表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

532/751

姉、内緒の内緒のお願いをする


2ヶ月あった休暇もそろそろ終わりに

近づき、残りの日々は屋敷でゆっくり

する予定の中、


「姉様、この後のご予定は?」


いつの様に早朝に起き、アメリアとの

お泊まり会でできなかった工房の報告書は

目を通し終わらせることが出来たけど、

ミランダやお祖母様から手紙までは朝食まで

できず、


「部屋でミランダやお祖母様の手紙を

書く予定よ」


食べ慣れた白パンに川魚の蒸し焼きに

野菜がたくさん入ったスープを食べながら

のディランの問いかけに、そう返し


「ディランの予定は?」


同じ質問を返すと


「僕も部屋で勉強や読書をする予定です」


今にも雨が降り出しそうな天気の為か

武術の練習をしない予定の様で、


「宜しければ、お茶をご一緒にしませんか?」


アフタヌーンのお誘いを貰えたので


「ありがとう。楽しみにしているわ」


そう返事を返し、朝食を食べ終え

ソファに移動しフレディの淹れてくれた

紅茶をいただく。


香りを楽しみ、味を楽しんだ後カップを

ソーサーに置いた所で


「エスメ様」


フレディから呼びかけられディランと共に

顔を向けると、


「クロエ様から茶葉が届いております」


手に乗せられた紙袋を見せてくれ、


「お泊まりの時にお茶会でいただいた茶葉だわ」


ドレスの印象が強くて忘れていたが、初日の

お茶会でいただいた紅茶だと思い出し


「ディラン、フレディ。今日のお茶の時に

淹れて飲みましょう。それとお母様と

お父様にも淹れて届けて欲しいの」


そうお願いをすると


「かしこまりました」


一礼をして部屋から出ていく姿を見送り


「ねぇ、ディラン」


声を顰め呼びかけると、自分の意図に

気づいてくれ体を少し近づけてくれたので


「アメリアに礼状を書くと言っていたけど、

もう書いた?」


さらに声を顰め尋ねると


「いえ、まだ書いておりません」


同じ様に声を顰め返して貰えた事が嬉しく

思いながら


「その中に私の手紙も入れて送って欲しいの」


ディランの耳に近づけお願いそすると、

少し間があったものの


「分かりました。レターとペンの準備を整えます」


自分がした様で耳元へ返事を返してくれた。


本来、お父様かお母様がクロエ様に礼状を出す

と言ったので自分が送る事はしないが、


帰りの時もお礼は伝えたけど、嬉しかった事、

楽しかった事を書いて伝えたい。


その思いは消えずにあった為にディランの手を

借りる事に、ディランが用意してくれたレターと

羽ペンを借り、思いつくままに書いてゆく。


理想は1枚


何枚書いても良いけれど封筒が膨らむのは

よくない。


出来る限り言葉を短くし気持ちが伝わる様に

書き上げたが、どうしても一文を足したくなり

角に小さな文字で書き、インクが乾くのを待ち


「お願いします」


ディランに託し、同じく書き終えていたらしい

封がされていない封筒に一緒に入れてるのを見て


「ありがとう、ディラン」


改めてお礼を伝え、


「今日のお茶会、楽しみにしてるわ」


部屋に戻る為にソファから立ち上がり、壁側に

控えていたマルチダと共にディランに見送られ

自室へと戻った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ