姉、着替える
普段聞けない様な話をアメリアから聞き
紙刺繍がどの様に役立っているのか、
生活魔法道具の必要性、
魔法石の便利さ。
様々な事が聞け、手に取ってくれた人達の
感想やご意見を聞けとても有意義な時間を
過ごせ、
ディランやフレディに話さないゃ!
その中でも嬉しかった事を記憶に留め
ミランダと楽しく話していると、
「失礼いたします。お着替えの時間で
ございます」
壁側に控えていたミランダの専用メイドさんに
声かけに
「あら、ありがとう」
礼の言葉の後に立ち上がったアメリアに続き
同じ様にソファから立ち上がると
「お部屋のご移動をお願いいたします」
昨日からお世話になっているメイドさんからの
言葉に
「ありがとうございます。よろしくお願いします」
案内されるままに移動をと思ったが、
「アメリア、楽しい時間をありがとう。また後で」
沢山のことを教えてくれたアメリアにお礼を伝え
またと約束をすると
「ええ。後程、待っておりますわ」
同じ様にアメリアも返してくれ、互いに微笑み合い
それぞれのメイドさんに促され動き出した。
案内された客間に入ると数人のメイドさんが
待っており、案内されるた場所に立つと
あっという間にドレスを脱がされ、
デイドレスからアフタヌーンドレスへと
着替える。
袖は7分丈で黒節まであるスカート丈。
背中はもちろん首も詰まったデザインで
慣れるまでは首が動かしにくいかも。
細かな手直しをしてくれているメイドさんの
動きの邪魔にならない様に気を配りつつ
鏡に映っている自分の姿をゆっくりと観察する。
今日だけの特別だと思うと、心が弾み
楽しくもあるが、
ドレス1枚着るだけでも大変なのに
毎日数回着替えているアメリアや貴族の皆は
大変ね。
慣れない事への戸惑いを思おうも、
でも、この着替えや夜会に晩餐会などが
あるから布やお針子と働く事も場所も
できる。
巡り巡って生活へとなる。
これを止めて終えば今ある均等が崩れる。
言葉や文字で習ったら知ってはいたけれど
実体験をするとより理解が深まるわね。
鏡に映る緑に染められている綿モスリンで作られた
ドレス姿を着ている自分をぼんやりと眺めていると
「お疲れ様でした」
聞こえてきた言葉に思考の海を流れていた意識を
取り戻し、
「ありがとうございます」
お礼を伝え、改めて鏡に映る自分を見ると
複雑な髪を編み結い上げられており、
屋敷では見ない自分の姿に、
「少し大人びて見える気がします」
自分を見た感想の言葉がうまく作れず
なんとか絞り出した言葉を声に出すと
「ありがとうございます」
褒め言葉を受け取って貰えたようで
心の中で安堵の息をこぼすと
「ご移動を」
再びアメリアの部屋行くのだと思い
頷き返しついてゆくと、知らない廊下を歩き
案内された場所は大きなガラスで覆われた
サンルームで
視線を外に向ければ一面満開に咲いた薔薇が
見え
「きれい」
ポツリと感想をこぼすと
「ありがとう。そう言ってもらえると
育てた甲斐があるわ」
背後から聞こえてきた声に非礼にならに
早さで振り向き
「クロエ様、おはようございます」
膝を折り礼をし挨拶をすると
「おはよう。顔を上げて頂戴」
親しみの色と素敵な声の挨拶を貰え
初日程は緊張せずに顔を上げると、
「せっかくだわ。わたくしと少し
話をしましょう」
そう促され用意されていたテーブルに
向かい引かれた椅子に腰をかける。
並べられたアフタヌーンティーは
様々な色のマカロンを始め、バターの
香りのする焼き菓子に
湯気が立っている焼きたてのスコーン。
屋敷でディランと毎日食べていた
ティーフードと同じではあれど、
クックが違えば味も違う訳で、
紅茶を飲むクロエ様に習い
カップを持ち一口飲むと
「アッサムですね」
渋みは少なく香り高い飲み慣れた味に
無意識に緊張をしていた心が解れ
「せっかくだわ。美味しい内に
食べましょう」
クロエ様の言葉で焼きたてのスコーンへと
手を伸ばした。
昨日から雨や暴風の影響が出ておりますが皆様のお住まいの地域はいかがでしょうか?
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ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。
お時間ありましたらお読みください。
https://ncode.syosetu.com/n4082hc/
フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。
お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!
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