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姉、帰宅する


馬の足音を聞き揺れる馬車の窓から外を見るも

霧が深いようで、隣の歩道もよく見えず直前になり

ようやく人影が見え、通行人が見える程の中、


まだ目覚めていない人もいる時間の街を走り

屋敷へと戻っている。


1泊の予定が3泊もしてしまい、とても楽しく

驚きの日々だった。


1日に何度も着替える体験も


クロエさまとの対話も


アメリアとの他愛の無い話も


アメリアの新しい一面も


全部、嬉しくて楽しくて幸せな体験だった。


思い出しても心が踊る出来事を早くディランや

フレディに聞いて欲しくてうずうずする中、

馬車の揺れが小さくなり、


着いたのかしら?


窓の外を見ても霧が濃くかかり見づらいものの

見慣れた風景に間も無く屋敷に到着するのだと分かり

降りる準備を整える。


揺れが止まり、扉を開けるとの声に返事をしたのち

少しして開かれた扉からステップと馬丁さんの手を

借りて降り、


「ありがとうごいました」


振り返り馬車を運転して無事屋敷に帰れた事への

お礼を伝えると、帽子をとり胸に当て一礼で返して

貰え、


本当は馬車を見送りたいけれど、馬車が動くより

先に裏門を潜り慣れた手で扉を開けると、

静かだった外とは違い、大きな声での指示を出す声と

人々の動く音を一気に耳に届き、


「ただいま」


大きな声に負けない様程の声量で帰宅を知らせると


「お帰りなさいませ」


皆が一斉に挨拶を返してくれたが動いていた手や体は

止まるはずは無く、


「私も手伝います」


1番忙しい時間だと分かっていたので、申し出るも


「いえ、エスメさまはお部屋でゆっくりとしてください」


クック長からゆるりと首を振られ、近くに居た

キッチンメイドさんからも


「大丈夫ですよ。お疲れでしょうから

ゆっくりとなさってください」


気遣いの言葉を貰い、急な申し出だった事もあり


「お心使いありがとうございます。

そうさせていただきますね」


クック長に返事を返すと、これ以上居ては邪魔に

なると判断し足早にキッチンから出て自室へ向かう。


「お帰りなさいませ」


早朝から会うメイドさん達に挨拶を貰い、


「ただいま」


帰宅の挨拶を返し部屋の扉を会えるも、


なんだろう?


綺麗に整えられ、部屋を出たままのはずなのに

何か違和感を感じ扉の前で立ち止まる。


なにか変?


部屋全体を見渡したが感じた違和感の原因は

分からず首を傾げながら部屋に入り、


慎重に足を進め部屋1周をしたが原因は分からず


空気の入れ替えすれば


不在中、窓を開けておらず空気がこもっている

のが原因かと思い、霧の関係で少ししか窓は

開けられないが、空気を入れれは何となく

違和感もはれたので


分からない事を気にしていても仕方ないわ。


本来なら机に乗せられている手紙はまだ届けられて

おらず、ソファに腰を下ろし朝食の時間まで

ゆっくりする事に決めた。


いつの間にか寝ていた様で、瞼を開ければ

心配そうに自分を見ているディランとフレディに

なにかあったのかと首を傾げ、問いかけようとするも

喉の渇きで声が掠れ、口を閉ざすと


「エスメ様、こちらを」


フレディから差し出されたコップを受け取り

一口飲むと、飲み慣れた味に息をこぼすと


「もう一口、飲めそうですか?」


気遣う様なディランの言葉に従い一口飲んだ後

コップをフレディに差し出し


「ありがとう」


お礼を伝えるとゆるりと首を振られた。

寝起きで上手く動かない体を動かそうと

するも


「姉様、そのままで」


ディランに止められてしまい、さらりとおでこに

手を当てられ


「熱はない様ですが、疲れが出たのでしょうか?」


心配そうに眉を下げるディランに


「大丈夫よ。居眠りをしてただけ」


安心させるように微笑み告げたものの、ディランの

顔色は晴れる事は無く、


「大丈夫だけど、朝食を食べたらゆっくりするわ」


そう提案すれば、渋々頷いてくれディランの部屋で

取るはずだった朝食を急遽自分の部屋でディランと

共に取る事となりフレディと筆頭に準備を整えて

貰い、


「いただきます」


ディランと共に朝食をいただき、食後の紅茶を

取る為に長ソファで並び座り、


「ディラン、ごめんね、少し我慢してね」


かねてより決めていたディランを思う存分

抱きしめる事を決行する為に断りを入れた後

返事を待たず腕を伸ばし抱きしめると、


踊りたのか少し強張った体も重めの息が溢れたと

同時に緩まり、背中に腕が回されたのが分かると


「ディランだぁ」


何と無く溢れた言葉に


「はい。僕ですよ」


返事をくれたディランの声に帰ってきた事を

心から理解し目一杯抱きしめ


「後で聞いてほしい話が沢山あるの」


「楽しみにお待ちしております」


短い会話ののちは満足いくまでディランを

抱きしめさせて貰った。




梅雨入りをした地域があると聞きました。今年の梅雨はどんな感じでしょう?


ブッマークや評価、いいねボタンをいただき誠にありがとうございます。


ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。

お時間ありましたらお読みください。

https://ncode.syosetu.com/n4082hc/


フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。


お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!

https://ncode.syosetu.com/n9341hw/


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