姉、思い出話をする
実質2日間をアメリアの屋敷で過ごし
ディランと合わない生活だった。
最初はアメリアと沢山の話をし
突然始まったドレスの着替えに
クロエ様とのお茶会やキッチンでの
料理とディランやフレディの事を
思い出す時はあったものの、
寂しい。
なんて思っていなかったはずだったけど
慣れた自分の部屋で座り慣れたソファに
座り、ディランを抱きしめていると
じんわりと満たされる感覚に頬を緩ます。
幼かった頃は柔らかった体も同じ身長に
なり騎士団長との剣の練習の成果が
きっちりと体にも出ており、筋肉の硬さ
を堪能する。
どれだけ立ったか正確な時間は分からない
けれど1時間程立ってる気がし、
名残惜しいけれど、ディランの顔を見て
話したいことが沢山ある。
どんな表情をしてくれるの楽しむ事に
気持ちを切り替えディランの背中をゆっくり
と撫ぜた後、離すもんかと力を込めていた
腕の力を抜き腕を離すと
同じ様にディランも背中に回してくれていた
腕を離してくれ、互いに向き合い
「ありがとう」
自分の好きにさせてくれた事へお礼を
伝えるとゆるりと頭を振り返事を
返してくれた。
「沢山離したいことがあるの」
そう切り出せば頷いてくれ、
「アメリアのお母様であるクロエ様と
沢山お話しをさせていただいたのよ」
時系列順に話すのが良いの分かっている
けれど、そうなるとドレスの着せ替えの
話をしなければならないので、
そこは後回しにし、話したい所から話出した。
「ディランはクロエ様の事を知ってる?」
「はい。才女であり王妃様と幼き頃からお心を
許せえる親友同士で、現在は相談役として
時折登城をされると聞いております」
真剣な表情で頷き返してくれた言葉に、
「お気遣いも素敵で少しの時間だったけれど
2人きりでお茶の時間を設けてくださり、
沢山お話をさせていただき、
とても勉強になったわ」
話の内容に理解するのは大変だったけれど、
それを察したクロエ様はゆっくり話を進めて
くれ理解する時間をくれた。
「アメリアと3人で話をした時も、話の内容は
難しくてついていくのが必死だったけれど
とても楽しかったし、紅茶はもちろん
ティーフードもとても美味しかったの」
数日前の思い出だけれども昨日の様に
興奮しながら話すと、
「良かったですね」
微笑ましそうに眉を下げ口端をほんの少し
上げたディランの表情に
可愛いなぁ。
ディランの頭へ伸ばしかけた手を引っ込め
「沢山話をしていたら、アメリアから
クレープシュゼットが食べたいとお願いをされ、
クロエ様も興味があった様で、キッチンを借りて
作ったのよ」
そんな話をすれば、こぼれ落ちるのではないかと
思える程に瞼を見開き、
「作られてたのですか?」
震える声の質問に
「ええ。アメリアとクロエ様のお願いだもの。
他にじゃが芋料理も作って公爵様に
食べていただいわ」
首を傾げ伝えると、さらに驚いた表情をしたのち
フレディに視線を向けたので、同じ様に顔を向けると
こちらもディランと同様に驚愕した表情をしており
「フレディ、大丈夫?」
青白い顔をしているフレディに声をかけると、
「大丈夫と言えば大丈夫ですが」
こちらも震えた声での返事に
「そうは見えないけれど、ごめん。
聞き方が悪かったわ」
大丈夫かと聞かれれば、体調や心情が悪くても
大丈夫としか返しようがない。
あまりにも顔色の悪い2人に話す事を止め、
立ち上がり
「フレディ、ここに座って」
手を引き1人がけのソファに座らせ、壁側に用意
されていた生活魔法道具とティーセットを使い、
甘めのミルクティーを淹れ2人の前に置き、
自分には、ミルクのみ入れたミルクティーを
置き、2人の様子を眺めた。
ディランやフレディの気持ちは何となく分かる。
自分の屋敷以外で料理をするのは如何なものかと思う。
でも、お願いされて作ったので怒る事は勘弁して欲しい。
むしろもう作り終えてしまったので、
今後は断る様に頑張ろう。
糖分のおかげで少し顔色が戻った2人を眺めつつ
話て良い頃合いを待った。
真夏日が続いております、水分塩分をしっかりとってお過ごしください。
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ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。
お時間ありましたらお読みください。
https://ncode.syosetu.com/n4082hc/
フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。
お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!
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