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姉、反省する


淑女教育も終わり、アメリアと別れを告げ

マリーとも別れルイと共にフレディが待つ

馬車へと歩く。


少し体が重さを感じつつもルイと話しながら

歩く。


少し眠たくなってきたなぁ。


漏れそうになる欠伸を我慢しつつ歩き続けていると

いつの間にか馬車に到着をしており、


「お帰りなさいませ」


フレディの挨拶に


「ただいま」


挨拶を返すと朝の時より眉を下げ心配まじりの

表情に、笑い


「大丈夫よ」


返事を返すも、曇った表情は晴れる事が無く

周りで待機をしている従者さんからも心配げな

空気を貰い、申し訳ない気持ちになりつつ


「こんにちは」


いつもの様に挨拶をすると微笑み小さく会釈を

を返事として返してくれた。


「エスメ様、お疲れでしょうから中へ」


少し慌てながら馬車の扉に手を掛け開けた

フレディの言葉に促され


「ルイ、また明日ね」


「ああ。また明日」


別れの挨拶を交わし馬車の中へ入り椅子に腰を

掛ける。


外から聞こえてくるフレディとルイの話し声を

聞きながらぼんやりと座っていると、微睡が

やってきた。


寝てはダメだわ。


制服を着ており馬車の中とは言え、まだ学園の中。


淑女の行動に反することは絶対に避けたい。


微睡と共に小さく聞こえてくるフレディの声が

眠気を更に膨らませてくる。


寝てはダメ。


何度も思い直し、意識を覚ます方に集中する。


気がつくと体が傾き掛け、倒れそうになる感覚に

驚き目を開けたが、すぐに瞼が閉じようとするので


ダメだわ。

何か他のことを考えて眠気を紛らわせないと。


工房のことを考えてみたり、授業で習った事を

思い出したりし眠気に抗っていると、


「姉様。遅くなり申し訳ありません」


少し息を切らせたディランの声に意識が目覚め


「大丈夫よ。そんなに待っていないわ」


慌て微睡んでいた自分を誤魔化す様に告げるも


「フレディ。出発を」


慌てた様に座席に腰をかけフレディに告げた後

馬車は走り出した。


馬車の揺れが眠気を誘い、瞼を閉じそうになるも

何とか堪えているといつの間にか屋敷に到着

したらく、


「姉様、降りられますか?」


心配そうに尋ねてくれ手を差し伸べてくれた

ディランの手を取り、


「ありがとう。だいじょうぶよ」


何とか返事を返し馬車から降りると、

風が頬を撫ぜた感覚にかすみかかっていた

意識を取り戻し、


「マルチダ、ただいま」


「お帰りなさいませ」


出迎えに来てくれたマルチダに挨拶を済ませ

ディランのエスコートの元、自室へ入って行く。


制服から生成りのワンピースへ着替え、改めて

鏡を見れば、うっすらとクマがあり、


みんなこのクマを心配してくれていたのね。


まじまじと鏡を見た後、


「エスメ様」


マルチダに呼ばれ振り向くと、


「こちら、旦那様と奥様からエスメ様にと

贈り物が届いております」


マルチダの声と五指が差したテーブルへと目を

向けるとリボンのかけられた箱が2個あり


不思議に思いソファに座り近くにあったリボンを

解くと


「サシェだわ」


ふんわりと香るラベンダーの匂いと甘い匂いに

頬を緩めた後、次の箱を開けると蜂蜜の様で


「お礼の手紙を書かないと」


机に移動しようとソファから立ち上がった

所でノック音が聞こえ返事をすると


「失礼します」


入室の言葉と共にディランとフレディが部屋に

入ると爽やかな香りが部屋に広がり


「姉様、フレディがハーブティーを淹れたのですが

ご一緒にいかがですか?」


ディランのお誘いに


「お心使いありがとう。いただくわ」


ソファに座り直し、フレディが淹れてくれた

ハーブティーを一口飲み


「美味しい」


ほんの少し酸味があるが重く感じていた体が

少し軽くなった気をし、すぐさま2口目を飲み


「フレディ、ありがとう。とても美味しいわ」


自分の体調を思い調合をしてくれたフレディに

お礼を伝えると微笑み返ししてくれ、


ディランとクラスでの出来事を話し出す。


「皆から心使いを沢山いただいてしまったわ」


言葉に出して話すとクラスメイトの心使いに

マリーの表情、アメリアの紅茶のお願いなど

全部、自分の体調を気遣ってくれた行動と言葉で


「しっかりしないとダメね」


重めの息と共に言葉を落とすと、


「明日、元気な姉様を見れば皆安心いたしますよ」


横に座っていたディランが手を握り、

返してくれた言葉に


「そうね。今日は沢山寝て元気にならなきゃね」


自分より大きくなったディランの手を握り返えす。


眠たい自分より少しひんやりとしたディランの手は

細い指でありながらも皮は硬く、


ディランももう子供では無くなるのね。


鈍い頭の中に深んだ答えに愛おしさと寂しさが

込み上げてきた。


その後も眠気と動きの遅い思考の中自室で

ディランと共に過ごし少し早めに晩餐もいただき


「おやすみなさい」


互いに就寝の挨拶を交わし、自室へと戻るディランと

フレディを見送った後、マルチダに手伝って貰い

入浴を済ませ、お母様からいただいたサシェを

サイドテーブルに置き、やってきた眠気に

誘われるまま瞼を閉じた。




予約投稿の日にち間違えて設定してしまい更新が遅れてしまいました。

大変申し訳ございませんでした。

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