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姉、即実行する


「ハッシュドポテトが食べたい」


我が家で行われた晩餐会のメニューの一つとして

出したハッシュドポテトは試食の時からクック長を

初めキッチンに居る皆が気に入り、満場一致で

夜会に出すと決められた。


お母様からクック長へとお褒めの言葉の中に

お客様も大層気に入られお褒めの言葉をいただけたと

嬉しそうに伝えられ働きを褒めてもらえたと、

手紙にて教えてくれ、


そんな褒められた場所に自分も参加でき協力が

できたことが嬉しく思い、


労を労わる意味を込め、マルチダに王都で美味しいと

評判の焼き菓子の購入をお願いし、配って貰った。


多分、ディランも同じ事をしていると思ったが、

美味しい食べ物は何個あっても良いはずと、

気づかないふりをし品だけは被らないようにとも

お願いした。


晩餐会が終わってからの数日、ゆっくりできるかと

思いきや、お父様は夜になると胃の辺りを抑え

専属の従者と共にどこかへ出かけ、


お母様も日中にお茶会のドレスと身に纏い

招待を受けたどこかの屋敷へと出かけており


ディランも朝食後は次々届く手紙の選別と返事に

時間を取られており、


予定も無く1人空いた時間を過ごしていると、

無意識に溢れた言葉に、はたりと気付き


お母様が居ないのならばキッチンへ入っても

怒られないのでは?


浮かんだ答えに頷き、私の考えに気づいた

マルチダの視線を気づかないふりをし、

ワンピースからメイド服に着替えエプロンをし

室内帽を被り、足取り軽く自室から出てキッチン

へ向かう。


途中、掃除をしているハウスメイドさん達に

挨拶を交わしながらキッチンへと入れば、


「エスメ様」


いつもの戦場のような勢いは無く落ち着いている

キッチンからクックが声をかけてくれたので、


「急で申し訳にのだけど、少しキッチンを

借りたいの」


願いと伝えると


「クック長へ尋ねてまいりますので、

お待ちください」


複数人いた内の1人がそう返事を返してくれ

走りながらクック長がいる部屋へと向かってくれ

返事を待っている間に、ハッシュドポテトの材料が

あるか尋ねると、皆一斉に頷き返事をくれ準備を

手伝うと申し出てくれたが、


「ありがとうございます。ですが、4枚焼くだけ

なので大丈夫で」


自分とディランとフレディとマルチダの分だけを作り、

紅茶と共にディランの部屋に行く計画を話すと


「良いお考えかと思います」


皆が口々に褒めてくれるので恥ずかしく思いつつも

お礼を伝えていると、クック長の元に尋ねてくれた

クックから戻り、許可が降りた事を伝えてくえたので、


「ありがとうございます。お邪魔します」


お礼と主に皆の職場へ入ることを詫び、手早く

ジャガ芋のを5ミリほぼの角切りにし、

塩を胡椒を振り手で混ぜ、形を整え押し固めた後、

少し多めに引いた油で焼き揚げてゆく。


形が崩れないように最初は手をつけない様にすれば

後はジャガ芋の澱粉同士でくっつき崩れにくく

なるので手のかからない簡単料理で短時間で

作れる事も有り難い。


「こちらもお使いください」


その言葉と共にいただいた葉物の野菜を添え、

焼き揚げ熱々のハッシュドポテトとマルチダが用意

してくれた紅茶のセットをワゴンにディランの部屋

に向かい2回ノックをするとフレディが出迎えてくれ、


「ディラン、フレディ。少し休憩にしましょう」


ワゴンと共に部屋に入ると、ディランが出迎えてくれ


「お心使いをいただき、ありがとうございます」


嬉しそに微笑んでくれた事に嬉しくなり、


「急にハッシュドポテトが食べたくなって

作っての。一緒に食べましょう」


手早くローテーブルの上にセットしディランの

腕を掴み長ソファに座り、


「フレディ、マルチダも座って」


いつもは壁側に控えている2人も呼び、

久しぶりに4人でテーブルを囲みお茶を飲み

他愛の無い話をしていると、


「姉様」


隣に座るディランの呼びかけに


「なあに」


返事を返すと、真剣で何処か緊張の色を宿している

ディランに内心首を傾げつつ待てば


「とある令嬢から姉様宛に手紙が届いております」


なんの脈絡もなく告げられた言葉に、首を傾げ

立ち上がったディランの動きを視線で追い、

戻ってきたディランから差し出された手紙は、

汚れも無い真っ白な上質な紙と花の様な優しく

香る香水で上位貴族女性が書いた手紙だと判断でき


思い浮かんが人物からかと恐る恐る手紙を開くと


差出人は思い浮かんがアメリアで、細く流れる様に

書かれてた文字を読んでゆくと


「泊まりで遊びにきませんか? て、書いてあるわ」


嬉しいお誘いが書かれていた事を、まだ手紙を

読んでいないだろうディランに伝えると、


「姉様は行きたいですか?」


頷いた後のディラン方の問いかけに、


「そうね。行ってみたいわ」


せっかくのお誘いに頷き返事をすると、


「では、日にちを決めねばなりませんね」


フレディの言葉に


「日にちの指定はあるみたいで」


手紙に書かれている部分をディランに見せれば


「この日でしたら、大丈夫かと」


指定された日にちの確認と共に返ってきた言葉に


「なら、返事をしなくてはね」


部屋に戻り次第アメリアに返事を書こうと決めるも


「返事は僕がしておきます」


ディランの言葉に首を傾げつつも


「そう? ならお願いね」


ディランの手紙の封筒に一緒に入ってきたのなら、

受取人であるディランが返事を返すのがマナーなのかも。


貴族同士のマナーに詳しく無いので、ディランに

任せる事にし、紅茶に口をつけた。


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