姉、毎日違う日常
休日はやりたいと思った事を思いつく
ままに行い、あっという間に2日間の
休みが終わり、再び学園に通う日が
訪た。
早朝に工房の報告書を読み、自分宛の手紙の
返事を書き終わる頃にはマルチダが朝の準備の
為に部屋へ来てくれ、支度が整う頃にフレディが
声をかけに来てくれ、隣の部屋へ移動し
「おはよう、ディラン」
「おはようございます。姉様」
部屋の主であるディランと共に朝食を食べ
食後のお茶を楽しみ、
「ディラン様、エスメ様、お時間です」
学園に登校する時間となり、2人揃ってソファ
から立ち上がりディランのエスコートで玄関
へと歩き、
「おはようございます。よろしくお願いします」
「おはよう。今日も頼む」
馬車と共に待ってくれた御者さんに挨拶をし
フレディと3人で乗り込み
「行ってきます」
見送りをしてくれるマルチダに出かける挨拶をし
学園へ向かった。
ゆっくり走る馬車に揺られ、今日の学園での予定を
擦り合わせ他愛の無い話に花を咲かせていると、
あっという間にルイとの待ち合わせ場所に到着し
まずはディランがルイと話をし、それが終わった
後
「ディラン、フレディ。行ってきます」
再び馬車に乗るディランとフレディと別れルイと
共に教室に向かい歩く。
新しい教室のある階は今まで顔を合わせなかった
貴族籍を持つ人達と同じで、クラスメイトはどこか
少し顔を強張らせ緊張しながら足早に教室へ入っている
姿を見つつ、
ルイと歩く速度の合わせ廊下を歩くと様々な場所から
様々な意味が含まれた視線を向けられ、
より強く見られている視線を感じ、そちらに顔を
向けると男子生徒に囲まれたピンク色の髪の女子生徒
と目が合った気がしたものの、女子生徒と男子生徒達は
楽しげに笑いあっており、
気のせいかしら?
心の中で首を傾げ、教室へと入ると
「エスメさん。ルイさん。おはようございます」
クラスメイトや先に来ていたマリーから挨拶を貰い
「おはよう」
挨拶を返し、自分の席へ荷物を置くと
「ボーイックさんは相変わらずの様で」
心配そうに教室の外へ視線を向けるマリーに
「ほっとけ。気にする事はないさ」
ルイが返事を返したもののマリーは心配を深めた
様で、
「言うだろ、恋の邪魔者は馬に蹴られてしまえって。
そう言う事だよ」
興味も無いと言わんばかりのルイの言葉に、困った様に
微笑み返したマリーに
「心配だけど、熱が落ち着くまで見守りましょう」
そう言葉を添えると、
「はい」
頷きと共に小さく理解したと返事をくれ、
話題と雰囲気を変える為に、休日の話を振ると
ルイもマリーもそれぞれがどの様に過ごしたのかを
話してくれ、お喋りに夢中になっていると授業の
時間が来てしまいボーイックが教室に入ってくるのを
見守った後、それぞれの席に座り教授が到着
「来週には学力テストがあるので授業時間の変更がある」
挨拶と共に告げられた言葉に皆が体を強張らたものの
皆予想をしていた通りだった様で、通常通りに授業へ
と進んで行った。
テスト範囲は1年で習った全て。
去年同様に総合点数と順位が教室に張り出される。
頑張らなければ。
朝の時間に予習と復習の時間を再び入れる事に決め
授業に集中をした。




