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姉、日常を過ごす


明日から学園が始まるという事で、

制服の準備に、羽ペンやインクの準備

1年習ってきた勉強を軽く復習したりと

午前中を忙しく過ごし、


午後からはディランが武術の鍛錬をすると

聞いたので、マルチダと共に裏庭へ行くと


騎士団長を相手に剣を交えており、

離れていた場所で見守っているフレディを

見つけ少し早足で近ずき


「フレディ」


ディランに届かない様に気をつけた大きさの

声で名を呼ぶと、ゆっくりと振り


「エスメ様」


同じ様な声の大きさで名前を読んでくれ

隣に立つことを許してくれた。


灰色の雲が空を覆う薄曇りの中、騎士団長と

ディランは休む事なく剣を合わせ続ける。


騎士団長が力を調整しディランに合わせているは

武術の事を何も知らない自分でも分かるが、

時折ディランが優勢に立っている様に見えるが、


「相変わらず、騎士団長はあそこから1歩も

動かないのね」


ディランばかりが移動し前後左右に動き攻めるも

軽くあしらわれたり、体全体で受け止められたりと

攻撃を受け流し攻める気配の無い騎士団長に


明日から学園が始まるから怪我が無い様に

気を遣ってくれているのね。


騎士団長の優しさか感じ、ディランを見つめると

本人も騎士団長の気遣いに気づいているようで

打ち込む事を中心として体を動かしている様だった。


そろそろ終わる頃なのか、フレディが2人分の

果実水の準備始めると


様々な気遣いの中で行われた武術の訓練も

終わり、ディランと騎士団長がこちらに

歩いてきて


「ディラン、騎士団長。お疲れ様です」


声をかけると、騎士団長は足を止め胸に手を当て

一礼をくれ、ディランは


「姉様、お疲れではありませんか?」


騎士団長を置き去りに少し早足で近づいてくれ


「お心使いありがとう。大丈夫よ」


質問に笑顔で返事を返し、2人が水分補給が

終わるのを待ち、


「騎士団長、忙しい中相手をしてくれありがとう」


ディランが騎士団長にお礼を伝えている

言葉を微笑みながら横で聞き、お礼の言葉と

同時に目礼をし騎士団長に感謝を伝えると、

綺麗な礼が返事をして返り、騎士団長が顔を

上げた後ディランと共に屋敷へと入った。


流れるようにそれぞれの自室に入ったが、1時間後

身なりを整えたディランとフレディが部屋に来て


「今日で休みが終わるなんて信じられないわね」


「長い様で短い休みでしたね」


テーブルを囲み、フレディの淹れてくれた紅茶と

クック達が作ってくれたティーフードをいただき

会話を楽しむ。


毎日のようにしていたお茶会も今日で一旦終わり

明日からは学園が始まると、朝晩のみしか

ディランと会えなくなる。


その分、ルイやアメリア達と会えるのは嬉しい。


クラスが違うからこそのもどかしさと嬉しさを

感じ複雑に思うも、


「また、週末にはこうして姉様とお茶ができるのを

楽しみに1週間過ごします」


ディランの言葉に、


「そうね。私もディランとお茶ができるのを

楽しみに学園も楽しむわ」


ディランの言葉にあっという間に複雑な気持ちが

消え去り、楽しみ以外の感情しか残らなかった。


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