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姉、徹夜して作成する

2021/11/03誤字報告ありがとうございます。手直し致しました、



互いの本のページが捲る音と薪がはせる音が心地良く夢中で文字を追っていると1日があっという間に終わり就寝の時間を迎えてしまい、


「ディラン、良い夜を過ごしてね。また明日」


「ありがとうございます。姉様も良い夜をお過ごしください」


互いに挨拶を交わし部屋を後にした。


与えられた自室に戻り就寝の準備をメイドに手伝って貰いながらこなす中


「申し訳ないのですが布に長い革紐とを貰いたいのですがどこへ行けば貰えますか?」


ドレッサーに座り道中買い求めたラベンダーのオイルを塗り髪を漉いて貰っている途中にメイドに話かけると、


「どのような大きさの布をご希望でこざいましょうか?」


急なお願いでも表情が変わる事なく穏やかな声での問いかけに


「そうですね。私の両手を合わせた程の大きさが希望です」


鏡越しに視線を合わせ話を進めると


「かしこまりました。すぐにご準備いたしますのお待ちください」


持っていたクシを丁重にドレッサーに置き一礼をし部屋を出ていく姿を見た後、待っている間の手持ちぶたさに、クシを手に取り毛先を解かしてみる。


ゆっくり丁寧に


王都の屋敷でマルチダがしてくれた様に、先程ののメイド真似をし数度解いてみると絡まる事なくスルスルとクシが通っていく。


そう言えば良く100回近くクシを通すと頭皮のマッサージになって血行が良くなり髪質が良くなるて聞いた事があるわ。


道中は骨折の為にその領のメイドさんにお世話になったのでまだ痛みなどは無い。


独り立ちしたらこの艶と質感が維持できる自信が無い。


毛先で遊びなからぼんやりと今後のことを考えているとノックが聞こえ返事をすると先程のメイドが来てくれてたのでドレッサから立ち上がり近寄ると、


「お色の希望をお尋ね忘れてしまいましたので今あるだけの布と革紐をお持ちしました」


10枚程の様々な色の布と濃さの違う茶色の革紐が底の浅い蔦籠に綺麗に纏まられており見えやすい様に斜めに持ってくれた。


「ありがとうございます」


目を合わせ礼を告げると微笑み返してくれソファーに座る様に促してくれ布を1枚1枚手に取り肌触りを確かめていると


「刺繍でございますか?」


真剣に布を選んでいるの不思議の思ったのか問いかけてられ


「刺繍はできないので何かお守りの様な物を作りたい思いまして」


自分の刺繍の腕を思い出しながら苦笑し返事を返すが、


「何かお手伝いできる事はありますか?」


何も知らないメイドから骨折の腕での気使いの言葉に


「ありがとうございます。でも、これは自分で全部してお守りになると思うので頑張ってみます」


笑顔で言葉を返すと頷き返され


「では、何かありましたこのベルを鳴らしお知らせください」


言い終わると一礼をし退出する背中を見送った。


1枚の布と糸を通された針を1本持ち、


「刺繍はできないけど直線縫いならできるはず!」


折り畳んだ布を右手に持ち、震える左手に力を入れ縫っていく。


あ、縫い目が大きかったかも?でも二重に縫えば良いよね?


ザクザクと縫い袋状になるように作っていくも、斜めに縫ってしまったり、革紐を通す場所まで縫ってしまったりと結局持って来てもらった布を全部作りマシだと思える出来の袋に革紐を通した。


子供達の雑巾以来の裁縫だけど慣れれば見れる物になるものね。


前世の記憶で子供隊が寝た後に必死に手縫いしたことを思い出しクスクスと笑いながらソファから立ち上がり、本棚に置かれているブリキの箱を開け魔法石を1個を取り出す。


再びソファに戻り6ミリから7ミリ程の大きさの魔法石を握り込み、大きく深呼吸した後に意識を集中させていく。


指と指の間から光が漏れるがすぐに収まり手を開くと透明だった石が色付き輝いていた。


「よし!成功」


縫い終わった布袋に革紐を通し石を入れ革紐を引っ張り口を閉じた。


うまく出来たことの満足感と達成感で気分が高揚しベットに入っても寝れないだろうと、お守りに裁縫道具と失敗した布を片付け、読みかけだった本を読み始める。


昨日から読み続けている医学書は勉強にもなるし、前世の知識を合わせて読むと改めて著者の熱意が理解できる。


魔法が使える世界でアレコレを前世と比較するつもりはないけど、つい比べてしまい溜息を吐いてしまう。


前世は昔で今、生きている私では無いわ


気持ちと記憶の混ざり整理がつかず心の底から吐き出し落としてしまう。


消し去りたい訳でも無い。


忘れた訳でも無い。


だからと言って今の自分を消し去って昔の自分に戻りたい訳でも無い。


ぐるぐると同じ内容の考え頭から離れなくなり真っ暗で奥底から何かが這い出てくるような気持ち悪さに

首を振り、


「夜で暗い部屋での考え事は悪い方向しか思い浮かばないんだったわ」


思考の渦の飲み込まれそうになったのを我に帰ることで振り払い少し大きな声で独り言を言えば部屋が少し明るくなった様に感じ、


「ダメね。悪い事や失敗をする事ばかり考えて現実になったら大変だもの。現実になるなら楽しい事や嬉しい事が良いわ」


明日?今日は何をして過ごそう。


ディランと生活魔法道具についても話したいな。

馬車の中で言ってた街に視察に行く話もしたいな。


元気になったら一緒に散歩も行きたいな。


自領の空はどんな感じなのかな?

空から見る街並みはどんな風景だろうか。


ディランも一緒に飛んでくれるかな?

フレディとも一緒飛びたいな。


屋敷で働いてい居る人達はどうかな?


あ!お祖父様やお祖母様もお誘いしよう。


次々にやりたい事を思う浮かべ計画を立てて行く。


アレコレ考えていると自然と笑顔になり心が踊り出す。


これよコレ。

やっぱり楽しい事は考えているだけでも楽しいわ。


読まれることが無くなった本を膝に置き考える事に夢中になっていたが空気が変わってことに気づき耳を済ますと、男性の声が微かに聞こえた。


騎士団長とフレディだよね?


微かに聞こえる話し声に集中すればどうも別れの挨拶をしており、慌てお守りを手に取り外へ飛び出す。


絨毯を踏み締め階段を降り玄関ホール騎士団長とフレディとお祖父様を見つけ、


「騎士団長」


少し乱れた息を整える事なく声をかけると一斉に振り向かれるも、真っ直ぐと騎士団長の元に歩み寄り


「出立されるのですね」


膝を折り迎えてくれた騎士団長に声をかけると


「はい。ご挨拶をせず申し訳ありません」


下を向き謝りを口にする騎士団長に


「昨日にディランと一緒に挨拶をいただいてますから気にしておりません」


首を振り返事を返しつつ、


「こちらを受け取ってください」


お守りを両手に乗せ差し出せば、下げていた顔を上げ


「ありがたく頂戴いたします」


両手で受け取ってくれた事にホッと息を吐き出し、


「王都への旅路が何事も無いよう願っております」


微笑みながら告げると


再び頭を下げた後、後ろに下がりながら立ち上がりお祖父様に体を向けると


「道中気をつけてな」


お祖父様が別れの挨拶をし、


「こちらディラン様より騎士団長へお渡しするようにと」


今度はフレディから騎士団長へ差し出された袋を受け取ると


「ディラン様より見送りの行けず申し訳ない。道中、騎士団長の適切な判断で自領に到着でき感謝している。そう言付けを受けております」


熱が出て見送りに出れないディランもレディに頼んでいたらしく伝え終わると


「見送り感謝いたします」


胸に手を当て腰を折り礼をしたのち玄関から出ていく姿を見送りしばらくして馬の鳴き声と馬車の走り出す音が聞こえるもあっという間に聞こえなくなった。


「エスメ、部屋に戻るぞ」


お祖父様の呼びかけに頷き後ろをついて行く。


「その姿は寝てないな」


半歩前を歩いていたお祖父様の言葉に


「すみません。どうしても騎士団長の見送りに行きたかったのです」


視線を下げ謝りを入れいれば、


「朝の準備までまだ時間はあるからそればで寝ればいい」


からりと笑い大きな手が頭を少し乱暴に撫ぜ、部屋のベットまで付き添われ布団をかけられると


「メイドが起こしに来るまで寝てるんだぞ」


そこ言葉を残しフレディを連れ部屋から出て行くのを横になりながら見送る。


ベットに入り布団に包まれると先程まで無かった眠気に瞼を閉じ眠りについた。


第52話


日曜日のご一家アニメの時間時空に突入しておりましてそろそろ脱出したいです。


ようやく秋めいてきましたね。気が付けば紅葉が色付い初めておりました。

焼き芋が美味しいですね。モンブランも大好きです。


ブックマークや評価に星をいただき誠にありがとうございます。

とても嬉しく思っております。


ネタバレを含みますが短編に本編終盤のディランの心境と日々を書いております。

よろしけれお読みください。

https://ncode.syosetu.com/n4082hc/

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