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姉、変化に気づく


寝不足の為に早く寝たからか

寝起きはスッキリしており、


やっぱり夜中に考え事はダメね。


改めて実感し、ベットから出てサイド

テーブルの水差しから水をコップに入れ

飲み干す。


今日は少し酸味がありよくよく見ると

ハーブが多めに入っており、


屋敷で働く皆に心配をかけてしまった事に

気付き、


何かお礼になる物をマルチダにお願いしないと。


いつも通り、机に向かい工房の書類にお祖母様や

ミランダから届けられた手紙を読み、返事を書き

終わる頃に聞こえたノック音に入室の許可を出すと


「エスメ様、おはようございます」


乱れた場所などない程に完璧に礼と身なりの

マルチダからの挨拶に


「おはよう」


挨拶を返し、学園に行く為の準備に入る。


紺色のワンピースを着て、ドレッサーの前で

マルチダに髪を丁寧に漉いて貰う。


鏡に映った自分の顔をまじまじと見つめ、

昨日、皆が気にしてくれたクマが無いかを確かめる。


青と茶色の目の下。


黒くなっていない肌を確かめ、改めて自分の顔を

見ると、


私、こんな顔をしてたっけ?


髪を結い上げられ輪郭が出ている顔を改めて見ると

自分が思っていた顔を違う顔が鏡に映っており、


「いかがなさいましたか?」


鏡に映るマルチダの表情は変わらないものの

自分の行動を不思議に思った問いかけに


「私、こんな顔してたかしら?」


思ったままを言葉にし返すと


「大人の表情をされる事が多くなってまいりました。

その影響かと思います」


さらりと告げられた言葉が理解できず


「大人の表情?」


返してしまうと


「ディラン様も同じですが、大人へとなりつつある

のだと思います」


「なるほど」


昨日、ディランから繋がれた手は自分の手より

大きく、手の皮も硬くなって一部は剣ダコの

様なものもできていた。


マルチダの言葉に納得したと返したものの、

自分の変化にそんな変化があるのか分からないまま

身支度を終え、迎えに来てくれたフレディと共に

ディランの部屋へ向かい


「おはようございます。姉様」


「おはよう。ディラン」


互いに朝の挨拶を交わし、朝食を取り

食後の紅茶をいただき、馬車に乗り学園に向かう。


途中、今日の予定などを擦り合わせ、ルイとの

待ち合わせ場所で馬車が止まり、ディラン降りた後

フレディと共に馬車をおり、


何やら真剣な表情で話し込んでいるディランとルイの

表情を眺めていると、話しは終わったようで

ディランと共にルイもこちらに向かって歩き


「ルイ。おはよう」


挨拶をすると


「おはよう」


挨拶が返り、


「じゃ、行ってくるわね」


ディランとフレディに手を振りルイと共に

校舎へ向かって歩き出した。


いつもの様に挨拶を交わしながら教室へ向かう

途中、ボーイックと女子生徒が視界に入り、

気にせず横を通りがかった時に強い視線を感じ

振り返り掛けたものの


「エスメ、行くぞ」


ルイの声に視線を戻し教室へと向かった。



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