姉、手助けをする
学生生活で避けては通れない試験
2ヶ月という休み明けではあったものの
授業を受けるという習慣を取り戻し
休み中に少しでも復習をしていた為、
休み時間になると友達同士集まり、
教科書を開き復習をする中、
自分も試験勉強として開いた教科に書かれた
数式を解く事も、歴史の問題、隣国の言葉も
難なく解け、ほっと安堵の息を小さく溢す。
チラリと横目でルイとマリー様子を伺うと、
ルイも難なく数式を解き続けている様で
マリーも同様に隣国の言葉を難なく自国の
言葉に訳しており、
それぞれが休み中に復習を続けていた事が
分かり2人を尊敬しつつ続きを行う為に
視線を教科書に戻しかけたが、こちらの様子を
伺う視線と雰囲気に顔を向けると
申し訳さそうに眉を下げた女子生徒と目が合い
「どうかしたの?」
思ったままを言葉にし尋ねると
「実は分からない問題がありまして」
教えていただけたらと。
最後の方は小さな声であったもののきちんと
聞こえたので、女子生徒の不安が取り除ける様に
微笑みと共に頷きと共に立ち上がり
「私で分かる問題なら」
言葉と共に女子生徒に近づくと、慌てつつも
「あの、この数式なのですが」
広げている教科書を言葉で示し教えてくれたので
視線を向け、読み解いてゆくと言葉で説明が
できそうだったので、
「これはね」
女子生徒と視線があるように膝を曲げ、少しでも
理解ができる様に言葉を探しつつ数字を追い説明を
してゆく。
当人も理解しようと必死に数字を追いなんとか
答えを導き出すと、大きな安堵の息と
「できた」
無意識にこぼれ落ちた言葉の後、
「ありがとうございます」
嬉しそうに笑いながらのお礼の言葉に、
「解けて良かったわ。次もやってみましょう」
嬉しく思いながらも、次の問題を促すと恐る恐る
進め分からず手が止まったらヒントを伝えると
頷きと共に手が動き出し、3問目4問目と進める中
女子生徒の近くに座っていた生徒達が周りに集まり
出し、皆、教科書片手に問題と解き方を照らし合わせ
いる様で、自分の席に戻るに戻れなくなってしまった
事に気づくも、
後、数分の事だし。
そう考えを切り替え、女子生徒と共に問題を解いて
休憩時間は終わった。
授業と休憩時間は試験勉強の繰り返しで、勉強から
離れるのは昼食時のみ。
ここぞとばかりに皆が脳の疲労を回復させ、
午後からも授業と試験勉強を繰り返す。
分からない問題があれば席まで来てくれ尋ねて
くれたりまた呼ばれたりし、中々自分の復習が
進まなくなると、
「俺が教えてやろうか?」
気を使ってルイが入ってくれたり、
「私で良ければ」
マリーの提案にありがたく思っているも、
3人がそれぞれ皆に教える状態ができあがってしまい
こればかりは仕方ないか。
皆、休職をしたりまたは働き続けながら学園に通っている。
試験の成績は評価につながるのだろう。
そう思うと協力できる事はやりたい。
短い休憩時間のみの試験勉強をできるだけ効率良く
教える事ができるかを考えていると、その日の授業は
終わり、放課後はマリーの淑女教育に同席する為に
居残りをして勉強をする皆と別れルイと共に教室を
出て歩く。
途中、ボーイックや男子生徒に囲まれ楽しそうに話す
女子生徒を見かけ、声をかけそうになったものの
見守ると決めたんだもの。声をかけては駄目だわ。
グッ堪え、マリーとルイと共にアメリアの待つ教室へ
向かった。




