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親友は暗躍を計画する



楽しくて賑やかだった時間は

あっという間に終わり、帰りの馬車では

お父様と殿下が楽しげに会話をしているのを

お母様の隣に座り耳か傾ける。


「本日はいかがでしたか?」


お父様の問いかけに


「色々とあって楽しかったよ」


ほんの数分前の事を思い出しているかの

様に微笑みながらの返答に


「何やら楽しい事があった様で」


殿下を見ていた視線が一瞬だけわたしくに

向けられたので、殿下と同様に微笑み返すと

小さく息を落とされ


「あまり揶揄ってはいけません」


お父様の注意に殿下と目を合わせ微笑み合い


「揶揄ってなどいないさ。仲の良い関係を

確かめただけさ」


殿下が代表として返事をしてくれた。


揶揄うなんてとんでも無い。

わたくし達は心から会いたかったのですわ。


わたくしは放課後のマリーさんのマナー教室で

お会いし話す事ができるけれど、殿下方は

目から報告書やわたくしの口からしか

エスメ様の情報を得る事ができない。


だから、今日の晩餐会をどれほどに心待ちを

していたか。


エスメ様、ご自身は自分の立場を理解して

振る舞う方なので、もしかしたらお会いできない

かもと思っていた所への登場に


どれだけ嬉しかった事か。


殿下やルカ様だけではなく、ディラン様以外の

全員、心から喜びこの機会を逃すものかと

心か1つになりましたのに。


ハーブティーの時はわたくしの言葉選びが

間違い逃してしまったので、反省しながら

飲んだハーブティーは飲むわたくし達の心身の

労りが込められたブレンドに


ディラン様のついでとは言え、


思い遣りと優しさを分けて貰えた事がどれだけ

嬉しかった事か。


幼き頃から気が付けば様々な感情を向けられ

対応する事にもかわす事も反撃をする事も

慣れてはいるが、他人から純粋な相手を

思いやる気持ちを貰う事はほぼ無いに等しい。


喉から手が出るほどに欲し、羨ましく、熱望する

心がそこにあるのなら、


新しい料理ではディラン様やフレディには

迷惑をかけてしまったけれど、


思い出に耽っていた事を思い出し、まだ

殿下と話しているお父様のの話に耳を傾けると


「オレンジの爽やかさとが気に言ったよ」


どうやらエスメ様が自ら作った新しい料理の

話をしており、両親はとても興味深げに耳を

傾けており、


「とても簡単で短時間で作れると聞きましたわ」


会話に参加をすると、両親に何か言いたげな

視線を微笑みでかわし、


「御息女様が自ら考案し作ったとも聞いております」


更に告げると、お父様は眉間に皺を寄せ

お母様は何やら楽しげに微笑み、対照的な反応は

それぞれの立場で思う事があるようで、


大変です事。


心の中で労りの言葉を溢し両親を視界に入れつつ

殿下を見ると、


「ルーズヴェルト家が今後どう扱うか分からないが

食べたいと言えばいつでも作ってくれるだろうね」


ただ、エスメ嬢ではなくクックの手で作られた物が


殿下の声に出さない裏の言葉に微笑み返し


自分達だけ味わえた嬉しさと満足と独占欲が

心を締めているのはどうやらわたくしだけでは無い

事を知り、


他の方々も同じなのだと理解した。


皆、本当はエスメ様が欲しくて隣にいて欲しくて


でも、それは許されない互いの立場に思う事が

あるも、この立場があってエスメ様に会え、

今日の様に会話できる。


どれだけ心を寄せても手に入らないとと思うと

こんなにも欲深くなるのね。


新たな一面を知り、驚きもしたものの


この感情が皆が自分に向ける感情なのだと

知った。


だからと言って何か変わる訳でもない。


わたくしはわたくしなの。


そんな自分も認め、感情を持つ事を許し

これもわたくしを作る心と愛すればいいだけの事


反発し認めたくないからいつもでも心や記憶に

残り、苦しくなる。


自分の中で認め、許し、これもわたくしなのだと

思えば、しこりになる事なく消化できる。


感情制御なんて立派な印象があるけれど


全ての考えや思いを認め受け入れ

これが自分なのだと思えばいいだけの事。


無理矢理でも行っていれば気が付けば

できている事で、


だからと言って捨てたり目を背けたりはしない。


殿下を王城へ送り、自分の屋敷へ向かう道中


「お父様、お母様。お願いがあるの」


そう告げれば両親を珍しげな表情をしたのち

自分のお願いを聞き、お父様は反対の意見を

出したが


「あら、日にちを選べば良いのではありませんか?」


お母様はわたくしの味方になってくれるらしく

お父様の説得を試みてくれ、


反対意見を出しても願いを取り下げないと分かると

渋々ながら頷いてくれた。


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