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姉、気付く


昨夜、ディランから街へのお誘いを貰い

楽しみで興奮してしまい眠るどころか

目が冴えてしまい、ベットから出て机に

向かい、整頓されている書類と共にある

封筒と手に取り、手紙を取り出し読んでいく。


ミランダからの手紙にはいつも通り季節の

挨拶工房での出来事や街の様子が書かれている

が、数通前から自分が通う学園の様子に不信な

様子も書かれており


やっぱり、不信なのか。


ミランダからの心配の言葉に息を吐き出し

弾み浮かんでいた心が落ち着きを取り戻し


明日からボーイックの様子をしっかり観察

しよう。


ボーイック以外の男子生徒は、冷静に周囲を

見定めている生徒もいれば、冷やかしに

好奇心という感情でボーイックを見ている。


女子生徒がボーイックだけに声をかけた理由は

なんだろう?


年齢も様々で王宮で仕事をしている人も居れば

街の商店で働いている人も居る。


収入を言うならば下位貴族、特に男爵位の家

より少し低いかもしれないが、自由にできる

お金を持っている。


何より女子生徒は父は侯爵位。


地位は勿論、お金に不自由は少ないはず。


そう思ったものの、


お金は多ければ多い程に幸せ。


お金の余裕は心の余裕を生み出す。


前の人生でもお金については色々あった。


確かにボーイックの家は王家とも取引を

し隣国の王家とも取引をしていると言われる

大商会。


そして、跡取りという立場。


結婚で生家を出る貴族女性にとっては

結婚したい位置にいる。


なるほど。

確かに付き合うには利が多い。


ただ、ボーイックという人としての本質は

目にも留めていない。


ルイが怒り、マリーが悲しそうに微笑み

ミランダが不信に思うはずだわ。


自分が1番上で、前の人生の記憶もあり

経験豊富なのに


誰よりも見えていなかった。


もしかすると信じたくなかった、

理解したく無かった、


本当は分かっていたから気づかないふり

をし目を逸らしていたのかもしれない。


重くなった気持ちと共に体の奥底から

空気を吐き出し、


ダメね。


己の不甲斐なさを反省し、

客観的に見れば、


街へ行こうと誘ってくれたディランは

私を元気づける為に、忙しい中予定を調整し

開けてくれ、


フレディはお母様やお父様に許可を取って

くれたのだろ。


行きついた答えに情けなさと申し訳なさに

膝を抱え込む。


が、これ以上ディランにもフレディにも

皆にも迷惑をかけない様にしないと。


下を向いていた顔を上げ、勢いよく椅子から

立ち上がり、


寝よう。

寝不足はなんの徳にはならないわ。


眠れそうにないものの、布団に入り瞼を

閉じれば寝られるはずと、勢い良くベットに

入り瞼を閉じ、


どこからとも無く浮かんでくる考えを切り捨て

眠りについた。



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