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姉、友人宅に歓迎を受ける


ゆっくりと走る馬車は10周程同じ場所を

回った後、違う道に入ってゆく。


もう良いのかな?


ゆっくりであったものの時間としては

30分程で、そんなに時間が経っているとは

思えず、


でも、馬丁さんが良いと判断したのならば

良いのだろう。


見慣れない景色を楽しみながらぼんやりと

考えていると、馬車は商店が並ぶ風景から

住宅街へと入り、


なんだろう、少し近寄りにくい雰囲気がある。


大きく立派な門構え木々が見えるものの

屋敷は木々の隙間からほんの少し見える

場所もあれば全く見えない屋敷もあり、


「あ、お城だ」


いつぞや見た三角屋根の王城が見え、


建物に威風堂々という言葉は似合わない

かもしれないけれど、


「威圧を感じる」


小さな声で感想をこぼしつつ王城を眺めていると

スピードがゆっくりとなり停止したが、すぐさまは

動き出した。


まもなくアメリアの屋敷に到着するのだと分かり

窓から視線を外し、姿勢を正しつつも横目で窓の

外を見ると


門を開けてもらった様で、ちらりと甲冑を着ている

門番さんが見え、


緩めていたお腹と背中に力を入れ直し、馬車が

止まるのを姿勢を正し馬車に揺られ、

5分に満たない時間走ると屋敷に到着をしたのか

馬車が止まったので、着替えが入っているカバンを

手に持ち、開けられた扉を潜りステップを踏み

外に出ると


「お待ちしておりました」


マルチダの様に凛とした雰囲気と綺麗な立ち姿の

メイドさんからの挨拶に


「本日はお世話になります」


返事と共に腰を曲げお礼をすると、


「こちらへ」


表情や態度など変わる事なく、言葉で着いて

くるように告げられたので、慌て振り向き


「迎えに来ていただき、ありがとうございました」


馬丁さんにお礼を告げ慌てメイドさん後に着いて

行くと左右の扉が同時に開き


「ようこそ、お越しくださいました」


左右、綺麗に並んだ使用人さん達に出向かられ

内心驚くも


「ありがとうございます。本日はお世話になります」


淑女として言葉のみで歓迎のお礼を伝えると、


「お待ちしておりましたわ」


アメリアの言葉に微笑み


「お招きいただき、ありがとうございます」


お礼を伝えると、同じ様に微笑み返してくれた後


「こちら、わたくしの母ですわ」


アメリアの横に立っている女性、お母様より綺麗で

花の様な雰囲気女性がおり


「初めまして、アメリアの母のクロエと申します」


優しげな微笑と共に自己紹介をもらえたので、

淑女のマナーに添い、持っていたカバンを下ろし

スカートを少し摘み、


「エスメと申します。本日はこの様な歓迎を受け

大変嬉しく思います」


失礼にならない程深く膝を曲げカテーシーと

共に挨拶をすると、


「ご丁寧にありがとう。我が家一同歓迎いたしますわ」


挨拶の言葉の後、顔を上げると大輪が咲く誇る様な

微笑みがあり、思わず見惚れてしまいそうになるも


「今日からわたくしの大事な親友が過ごすから

皆、心を配って頂戴」


アメリアの言葉に出迎えてくれた使用人の人達が

一礼をしアメリアの言葉に返事を返したのち


「お荷物をお預かりいたします」


先程、馬車まで出迎えてくれたメイドさんの言葉に


「ありがとうございます。よろしくお願いします」


頷き、荷物を任せると


「さ、こちらへいらして。

お茶の準備を整えてありますのよ」


嬉しそうに笑うアメリアとクロエ様の後を着いき

案内された部屋へ入ると毛足の長い絨毯に足を

取られそうになるも、何とか体制を崩さず着いて

行き、案内された深紅のベルベット生地の

長ソファに腰をかけると、


正面の1人がけソファにアメリアが腰を下ろし

その隣にクロエ様が腰を下ろすと同時に

メイドさんがティーフードと淹れたての紅茶を

置いてくれ、


まずは、紅茶の香りを楽しんだのち一口いただくと

蘭の花香が口から鼻へ通り、改めてカップの中の

紅茶を見ると、


すんだ黄色のがかったオレンジの色をしており


「とても希少な紅茶をお見受けしました。

蘭の花の様で、薔薇の香りの印象もあり、

美味しいです」


茶会のマナーの添い、紅茶の感想を伝えると


「流石だわ」


アメリアの言葉に内心安堵の息をこぼし


「キーモンという名の茶葉よ。

飲んだことがあるかしら?」


クロエ様の問いかけに


「いえ、初めていただきました」


首を振る事なく返事を返すと


「では、帰りにお渡しいたしますわ」


クロエ様もどこか嬉しそうな雰囲気と共に

告げられた言葉に


「ありがとうございます」


お礼を伝え、マナーを間違っていなかった事に

安堵しつつ、今日まで毎日ディランと共に

お茶会をした事に感謝し、アメリアとクロエ様が

フードに手を伸ばすのが見え、それに習い

焼きたてのスコーンに手を伸ばした。


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