姉、見慣れぬ天井に驚く
ゆらり
ふわり
暖かさに包まれ微睡み
幸せを噛み締めているがそろそろ
起きる時間なのだと体が教えてくれる。
ゆっくりと瞼を開け、数度瞬きをしたのち
体を動かし起き上がると、違和感を感じ
動きを止めた。
ゆっくりと首を動かし、部屋の見渡した後、
「アメリアのお屋敷にお泊まりで招待を
貰ったんだった」
ならばいつも通りに起きる訳にはいかず
ベットに横になり、
「知らない天井だぁ」
自分の部屋とは違う天井をぼんやりと眺める。
いつもならば起きて工房の仕事をするけれど
ここに仕事は持ってきていない。
本を読む事も考えたけれど、起きる事で
昨日からお世話になっているメイドさんの
手を煩わせる事になってはいけない。
うん。ベットの中で過ごそう。
布団をかけ、ゆっくりと暖かさに包まれる
幸せを噛み締めぼんやりと過ごす事に決め
たものの、暖かさを感受していると瞼が
閉じ始め、再び微睡に身を任せた。
何度か意識がはっきりしたり微睡が
やってきたりと繰り返す中、遠くで
3回のノックの音が聞こえた気がし起き上がり
返事をすると、
「おはようございます」
扉を開け、室内に入ってきたメイドさんから
綺麗な一礼と共に朝の挨拶を貰い、
「おはようございます」
ベットの上で座っての対応だった為に
挨拶と共に軽く頭を下げるのみになってしまった
ものの、メイドさんは少しだけ微笑んでくれ、
「お手伝いを」
サイドテーブルに順にされている水をコップに
入れ差し出して貰えたのでお礼の言葉の後、
受け取り飲んでゆく。
いつものむハーブと果実の入った水ではなく
少し酸っぱさを感じた水に果汁が入っている
事が分かり、
「さっぱりして美味しいですね」
少し重かった体が軽くなり、アメリアの
心使いを嬉しく思っていると、
「お口に合い何よりでございます」
目礼と共に返事をもらえ、身支度の為に
ベットから出ると、
「本日のお召し物はいかがなさいますか?」
準備された洋服はいつも着ている生成りの
ワンピースでは無くドレスが並んでおり、
返事に困っていると、
数枚あったドレスから2枚だけに残してくれ
「では、翠のドレスをお願いします」
昨日着たドレスの中でアメリアの反応が
良かった色を選び、着せて貰う。
昨日着たドレスとは違い、胸や腕に首まで
隠す形のドレスはモーニングドレスで
「午後からはアフタヌーンドレス、夜は
イブニングドレスに着替えていただく
予定です」
ドレスと着て髪を結い上げて貰いながらの
言葉に驚き返事が返せずにいると、
「ミランダ様より、生活を体験して
貰いたいとお言葉をいただいております」
驚いた自分を微笑ましそうに眺めながらも
髪を結っている手は止まらず、
「完成いたしました」
化粧を軽くして貰い、言葉と共に鏡を
見ると、昨日とは違った自分が写っており
ついまじまじと見つめてしまうも
「ありがとうございます」
慌てお礼を伝え、タイミングを測った様に
「朝食の準備整いました。
食堂へご案内いたします」
違うメイドさんから声をかけて貰い、
部屋から出て食堂へと向かった。
「エスメ。おはよう」
先に来て出迎えてくれたアメリアに
「おはよう。アメリア」
朝の挨拶を互いに交わし合い、
席に座ると朝食が始まった。




