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姉、戸惑い考える


クロエ様と話をしていた最中に

思考が停止をしていた様で、


「お母様、あまりわたくしの親友を困らせないで

くださいな」


隣から聞こえたアメリアの声に意識を取り戻り

慌て椅子から立とうとするも、肩に手を置かれ


「互いに互いを大切に思う事は良い事ですわ」


立ち上がる事ができず失礼になるのではないかと

アメリアとクロエ様を伺うも、気にした様子は

見つからず、何より


「とても素敵な事だわ。でも、限度というものが

あると思うの」


クロエ様はアメリアに視線と意識を向けており


「まぁ、限度だなんて他人の物差しで測る

くだらないモノですわ」


アメリアもクロエ様に挑む様に視線を意識を

向けており、どうすれば良いのか、また

なぜ2人が意見を交わし合っているか分からず

淑女の微笑みで誤魔化していると


「誰もが貴方達の様に寛容で見守るなどできる

訳では無いのよ」


ため息と共に落とされたクロエ様の言葉に、

言いたいが言えない複雑な感情が混じっている

様に感じたものの


「お褒めのお言葉ありがとうございます。

わたくし達は親友が楽しそうに笑い毎日を

過ごしていいる姿を見るのが、わたくし達の

癒しでありやり甲斐でもあるのです」


余計な事を言わないでくださいまし。


優雅に微笑みながらも言葉と声に棘を感じ

そっとアメリアを見るも


「その気持ち理解できなくは無いけれど、

本当に大切に思うなら、時に諌める事も

友情よ」


重々しいため息と共に告げられた言葉に

なぜか自分にも向けられて様な気がし

伸ばしていた背筋をさらに伸ばすも


「お母様のお考えに同意見ですわ。

ですが、諌める様な出来事は起こって

おりませんもの」


優しげに肩を撫ぜられ、気にする必要は無いと

伝えてくれるアメリアに小さく頷き返すも

クロエ様とアメリアの話の元がなんとなく

自分だと察する事はできたので


2人に落ち着いて貰おうと声をかける言葉を

考えるも何1つ思いつかず、藁にも縋る思いで

壁に控えているメイドさん達を見ると、


どうやら日常に行われているのか、

メイドの皆さんは見守る体制を取っており


自分でどうにかしなくちゃ。


険悪とは言わないものの少し意見の交わし合い

が押し付け合っている色が濃くなり、

どうにかしなければと必死で頭を働かせる。


浮かんだ言葉が失礼になるのでは無いかと

思うと声に出す事ができず、不甲斐無さを

感じていると


「クロエ様、アメリア様。お客様がお困りになって

おります」


声をかけてくれたドレスをきた人物に

視線を向けると、クロエ様もアメリアも

メイドさんに対応するのとは違い

どこか仲の良さを感じる人物に視線を向けると


「わたくしは、クロエ様のレディースメイドを

しております」


軽く自己紹介を貰えたので自分もと思うが


「存じ上げております」


先に告げられ、言葉に甘え


「昨日からお世話になってなっております」


挨拶のみを言葉にすると、軽く頷いてくれ


「お二人と、喉が渇きませんか?

新しい紅茶をお淹れしますわ」


座ったままのクロエ様の前に新しいカップが

置かれ、立っていたアメリアには、座る様に

椅子が引かれ、座ると同時にカップを置かれ


「ありがとうございます」


自分には冷めてしまった紅茶と新しく淹れた

紅茶をカップごと変えてくれお礼を伝えると


「エスメ」


アメリアから呼ばれ顔を向けると


「わたくしのお願いを叶えて欲しいの」


いきなりの言葉に、先ほどの雰囲気と会話を

変える為だと思い、頷き


「私にできる事ならば」


返事を返すと、


「ありがとう。では、もう1泊してくださいな」


優雅な淑女の微笑みと共に告げられた言葉に

はつりと瞬きをし


「えっと、私は嬉しいお誘いではあるのだけど」


戸惑いつつ返事を返すと


「ご家族にはわたくしからお伝えするわ」


はい以外の返事を許してもらえなさそうな

アメリアの雰囲気に戸惑いつつクロエ様に

視線を向けると、紅茶を飲んでおり


好きにすれば良いって事かな。


どちらの返事でも構わないとのクロエ様の

姿勢に、


「では、お世話になります」


アメリアに軽く頭を下げ返事を返すと


「わたくしの願いを叶えてくださり、ありがとう」


嬉しそうに笑ってくれた事に安堵の息を体の中に

落としたものの、先程雰囲気からは空気が変わる

事は無く、


どうすれば良いのかしら?

何か魔術で驚いて貰った方か良い?


頭の中で悩みつつも、美味しいティーフードを

いただきつつ考える。



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