表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

566/751

姉、心配される


瞼を開けたもののまろやかな心地よさに

誘われ瞼を閉じかけたものの、


起きて工房の報告書を読まなきゃ。


重くて動きの鈍い体を動かしベットから出て

サイドテーブルに置いてある果実水を飲み

いつもの様に机に向かう。


書類を手に取り読む込んでゆくも、一向に

頭に入って来ず、


普段の倍の時間を掛けて書類を読んでいた

様で、ノックの音に気付きマルチダが入室

した事で理解をした。


「お顔色が優れない様ですが?」


背中から聞こえた声に鏡越しに視線を合わせ


「体調は大丈夫よ。少し寝不足みたいで」


そんなに顔色が悪いかしら?


返事を返しながら鏡に映る自分をまじまじと

見つめる。


見慣れた顔が写っているだけで首を傾げるも


「本日、お休みをされてはいかがですか?」


マルチダからの言葉にビックリし振り返り

マルチダに顔を向けると、心配げに眉を下げ

る表情に内心驚きつつ


「ありがとう。本当に体調は大丈夫なの」


ただの寝不足で体調は大丈夫なのだと

安心して貰おうと伝え、


「今日は早く寝るわね」


対策も考えていると伝えると、少しの間の後


「かしこまりました。その様にご準備いたします」


小さく頷き理解を示してくれ、押してしまった

時間を取り戻す様に手早く髪を結ってくれ、

身支度が整ったのを見計った様に聞こえたノック

に入る様に声をかけると、


「おはようございます。エスメ様」


朝の挨拶を貰ったので、


「おはよう。フレディ」


挨拶を返すと、


「体調が優れないようですが」


心配げに眉を下げたフレディの言葉に


「少し寝不足なの。大丈夫よ」


安心させる為に笑いながら伝えたものの

逆に不安にさせてしまった様で、眉間に皺を寄せ

てしまったので


「本当に大丈夫よ。その分、今日早く寝るから」


慌て言葉を足して伝えると、納得をしていない

雰囲気と、重々しいため息と共に


「畏まりました」


従者の礼と言葉をくれたが、納得していない

雰囲気に申し訳無く思いつつディランの部屋に

お邪魔すると


「姉様、体調が優れないのでは?」


挨拶より先に貰ったディランの言葉に、


「お心使いありがとう。体調は大丈夫よ」


そんなの酷い顔をしているのかと不安になりつつ

心配をくれたディランにお礼と共に変わりない事を

伝えたものの、ゆっくり伸びてきた手は目の下を

ゆっくりと撫ぜられたので


「少し寝不足なの。今日は早く寝るつもりよ」


安心させるように微笑み伝えると、数度唇を動かし

何か言葉を作ろうとしていたが、一度閉じた後、


「分かりました。その様に指示を出します」


頷き理解をしてくれた。その後も馬車に乗る為に

ディランと歩いていると皆が一瞬、驚いた表情を

した後、心配げに視線をくれるので


大丈夫。


の意味を込め微笑み元気に挨拶をし屋敷から

学園へ移動し、


「ルイ、おはよう」


いつもの様に挨拶をすると大きなため息を落とした

後、


「気をつけて見てるから、行ってこい」


自分ではなくルイはディランに声を掛け


「頼んだ」


ディランの頷き返したので、


2人とも心配性だなぁ


なんて思い、ディランと別れ廊下を歩くと今日も

女子生徒とボーイックの姿が目に入ったものの

ルイに視線で急かされ教室に入ると、皆驚いた

表情をするので、内心戸惑いつつ何でもないと

淑女の微笑みと共に朝の挨拶を交わし、


「マリーおはよう」


先に自分の席にいたマリーに声をかけると


「おはようございます」


席から立ち上がり振り返りと共に挨拶をくれたが

目があった途端に顔色が悪くなり


「エスメさん」


心配げに震える声に


「大丈夫。ただの寝不足なの」


安心させるために微笑んだものの、更に眉を下げ

たので


「本当よ。体は元気だから」


慌て伝えると、


「そうですか。何かあったら隠さず伝えてくださいね」


反論は許さないとばかりに迫力に


「はい」


頷くしかでき無かった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ