姉、腕を振るう
屋敷とは違い焼かれたお肉を中心にした
食事に内心お届いたものの、
前の人生で旅行で泊まったお宿のようだわ。
いつもと違う食事に新鮮さを覚えつつ、
アメリアと共に美味しくいただき、食後の
紅茶と共に会話を楽しむ。
普段はディランと話す毎日だけど、アメリアとの
会話は新鮮で、
「今日のドレスは中々選べず、久しぶりに
苦戦いたしましたわ」
ほんの少し重めの息と共に告げられた言葉に
「そうなの? とても似合っているわ」
薄い青色のモーニングドレスはアメリアの輝く
金色の髪と良く合い、品の良さもあり、レースの
使い方と動きで可愛らしさも引き立てており、
「当たり前よ。わたくしのとっておきを出して
着たのですから」
胸を張り自信溢れる言葉に
「素敵なアメリアの姿を拝見でき光栄だわ」
微笑ましく思いつつも、自分に会う為に
悩み着て見せてくれた事が嬉しくて、その気持ちを
告げると
「存分に見てちょうだい」
笑顔で返事を返してくれ、面白くなり2人で
笑い合った。
1つの話題が終われば次の話題に入り、また
次に話題へ入っていく。
どの時代もどの年代もお喋りが止まらないのは
変わらないらしく、
そう言えば。
から始まり、
そうそう、
で次の話題へ移る。
話す話題は尽きず話し込んできると、
「失礼いたします」
アメリアの専属メイドさんが声をかけてくれ
2人で顔を向けると、
「キッチンの準備が整いました」
声をかけた目的の言葉にはつりと瞬きをし
「そうだったわ」
アメリアの言葉に2人視線を合わせ眉を下げ
小さく笑い合った後、ソファから立ち上がり
「お着替えを」
その言葉に昨日からお世話になっているメイド
さんと共にお借りしている客間へ戻り、
事前に準備されていたメイド服へ着替え、
キッチンへと向かう。
流石にアメリアはキッチンまでは来れない様で
「料理、楽しみにしておりますわ」
嬉しい言葉と共に前日に告げられていたので、
心の準備と共になるべく邪魔にならない様に
手早く進めようと心の中で気合を入れキッチンに
お邪魔した。
「ようこそ、いらっしゃいました」
クック長と思われる方に挨拶と共に左右には
クックとキッチンメイドさん達が並び笑顔で
迎え入れてくれたのには驚きつつも
「ありがとうございます。ご迷惑をおかけしますが
よろしくお願いいたします」
料理の為にメイド服を借りきているので、礼も
淑女の礼ではなく、腰を曲げて礼をすると
「お顔をあげてください」
慌てた声で許可を貰ったので腰を伸ばしクック長を
見ると、
「奥様からお話を聞い、我々は貴方と料理ができる事を
楽しみにしておりました。どうぞ、そう身構えずに
自分のキッチンだと思いお使いください」
恐縮しながらの言葉に、
「ありがとうございます」
笑顔で頷き、
「私も、皆さんとご一緒できて嬉しいです。
不慣れですがよろしくお願いします」
今度は言葉だけで告げ、
「では、来たばかりで申し訳ないですが」
これから作る料理名と材料にどんな工程をするの
かを簡潔に伝えると、言葉だけで料理が理解できた
様で皆、素早く準備を整えてくれ、
「まずは、じゃが芋パンとマッシュポテトを
作ります」
カゴの中に山盛りに積まれたじゃが芋を手に取り
水で洗い、大鍋に半分以上入れ皮ごと茹でてる。
2品しか名前を出さなかったが、フライドポテトも
作るし、小さく角切りにしサラダとしても使う。
その間に、プリン液とカラメルを作り容器に入れ
生活魔法道具の冷蔵庫に入れ冷やし固める。
余ったプリン液は今朝の白パンが少し余っていた
のを貰い漬け込んだので、フレンチトーストとして
出しても良い。
そして食べたいと言ってもらったクレープシュゼット
を作る為に液を作り、フライパンで少し厚めに
焼いてゆく。
それと共に、破れてしまった生地は野菜や肉を
分けて貰い、広げた生地の上にのせ塩、胡椒を
振り包み
「よろしければ、どうぞ」
興味深そうに手元を見ていたクック長へ差し出すと
「いただきます」
その言葉の後、一口食べ
「これは、合いますね」
驚きと共に溢れた言葉に、微笑みかえし
オレンジ液の準備を進めた。
出来上がったクレープシュゼットをクロエ様と
アメリアに運んで貰い、その後は黙々と料理を作り
一品作り終えるとクック長に味見をして貰い
出しても良いか伺うと笑顔で頷いてくれ、
少し余った茹でたじゃが芋は塩付けにされていた肉を
一口大の厚ぎりに切り胡椒で炒め
ジャーマンポテトもどきを作り終わった。
全員やり切り達成感を感じ清々しく終え、
作ったじゃが芋料理は晩餐へにとキッチンから
クロエ様とアメリアの元へ運ばれるのを見送り
「今日はありがとうございました」
全員に聞こえる様に大きな声で伝えると、
それぞれ作業をしていた手を止めてくれ
言葉を受け止めてくれた。
足取り軽くキッチンから借りている部屋へ
メイドさんと共にあるていたが、向かう方向が
違う事に気がつき、首を傾げつつ付いて行くと
一つの部屋に通され
「遅いですわ」
アメリアの一言に驚きつつ、案内されるままに
椅子に座ろうとするが、自分の服に気付き迷い
視線を彷徨わせると
「疲れただろう。気にせず座りなさい」
公爵様の言葉に、引かれた椅子に座り
「君が作ると聞き楽しみにしていたんだ。
こちらの我儘で申し訳ないが一緒に食べよう」
公爵様の言葉に恐縮しつつも
「ありがとうございます」
お礼を良い、アメリアの行動に倣いナイフと
フォークを手に取った。
暑い日が続きますね。水分をしっかり摂る心掛けをしてくださいね。
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ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。
お時間ありましたらお読みください。
https://ncode.syosetu.com/n4082hc/
フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。
お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!
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