表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

501/751

姉、戸惑う


キッチンにディラン達の要望を伝えに来た

フレディを連れ、クック長に一言断りを入れ

た後、洗ったばかりの道具を並べ、材料を並べた。


完時間ででき、かつ、新しい料理。


色々考えた中で思い浮かんだものは、前の人生で

子供が漫画だったかアニメだったかで美味しそうに

見えたからと作って欲しいと頼まれた、


クレープシュゼット


ボールの上で数個オレンジを絞り、果汁を取り置く。


次はクレープの生地を数人分焼き、少し冷ましている

間にフライパンに砂糖を入れ少しきつね色になった

所でバターを入れ、かき混ぜ馴染ませたらそこに

オレンジの果汁を入れて煮立たせる。


その間に、少し冷めたクレープの生地を4つに

折りたたみ1枚つづフライパンの中で入れて

両面にオレンジの味が馴染んだら出来上がり。


「フレディ、味見をお願い」


まずは味見とフレディに差し出せば、頷き皿を

受け取ってくれ、真剣な表情と共にゆっくりと

一口分に切り、慎重に口へ運び数回噛み締めた後


「美味しです」


クレープにほのかに小麦の甘さにソースの

バターの塩味が双方を引き立てつつ、オレンジの

爽やかな香りと味が口の中で広がり、3つの味が

加わるとこんなに美味しいのですね。


本当に美味しかった様で、少し早口になりながらも

感想を述べてくれ、そのフレディに興味を惹かれ

たのかクック長も姿を見せ、


「フレディ」


名前を呼んだと思えば、フレディはクック長に

皿と共にフォークにナイフを差し出し、

受け取ったクック長は素早く手を動かし一口

食べた後、


「これは」


その一言を告げた後、何も言わなくなってしまい

口に合わなかったのかと慌てると、


「ソースにブランデーを混ぜて作っても

良いかもしれません」


興奮した様に顔を赤め、嬉しそうに笑いながらの

言葉に、驚きつつも


「そうね。大人の味になって良いかもしれないですね」


なんとか返事を返しすと、


「エスメ様、改めてお時間をいただきレシピの

ご教授をいただきたいです」


料理人としての表情に


「勿論です」


頷き返し、フレディとクック長から良い反応を

貰えたのでディラン達の分を仕上げ、お皿に

盛り付けるとクック長が綺麗に飾りつけてくれ

ワゴンに人数分乗せ、フレディの配膳を手伝う為

ディランの部屋へと向かった。


ノックを3回し誰かが開けてくれくれたので、

ご要望いただいた食事を持って来た事を告げれば

大きく扉を開けてくれ、


「失礼いたします」


メイドとして一礼をした後、フレディと共に

ディランのお友達の前に置き、


「新しいお菓子とのお話でしたので、

こちらを作らせていただきました」


言葉と共に最後になったディランの前に出し、


「小麦粉を水で解き薄く焼いた後、オレンジの

ソースと共に煮た菓子です」


簡潔に説明した後、一礼をし壁側に控えている

フレディが小さく手招きをしたので、ワゴンと

共に壁側まで歩き、少し隙間をあけ横に並び

ナイフとフォークを手にしたディランの姿を

眺める。


躊躇する事なくナイフとフォークを動かし

食べるディランに習う様に、アメリアも続き

周りに居るディランの友達も食べ始めると、


「美味しいですわ」


驚きと嬉しさが混じった小さな声が聞こえ

安堵の息を体の中に落としつつ、嬉しさで緩む

頬に表情を変えないよう力を入れつつ、

ディランを見つめていると、


ディランの口にも合ったようで、目元が少し

下がったのと同時に口端が本の少し上がったのを

見て、心の中で拳を握り


学園が休みの内に、絶対にまた作ろう。

心に決め眺めていると、アメリアに手招きされ

ている事に気づき、戸惑いつつも指示に従い

近ずけば


「ありがとう。とても美味しかったわ」


淑女の微笑みと共にお礼の言葉と感想を貰え

無意識にお礼を伝えかけたが自分の立場を思い出し


「勿体無いお言葉です」


一礼をし身を引こうとしたものの


「ディランは毎日、美味しい料理が食べられて

幸せだね」


親しげな距離でアメリアの横に座る男の子の言葉に

体を動かす機会を逃してしまい、どうするべきかと

悩みつつ、視線を話を向けられているディランに

向けると、


「はい。日々、感謝をしそれに荷う者として

ありたいと思っております」


いつにもなく真剣な表情と固い声で返すディランに

気負いすぎなのではと心配になるも、言葉をかける

訳にはいかず、


明日、絶対に言う。


言いたい事は全て明日言う事に決め、仲の良さそうな

ディラン達を眺めつつも、自分はここに居ていいのか

そろそろ壁側に控えに戻るべきなのでは?


会話の聞きなが気づかれない様に移動しようと

すると


「貴方はどう思う?」


アメリアから話を振られそれに返事を返し

ていると一向に動けす、強引にでも動こうとすると


「君の意見が聞きたいな」


アメリアの横に座る男の子からの言葉に、

自分なりに出した答えで返事を返すを繰り返し

結局最後までアメリアの近くに居てしまい、


最後はディランとフレディ共に見送りまでしてしまい

お母様から物言いたげな視線を受けつつ、お父様が

胃の辺りを抑えているのを視界の端に入れ、

誤魔化すように愛想笑いをしていると


「姉様、何か途中だったのではありませんか?」


ディランの言葉に


「そうだったわ! ディランありがとう」


笑顔でお礼を伝え、足早にキッチンへと向かった。


第501話


最近、キャロットケーキは流行りを見せていると聞きました。もっと身近になればと思います。


ブッマークや評価、いいねボタンをいただき誠にありがとうございます。


ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。

お時間ありましたらお読みください。

https://ncode.syosetu.com/n4082hc/


フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。


お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!

https://ncode.syosetu.com/n9341hw/


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ