた。


フレディが部屋に来たと言うことはディランの

準備も整ったという事。


いよいよ街へ行けるのだと思うと飛び跳ねたくなる

気持ちになるが、ぐっと抑えまずはフレディの部屋へ

移動となり、全員で移動し


「ディラン、お待たせ」


そんな言葉をかけて部屋はいると


「いえ、そんなに待っておりませんよ」


返ってきた言葉と共にディランを見ると

黒のスーツを身に纏い、帽子と杖を片手に持った

貴族の紳士である姿に、驚きと共に見惚れ言葉を

失っていると


「似合っておりませんか?」


恥ずかしそうに頬を少し赤めほんの少し小さな声

で尋ねられた言葉に、意識を取り戻し


「似合ってるわ! とても素敵」


思ったままの言葉を告げた後、


「ディランは細めだけど剣の練習をしているから

筋肉もついてるし、スーツがよく似合うわ。

それに、とても大人の雰囲気で一瞬に惚れて言葉を

失ったもの。とても素敵。あ、ネクタイピン目に色と

同じ色なのね」


早口で感想を伝え、気づいたピンの事を伝えると、


「ええ、皆で持っている宝石のピンです」


お祖父様、お祖母様、お父様、お母様、ディランに

私。


1つのブラウンダイアモンドを分けて作った

アクセサリーを持っており、使う日はそれぞれが判断し

使うことが決められている宝石。


その大事な宝石を今日のこの日に身に纏ってくれた

のが嬉しくて、微笑んでいると


「姉様もご一緒にいかがですか?」


ディランのお誘いの言葉に、


「そうね。洋服の中に入れてしまえば隠れるわね」


頷き身に付ける事を言葉にすれば、素早くマルチダが

ディランの部屋から出て行き、自室に保管してある

ネックレスを持ってきてくれた。


手渡してくれるものだと思い手をマルチダへと

伸ばしたもの、先にディランが受け取り、


「姉様、失礼ます」


言葉と当時に背後へ立ったディランは手早く

ネックレスをつけてくれ、


「ありがとう、ディラン」


小粒なブラウンダイヤモンドを指先で確かめつつ

お礼を伝え、首ものまで隠れているメイド服の中へ

入れた。




三連休初日ですね。皆様いかがお過ごしですか?


ブッマークや評価、いいねボタンをいただき誠にありがとうございます。


ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。

お時間ありましたらお読みください。

https://ncode.syosetu.com/n4082hc/


フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。


お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!

https://ncode.syosetu.com/n9341hw/


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