姉、日常に慣れる
夜が開ければ朝になる。
登校初日は驚いた事があったものの
2日目はボーイックも落ち着きを取り戻した
様で、突然声を荒げる事もなくただお付き
合いをしている女子生徒の元へ足繁く通う
姿を皆が心配げに見守っている。
昼食時は貴族クラスと平民クラスは時間が
違うので女子生徒に会えない事を悲しげに
しているものの、今まで通り楽しげに
流行り物やこれから話題になりそうな事を
教えてくれ、楽しく穏やかに食事の時間が
終わり、昼からの授業へ入っていく。
この様に学園での過ごし方が身に馴染むと
あっという間に1週間が終わり、
2日間の休みになる。
「今日は何をして過ごそう」
予定の無い2日間を思い出し、目を通していた
工房の報告書を読み終えた瞬間に溢れた言葉に
頭を悩ます。
このまま工房の仕事を続けるのも良いかもしれない。
紙刺繍の新しいデザインを考えるもの良いし、
ファションプレートを眺め勉強するのも良い。
それとも魔法石に魔術を込めるのも良いな。
厚いカーテンに遮られ外や空が見えないが、
久しぶりに箒で空を飛んでも良い。
指を折り、思いついた事を上げ続けると
片手では足らない程になり、
「ま、なんとかなるか」
あれこれ考えるより、やりたいと思った事を
1つ1つこなしていく事を決め、自分宛に届いた
手紙を開けた。
手に取ったのはミランダからの手紙。
季節の挨拶の後、領での生活は変わりは無く
工房も大きな揉め事も無く皆が元気に働いて
いる事を綴られており、後は自分が書いた手紙
への返事で、
読んでゆくと、ミランダの学園生活の思い出も
書かれており生徒会へ所属し学園生活を過ごし
ていた事が書かれていた。
ミランダが手早くかつ丁寧に仕事をこなし
楽しく学園生活を過ごしていた事が想像でき
流石、ミランダね。
自分な中でなぜか誇らしく思いつつミランダへ
返事と学園の出来事と共にルイの事も手紙書き、
次に同じ封筒に入っていたミラの手紙を読む。
季節の挨拶から始まり、領の事やミランダとの
出来事が丁寧に書かれており、
手紙が来るごとにミラの字が綺麗になっているわ。
嬉しい感想が溢れる程に細く伸びやかなミラの字
の成長と頑張りに嬉しく思い、返事を書いてゆく。
学園の事、ルイやディランの事も書くが半分以上は
フレディの事で手紙を埋めて書き終え、
最後はお祖母様からの手紙に目を通す。
季節の挨拶から始まり、2つ工房の事を中心に
書かれ、最後は体調に気をつけるようにと
心配りの言葉が書かれ締められていた。
返事は季節の文章から始まり、工房のお礼を
家族全員が元気に過ごしている事に加え、
ディランの身長などの成長も書き
最後は体調を気をつけてほしい事を書き終えた。
そろそろ時間かしら?
羽ペンを置き、インクの蓋を閉め扉に視線を
向けるとタイミング良く聞こえた3回のノック音
に返事を返せばマルチダが姿を現し、
「おはようございます」
一礼と共に告げられた朝の挨拶に
「おはよう」
同じく挨拶を返し、椅子から立ち上がり
マルチダの元へ近づき、身なりを整える。
その後、朝食の準備が整ったとフレディが
呼びに来てくれ3人で隣のディランの部屋へ
移動し
「ディラン、おはよう」
「おはようございます、姉様」
朝の挨拶を交わし、朝食を取りつつ
互いの予定を話、アフタヌーンを共に過ごす
約束をし、それぞれが自室にて過ごす事に
なった。
高温注意報が各地で出ていると聞きました、塩分も水と一緒に摂ってくださいね。
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ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。
お時間ありましたらお読みください。
https://ncode.syosetu.com/n4082hc/
フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。
お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!
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