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姉、皆から話を聞く


週末にクラスの希望者で集まり勉強会を

する事が決まり、場所もマリーの教授との

交渉のおかげで学習室が借りる事ができた。


試験前のという事もありほぼ全員が参加に

なりつつある中、


「ボーイックさんも一緒にいかがですか?」


授業開始直前に自分の席に戻ってきた

ボーイックに声をかけたが


「皆で集まって? 何それ、俺は行かないよ」


どこか嫌悪感を感じる声と気だるげな態度に

ルイが肩を揺らしたので袖を掴み、ルイ以外に

気づかれない様に引き留め


「分かりました」


マリーが淑女の微笑みと共に頷き返事を返し

そのまま授業へと入って行った。


教授の説明を聞き書き写してゆくも心の中で

なんとも言えない感情が広がり、体の奥底から

外に出す為ゆっくりと息を吐き出す事を数回

繰り返し気分を変え集中する。


なんとか授業を乗り切り、机の上を片付け

マリーと話をする為に振り返るとボーイックが

教室から出ていく姿が視界に入り、


「最近、なんか態度悪いよね」


「下位といえど貴族と関係が持てて嬉しいのは

分かるけれど、相手がねぇ」


周りにいる女子生徒の言葉に視線を向けると

慌てた様に口をつぐんだものの、


「ボーイックの付き合っている女子生徒ですが、

クラスの男子全員とお付き合いをしているらしく」


おずおずと教えてくれた言葉に、返事は返さず

曖昧に微笑むと、話を聞いてくれると思った様で、


「女子生徒ですが、平民だったのですが伯爵が

愛した女性の忘形見だと引き取り、伯爵家へ

迎えられたのです」


初めて知る女子生徒の生い立ちに、眉を下げれば


「勿論、養子ですから貴族籍はまだありません。

正当な手順を踏んで申請をしているはずですが、

中々、話題の尽きない伯爵様なので」


濁しつつ伝えたかった言葉、


あまり良い伯爵家では無い様で、御当主である

伯爵様も良い人では無いとの事に、


上に立つ立場の人が勘違いをしていると言う事ね。


納得し、彼女達の言葉に耳を傾け続けると、


どうやら様々な所で迷惑をかけてい流ようで、

各部署で働いているクラスメイトからは不満や不平の

言葉が沢山聞こえてきて、


中々に癖の強い家族なのね。


少し引き気味にクラスメイトの話を聞いていると

どうやらボーイックの彼女さんも色々話が尽きない様で


最初は、愛情を試したい我儘だろうか?


突然新しくできた父親にお試し行動をしているのかと

思ったものの、よくよく話を聞くと


ただの我儘と横柄の態度の様で、


何かできればともうものの


何も出きることは無さそうだと分かりつつも

どうにか出来ないかと頭の動かしていると


「ボーイックも見る目が無いよな。前のままなら

好青年として伝も広げる事ができただろうにさ」


女子生徒だけではなく男子生徒達も輪に加わり


「よりによって噂の女子生徒なんだろうな。

ボーイックというより女子生徒が近づいてきた

のかもな」


「あり得る。ボーイックと仲良くなれば

大商会との伝ができてあば良く王族とも関係が

作れればと思ったのかもな」


「と言うより、貢いで欲しかったのかもよ。

ボーイックなら最先端や入手困難の商品が手に入るし」


女性生徒よりも冷静に判断している言葉に返答に困り

曖昧にするしか無く、


ボーイックの恋心が早く冷める事を願いしか

無いのだと分かり、


否定や反対をすれば、燃え上がる事が分かるだけに


お手上げだと理解し、タイミングよく授業の時間となり

話をきる事ができた。


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