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姉、迫力に押される


考え事をしてしまい寝不足であって

どこか不調があるという訳で無い。


それでも会おう人会う人に心配げに

眉を下げ気遣いの言葉をくれる。


有り難いなとともう反面


皆、心配しすぎなのでは?


前の人生で考え事での寝不足や私生活での

寝不足など様々な事で寝不足になっていたから

この程度の寝不足はその日に早く寝れば回復

できる事を知っているのでそこまではと

考えていたが、


「エスメさん」


淑女教育が終わりいつもの様にお茶会の

準備を整えている最中にアメリアから名を

呼ばれ、動かしていた手を止め近づくと


「今日は蜂蜜とミルクが多めのミルクティーを

飲みたいのだけどお願いできるかしら?」


今日の気分は甘めのミルクティーの様で


「畏まりました。ご準備いたします」


マリーの手伝いとして入室を許されている

事を思い出し、マルチダを手本に返事を返すと


「私も同じ紅茶をお願いします」


マリーからも紅茶のお願いが入り、


「畏まりました」


腰を折り礼をしたのち、ワゴンへ戻り

蜂蜜とミルクを近くへ引き寄せ紅茶を淹れ始める。


ルイへ視線でどの紅茶が良いか尋ねると、


一緒で良い


との返事だったのでアメリアとマリーの希望の紅茶

を人数分淹れ、テーブルティーフードと共に運び

お茶会が始まった。


他愛の無い日常の話から授業の話に、流行のドレスの

型や化粧に髪型など話す話題は尽きる事なく、3人で

盛り上がるのをルイはいつも静かに話を聞いているが、


今日は、


「エスメさん、顔色が悪いわ。寝不足かしら?」


アメリアの言葉に困った様に眉を下げ


「そうだけど、そんなに分かりやすいかな?」


頷きと共に質問をすると、


「目の下にクマができておりますし、いつもの

エスメさんとは雰囲気も違いますわ」


的確に返って来た回答に、首を傾げるも


そういえばディランに目の下を撫ぜられたわね。


朝の出来事を思い出し、それならば分かりやす

と納得できたので、皆に伝えている言葉を告げよと

口を開きかけるも


「何を思い悩んでいるのかしら?」


真剣な表情の中と共に目は話すまで逃さないと

言わんばかりの強い意志を見つけてしまい、


「たいした事ではないの」


気づかなかったフリをしアメリアの質問を

回避しようとするも、


「どうせボーイックの事だろ」


ルイの言葉に驚き顔を向けると


「ここには4人しかいないんだ。喋っちゃえよ」


更に告げられ、誤魔化す事が難しくなり


「あまり聞いて気持ちの良い話ではないの」


観念し、それでも良いかと告げアメリアとマリーを

見るとマリーは小さく頷いてくれ、アメリアからは

視線で話す様に告げられた。


自分の至らなさを話すのは何とも居心地が悪く、

無意識に逃げと誤魔化しの言葉を告げてしまうも

すぐに訂正し、話せる事だけを話し


昨夜、考えに至った答えを告げ口を閉じた。


年上のなのに情けない。

お姉ちゃんなのにしっかりできていない。


ぐるぐる回る言葉に、


「宜しいのではないかしら?」


アメリアの言葉が耳に入り、考え込んでいた

意識をアメリアに向けると、


「エスメさんがそう考えたならは実行をすれば

良いですわ」


普段と変わらない口調のはずなのに何故か

とても高飛車に聞こえ、返事が返せないでいると


「現を抜かし、何故学園へ通っているのかを忘れる

者達に遠慮はいりませんもの」


手の甲で口を隠しコロコロと笑うアメリアの

雰囲気に押され、戸惑いつつも


「そう、かな」


曖昧な返事ではあるものの声を出す事ができたが


「弱気ではいけません。もっと強気で」


押される様な勢いに


「う、うん。頑張るね」


頷き返せば、見惚れるほどの微笑みが返り


応援してもらっているのだもの。

頑張ろう。


迷い揺らいでいた気持ちを引き締め、自分が淹れた

甘いミルクティーを一口飲んだ。



夜に虫が鳴く音を聞きまいた。秋になったのですね。


ブッマークや評価、いいねボタンをいただき誠にありがとうございます。


ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。

お時間ありましたらお読みください。

https://ncode.syosetu.com/n4082hc/


フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。


お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!

https://ncode.syosetu.com/n9341hw/


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