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弟と従者の心配


おやすみなさい。


いつもの様な華やかな笑顔では無く

長期休暇開けの登校という事もあり

疲れが見えており、


帰宅後も無理をして笑い過ごしている

のが良く分かりフレディも紅茶から

ハーブティーに変えたりと対応をし

てくれた。


が、


「原因は彼の様ですね」


目からの報告書が届き読み込んでゆく

内に仲の良い男子生徒との出来事が

書かれており


「以前、ディラン様からの指示で彼の

行動を探り続けておりましたが、この

長期休み中は、女子生徒と毎日の様に会い

貢いでいたとの報告を受けております」


フレディから渡された報告書と共に

添えられて彼の行動は不快を感じ

眉間に皺を寄せ


「いくら王家御用達で大商会と言えど

毎日宝石やドレスは中々の額の出費になる。

それをご両親が許しているとは考え難いが」


自分の両親を基準に考え意見が溢すと


「ええ、彼のご両親も異常な出費に気づき

やめる様に注意をしておりますが」


恋は盲目という事でしょうね。


困った様に眉を下げ笑うフレディに


恋という感情は分からないものの、

大切な人が何かをし喜んでくれると嬉しい

という気持ちは痛いほど分かるけれど


「何事にも限度がある」


重い息と共に告げた言葉に


「その通りです」


頷きと共に返された返事の後


「ただ、気になるのは相手の女子生徒です。

どうも下位クラスの男子生徒はその女子生徒に

夢中になっている様で、全員が彼と同じ行動を

している様です」


告げられた言葉に返事を返せずにいると、


「とても魅力的な女子生徒の様ですよ」


とこか皮肉めいた言葉に、ようやく動き出した

脳はフレディの言葉に確かにと納得し、


「彼が誰に夢中になろうとかまわない。

だが、姉様を巻き込むのはやめて欲しいが」


クラスメイトを年下が多い為が弟か妹の

様に思っている姉様は、困っていたり悩んだり

していたら手を差し伸べるだろう。


関わらないで欲しいなど、


「無理でしょうね」


フレディからこぼされた言葉に頷き返し


「これからも彼の行動に注意を払います」


監視者を付け続ける事を決め、話題を終わらせ

次の話題へ移る。


「アメリア嬢の報告だとマリー嬢の教育は

予定より進んでいる様で、来年にデビューをさせ

王家主催の舞踏会でお披露目が決定となった」


放課後に毎日行われている淑女教育は事の他

順調に進んでいるようで、アメリア嬢は勿論

マリー嬢の評価と信頼も上がりつつあり、

これから社交界やお茶会でも話題に上がり

身の回りが賑やかになる。


アメリア嬢が常に一緒に居れば、対応ができるが

クラスが違う為に何かあってもマリー嬢が対応

せねばならない状態が、


「姉様に向かっていかなければ良いが」


「ええ。本当に」


フレディと同時に重い息を吐きだし、


「こればかりはルイに頼るしかないか」


苦渋の策を言葉にすると


「その為にルイを学園に入れたのです。

本人も了承済みですので、そうお気になさず」


さらりと返したフレディから視線を外し瞼を閉じ


「そうだったな」


自分が何もできない悔しさと歯痒さに蓋をし


「ルイにその様に伝えて欲しい」


友ではなく上の者として判断を下し命を出した。


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