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姉、衝撃を受ける


クロエ様と2人きりのお茶会が始まり

アメリアの事が気にならいつつも


香り高い紅茶と美味しいスコーンをいただくと


「屋敷の居心地はどうかしら?」


クロエ様の質問に


「皆様、良くしてくださり今まで知らなかった

事を教えて貰えたり、さりげなく助けていただき

快適に過ごさせていただいております」


包み隠さず本音を伝えると、


「そう、それは良かったわ」


淑女の微笑みと共に返事を貰え、

一瞬言葉に出した答えを間違えたかと思ったものの

思ったままを言ったの思い出し、気持ちを

切り替える為に紅茶をいただき一息入れると


「学園はどうかしら?」


次の質問に、


「楽しくという表現は学業を学ぶ場の表現では

いけないかもしれませんが、生徒全員が切磋琢磨し

勉学に励んでおり、楽しく過ごせております」


もう久しく会っていないクラスメートを思い出し

微笑ましく思っていると


「今年の生徒は優秀だと聞いているわ。

わたくしも嬉しく思うわ」


高位貴族の方々が出資し国王が代表を務める

王立の学園と、殆どの爵位がある方々は

学園の出身校だと思い出し、


「クロエ様の学生時代はいかがでしたか?」


話題を広げ、失礼にならない質問をすると

ほんの少し嬉しそうに微笑み


「1年生は貴方達と変わらないと思うわ。

でも、2年生行われる学園祭に3年生のみ

で行わられる郊外学習は特に思い出深いわ」


よほど楽しかったのか、頬を染めはにかむ姿に

少女の様な可愛さがあり


「生徒会が企画し実行をすると聞いております」


思わず、言葉に出して伝えそうになったのを

喉の奥で堪え、違う言葉を出すと


「ええ。当時わたくしも生徒会の1人でしたから

計画し準備及び当日の進行に終わった反省会など

忙しかったけれど、あっという間で、思い出すと

良い思い出だわ」


本当に楽しかったようで、最初の微笑みでは

見れなかった感情が表に出ており、


もしかすると公爵様とご一緒に過ごされたのかも。


アメリアの様に幼い頃から婚約者として一緒に

過ごしたのだろうと勝手に想像すると、微笑ましく

てクロエ様のお顔を見つめていると


「何か困り事はないかしら?」


突然の質問に首を傾げると


「生徒会は生徒の困り事も解決する手助けを

する立場にあるのを思い出したの」


思い出の中にある質問だと告げられたので

自分のクラスを思い出し


「クラスでは困り事は特にありません」


返事を返すと


「あら? 私生活ではあるのかしら?」


クロエ様の言葉に言葉選びを間違えた事に

気づいたが、


「いえ、私生活でも困り事はないのですが、

嬉しい事に弟の事で心配がつきません」


やんわりと無い事を伝えたものの

つい、ディランの婚約の事を思い出してしまい

言葉に出してしまう。


やってしまった。


そう思ったものの、クロエ様のお心遣いを無碍に

せずにすみそうだと思い直し


「心優しく優秀な方だけど、姉としては

心配がつきないのね」


微笑ましそうに、でも少しの好奇心を混ぜて

返された言葉のクロエ様からのディランへ評価が

良い良いで嬉しくなり


「はい。赤子の時から愛し慈しみ誰よりも可愛いのですが

そろそろ、婚約者ができる頃だと思うのですが一向に

その気配が無く」


滑る様に今の悩みを告げると


「先代夫婦は熱烈なご結婚、貴方のご両親は穏やかで

淑女ならば誰もが一度は憧れる関係の夫婦。

真逆な出会いでも、互いに信頼し合った関係を

見ていると、婚約者への期待値は高そうね」


小さく笑いながらの言葉に真剣に頷いた後


「ですが、弟がこの人が良いと決めたのなら

協力は惜しまず、見守りたいと思っております」


その雰囲気のまま告げると


「これは、本人もご両親も大変ね」


さらに笑みを深め告げられ言葉に、内心何が大変なのか

わからず首を傾げると、自分の感情を悟ったのか


「お好みは貴方に近い性格の方でしょから

見つけるのが大変ね」


改めて告げられた言葉に理解が遅れ返事が返せずに

いると


「わたくし、顔が広いと自負しているけれど

貴方の様な才女は会った事がないわ」


そうなると婚約者が見つからないわね。


楽しそうに笑いながらの言葉の中に

気になる言葉があり


「弟の婚約者を見つける事はそんなに

難しいのですか?」


つい聞き返してしまうと


「難しいというよりも居ないと言った方が

正しいわね」


少し笑みを浮かべながらのクロエ様の言葉に


「そんな」


ディランは独身で生涯を過ごすかもしれないのだと

告げられたショックに血の気が引くものの


「どなたか、本当にどなたかいらっしゃいませんか?」


藁にも縋る思いでクロエ様に尋ねると


「そうね。言葉は悪いけれど妥協ができるのならば

居るわ」


困った様に柳眉を下げたクロエ様の気配りの言葉に

頷き返し


確かに理想と現実は違うもの。

ディランにしっかりと話をしなきゃ。


そう考えてきた為、


「姉弟、大切に思いすぎているから、優先順位や

比べ嫉妬や怒りを向けない女性なんてこの世の中に

居ないでしょうね」


クロエ様の溢された言葉とそれを聞いたメイドさん

達の困った微笑みを聞く事も見る事も無く、

1人深く考えに入ってしまった。




台風が向かって来ていると聞きました。対策準備をせねばなりませんね。


ブッマークや評価、いいねボタンをいただき誠にありがとうございます。


ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。

お時間ありましたらお読みください。

https://ncode.syosetu.com/n4082hc/


フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。


お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!

https://ncode.syosetu.com/n9341hw/


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