姉、提案をする
「姉様、遅くなりすみません」
馬車の扉が開いたと共に声と姿を見せた
ディランに、
「お疲れ様。大丈夫よ、気にしていないわ」
からりと返事を返し、ディランに続きフレディが
馬車に入ってきたので屋敷に帰るのだと理解し
座っている椅子を深く座り直し、動くときに
滑ら無い様に足に力を入れると、
フレディが行者が居る壁をノックし、出発を
お願いするとゆっくり動き出し、屋敷へと向かった。
どこに寄る事も無くまっすぐに屋敷に向かう中、
「そう言う言えば、今日ね」
教室であった事をディランに話し、
「試験が近いですからね。姉様のクラスメイトは
職場の評価に昇級と昇給に必要になってきますから
この機会を逃したく無いのでしょう」
普段通りに答えるディランに
「そうなのね。なら、私も頑張らないと」
みんなが頑張る意味を知り、その中で頼って貰えた
事が嬉しくて俄然やる気を出し、
「今週の休みに皆で集まって勉強をしようと
提案してみようかしら?」
思いついた事を話すと
「良いかもしれませんね。学園にある学習室は
使用許可が出ると思いますよ」
ディランが更に提案をしてくれ、
「ありがとう。明日、みんなに話てみるわ」
お礼と共に提案を受け入れると
「お役に立てて光栄です」
少し頬を緩ませ微笑んだディランに、
心の中が可愛いと言う言葉で一杯になる中、屋敷に
到着しマルチダの出迎えを貰い、それぞれが自室に
戻り着替え、晩餐までの時間を過ごし、フレディの
迎えでディランの部屋に向かい、晩餐と食後の紅茶を
楽しんだ後、就寝の為に自室に戻りベットに入れば
あっという間に朝を迎え、
ベットから出て工房の報告書に目を通した後、
試験の予習と今日の授業の予習をこなしてゆく。
その後もいつも通りで、ディランと共に朝食を食べ
学園へ向かい、
「ルイ、おはよう」
「おはよう」
学園内でルイと待ち合わせをし、ディランとフレディと
別れルイと共に教室へ向かう。
途中、ボーイックが視界に入り見つめると、
男子生徒に囲まれながら登校するピンク色の髪の女子生徒が
おり、
「アイツ」
ルイの嫌悪感が含まれた言葉が聞こえ、
「ボーイックが選んだ事だもの。見守ってあげましょう」
そう伝えたものの、ルイの言いたい事も少し理解できるので
心の中で重い息を落とし教室へと入り、
「おはよう」
クラスメイトに挨拶をすると
「おはようございます」
皆が挨拶を返してくれ、自分の席に向かうと
「エスメさん、ルイくん、おはようございます」
マリーが挨拶をくれたので
「おはよう」
ルイと同時に挨拶を返し、
「そうそう。今週末のお休みにみんなで勉強を
しませんか?て提案をしたいのだけど、どうかな?」
場所は学習室になるけれど。
待ちきれず、昨日ディランと案と共に伝えると
周りにいたクラスメイトが嬉しそうに声を上げ
「是非、参加させてください」
「こちらからお願いしたいです」
賛成の声を貰えたので、頷き
「なら、準備が必要ね」
実行する事が決まり、
「では、私が教授に学習室の使用許可をお願い
しますね」
マリーの提案に
「ありがたいのだけど良いの?」
嬉しい気持ちと共に尋ねると、
「はい。私も協力させてください」
笑顔で頷いてくれたので
「ありがとう。なら、お願いするわね」
その一言で分担ができ、自分とマリーが主体で
動き、
週末は学園の学習室で勉強会を行う事が決まった。




