姉、怒りをぶつけられる
楽しそうに、嬉しそうに話すボーイックと
女生徒の話を聞き、
「姫とお会いでき時間をいただけるのは、とても
難しくてね、その分会えると嬉しくて幸福で
満たさるんだ」
頬を染め、興奮しながら話す内容に違和感を
感じ、よくよく聞くと
下位の男性全員が姫との交際を申し込んでおり
どれだけ自分が姫に尽くし、希少な贈り物が
できるかになるんだ。
誇らしげに胸を張るボーイックにルイが顔を顰め
出すので、視線を向け注意をするも、
気づかないさ。
そう視線で返され、心の中で重めの息を落とすも
「その分、僕の家は大商会だ。下位の貴族の財力に
負けない金と権力がある」
声高らかに告げた言葉に周りに居るクラスメイトが
顔を顰めるもボーイックは気づいていないのか、
「高位貴族ですら僕の財力に勝てる家は無いだろうね」
勝ち気に笑った後、
「姫は優しく慈愛に満ちて美しい。高位貴族も王家も
目を向け、姫は僕を顧みなくなっても僕は姫を誇りに
思うよ」
歌う様に語り終わった言葉に、どう返事を返して良い
のか分からず、だからと言って返事をせずに居るのも
いけない気がし、
「ボーイックのお姫様は人気なのね」
当たり障りの無い言葉で返事を返すと、
「とても人気さ。僕はクラスが違うが悔しくて
父さんに、同じクラスにしてくれと言ったんだ」
クラスが分かれる事になるかも知れないね。
さらりと告げられた事に驚きつつも、
「少し離れているとお互いが会えた時にの
喜びが大きくなって、良いかもしれないわよ」
それとなく言葉を作り、返事を返してみると
驚いた表情をしながら、
「そんな考え方もあるんだね」
溢された言葉に自分の言葉は意外だったようで、
何やら考え込んでいるボーイックに
「匙加減が難しいかもしれないが、実行しても
良いんじゃないか?」
ルイが背中を押す言葉を告げると、
「商売人の息子だ。俺は駆け引きは得意なんだよ」
何やら挑む方な表情に、マリーと目を合わせ
複雑な気持ちで微笑み合っていると、
「お前、姫にどれだけ贈り物をしたんだよ」
呆れながらのクラスメイトの言葉に、詩を
読む様に流れるように告げられる高価な商品に
宝石の名前やデザイナーの名前にドレスの注文
驚きを通りすぎ、流石に心配になってきたので
止めることは無理でも、注意をしようと
「ボーイック。贈り物にしては少し過度の様な
気がするわ」
言葉を挟むと、怒りを感じたのか目尻を上げ
「平民のエスメさんには分からないと思うけど、
貴族の生活はお金がかかるものなんだ」
強めの言葉と怒りが混ざった声と威圧を感じる
声の大きさに、困惑をしていると
「姫は、平民から貴族になった。身なりを整える
化粧もドレスも何一つ持たずに貴族世界に入れば
見下されたり、認められなかったりとする世界だ」
教室中に響き渡る程の大きな声に耳を驚き、
落ち着く様に声を掛けようとするも、ルイが
自分の前に立ち、いつでも動ける様にマリーが
腕に手を添えてくれたが、
「僕は姫から微笑まれありがとうとお礼を伝えられ
るのが嬉しくて、商売とはこう有るものだと実感も
した。お礼の意味もある」
俺は考え無しでも、節操無しでも浅はかでも無い!
悲鳴を開ける様に、心の底にあった感情を出した
ボーイックに誰もが返す言葉が見つからず、
「ええ、そうね」
否定とは言えない返事を返すしかできず、
授業の時間が迫り、それぞれが自分の席に座り
準備を整え教授が来るのを待った。
教室に入ってきた教授が室内の雰囲気に首を傾げた
ものの、授業は始まり、休憩と昼食を挟むも教室の
雰囲気はどこかぎこちなく、1日の授業を終え
怒りが治らないボーイックは乱暴に歩き早々に
教室から出て行くのを見送る事しかできず、
「ごめんなさい。私が考え無しに注意したせいで
皆に迷惑をかけてしまったわ」
まずは、迷惑をかけてしまったクラス全員に頭を下げ
謝罪をすると、
「エスメさんは、悪くないわ」
「流石にあの話は、俺達も注意しますよ」
「最後の言葉は八つ当たりだったしねぇ」
皆から気にしていないと声をかけて貰えたものの、
心の中でもっと良い言い方があったはずなのにと、
落ちる気持ちの中いると、
「気にするな。どうせ両親にも同じ内容で
怒られたんだろう」
ルイの言葉にも頷く事はできず、
「大丈夫ですよ。ボーイックさんも時間を置いて
冷静になれば、自分の行いを見直すことができます」
少し見守りましょう。
マリーの言葉に、心配もありつつも
恋は病ともいうし、この世界は前の人生の恋愛より
情熱的ではあるものね。
それにボーイックが言った通り、私は貴族の世界を
知らない。
そんな人に言われても説得力は無いよね。
自分の落ちた感情に区切りをつけ、
「皆、お心使いありがとう」
改めてクラスの皆にお礼を伝え、ルイとマリーに
視線を合わせ
「2人もありがとう」
励ましとボーイックとの間に入ってくれ庇ってくれた
事へのお礼を伝えると、微笑み返してくれ
「さ、参りましょう」
アメリアの元へ行こうと教室から出る様に促して貰い
「また、明日」
クラスメイトに別れの挨拶をすると、口々に挨拶を
返して貰え、3人で廊下歩く。
フッと視線を感じ横を見ると、朝見たピンク色の髪を
持つ女生徒と視線があったものの、すぐに逸れたものの
なんだったのかした?
何が言いたげな視線だった気がし、心の中で首を傾げた。
高温注意報が各地に出ております。こんな日はプールが気持ちよさそうですね。
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ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。
お時間ありましたらお読みください。
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フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。
お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!
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