表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

510/751

姉、友人との会話を楽しむ


先程のお茶会とは変わり、淑女マナー後の

お茶会の様な和やかで親しみある雰囲気に

心と体が解れ、前に置かれたカップに手を

伸ばし香りを楽しんだ後、ゆっくりと

一口飲むと身体中に染み渡るように感じ、

ほっと息を心の中に溢すと、


「エスメさんはお母様とはお会いするのは

初めてだったかしら?」


話しかける機会を見定め、かけてくれた

アメリアの言葉に小さく頷き


「初めてお会いしたわ。

とても聡明で綺麗な方ね」


数分前まで一緒にいたクロエ様を思い出し

自分なりに感じた事を伝えると、


「お母様は、妃殿下と並び社交界の華として

有名であり、才女として妃殿下の側に居る

事が許されているのよ」


誇らしくあり自慢げでもあり、でも嬉しそうに

頬を緩め話すアメリアに、


「お話をさせていただいて話題の多さと

お話が分かり易くて、とても楽しい時間を

いただき楽しかったし嬉しかったわ」


アメリアの言葉通り、お茶会では今流行りの

ファッションに刺繍の柄に料理。

果てはガーデンの作りに花の配置など

幅広くお話をしてくれ事に納得し返事をすると


「その分、頭を動かすから疲れてしまうのが

難点ね」


少し困ったように微笑みつつも

アメリアなりの私への気遣いの言葉に


「知識が足らずなお話もありましたが

クロエ様がすかさずご説明と解説を入れて

いただけたので、大変勉強になりました」


ゆるりと首を振り、自分の知識不足なのだと

伝えると、


「お母様の知識について行くのは無理だわ。

お父様ですらついていけない時があるもの」


相当な知識量を持っている様で、国の重人を

務めるアメリアのお父様についていけないと

なると、才女の言葉では表現できない方なのでは

と思いつつ


「でも、アメリアはついていけてるのね」


お茶会の会話を思い出すとアメリアはとても

楽しそうに時に自分の考えと意見をしっかり

伝えており、何度も助けられた記憶を伝えると


「難しそうな話をあんなに楽しそうに

話すのだもの。一緒に楽しみたいと思って

しまったのよ」


アメリアの知識量と話題の豊富さの理由を知れ、

幼き頃にクロエ様と楽しく話せる様に本を読み

人の話を聞き、知識の量を増やしたのだろうと

想像し、


「アメリアのその気持ち、クロエ様は嬉しかった

でしょうね」


感想を伝えると、はつりを瞬きをした後


「そうだったら嬉しいわ」


嬉しそうに笑い返事を返してくれた。


誰だって嬉しそうに、楽しそうに話していると

興味が惹かれるもの。


アメリアはクロエ様の事が母親としても

人としても大好きなのね。


沢山の知識を身につけ対等とはできないけれど

着いていける知識を身につけてくれたアメリアを

クロエ様も嬉しかったんだろうな。


お茶会の時の2人のやり取りを思い出し、

お互いの気持ちを微笑ましく思っていると、


「エスメも相当な知識の量を持っているわね」


どうやって身につけたのかしら?


呼び名の変化と共にどこか悪戯めいた表情と雰囲気に

にっこりと微笑み


「そうね。本もそうだけれども、領で出会った人々と

お祖母様とお祖父様から沢山教えて貰ったわ」


懐かしく思い伝えると、


「その辺りの話は聞かせてもらえ無いのかしら?」


楽しげに尋ねてくれるアメリアに


「そうなってくるとディランが生まれた時から

今日の朝まで話す事になってしまうわ」


付き合ってくれる?


こちらも悪戯っ子の様に笑い尋ねると、


「まぁ。ディラン様のあんな話やこんな話が

聞けるだなんて。いけない話を聞く様で

ドキドキしますわ」


頬を染めつつ指先で唇を隠しながらの言葉に

くすくすと小さな笑い声を出して笑うと、


「羨ましい程に、本当に仲の良い姉弟ですこと」


同じ様に小さな笑い声と共にアメリアも笑ってくれ、


「目に入れても痛くな程に可愛くて愛おしい弟よ」


ふざけ半分、本音半分で伝えると


「ディラン様の元へ嫁ぐ方は大変ね」


アメリアも自分同様に半分の冗談と半分の本音で

返してきた言葉に無言の微笑みで返すと、


「あらあら。お姉様の心は複雑ということね」


深く聞き返す事なくアメリアは話題を終わらせてくれた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ