姉、弟の緊張を解す
夜会当日の朝。
皆が1週間かけて綺麗にし、お客様をお迎え
する準備を整えてきた。
お母様か朝からお客様の準備の最終確認で
忙しくしており、お父様も何やら忙しいそうに
屋敷の中を歩いており、
「ディラン。今日は楽しみね」
両親等は違いやる事がない自分にディランが
一緒に居てくれルので、いつも通りにディランの
部屋で朝食を取り、食後のお茶へと入りのんびり
過ごしている。
「はい。精一杯努めて見せます」
緊張からか少し強張っている表情をしてるものの
ディランの顔色も食欲もいつも通りでなので、
見守る事を決め、
「ディランのお友達が来てくれるの楽しみね」
少しでも気が楽に慣ればと思い話をすると、
ぎこちなく頷くので、不思議に思い首を傾げつつ
以前、ディラン主催のお茶会で少し話をし
学園ではディランと共に馬車まで一緒に話ながら
歩いている仲なので、
親しき仲にも礼儀あり。
そう言われているものの、自分が見た限りでは
皆が仲良くしているように見えていたけど、
ディランにとっては違うのかしら?
よくよくディランを見ながら考え込んでいると
「姉様。大丈夫です。初めての事なので
緊張しているだけです」
自分の考に気付いたようなディランの言葉に
「そうなのね」
頷き返事を返すと
「失敗の心配もありますが、御学友に楽しんで
いただけるか不安ではあります」
ディランの緊張している理由を聞け、
「そうね。確かに皆が楽しかったと言って貰う
のは難しいけれど、また来たい。と、思って
貰えるといいわね」
ソファから立ちディランの横へ移動し腰を下ろし
ディランの頭を撫ぜると
「また、来たい。ですか?」
不思議そうに首を傾げるので
「完璧におもてなしするのは大切だし当たり前の
事かも知れないけれど、お客様の満足感は人
それぞれで受け取り取り方も満足感を感じる量も
違うわ」
髪を漉く様に頭を撫ぜ、
「だから、8割程を目標にし2割はやり残して
楽しかった。また来て来たい。続きがしたい。
と思っても貰うと楽しかった印象が強くなると思うの」
秘密事を話す様に小さな声でディランだけに聞こえる
様に伝えると、驚いた表情で自分を見ている為
「領にいた時に、ミランダとミラと毎日会っていても
楽しくて、明日が待ちどうしかったわ。王都に来て
なんでだろうと考え時にそう答えを出したの」
楽しかった思い出を伝えると、ディランは自分の
考えを折り合いをつける為に、考え込んだものの
「そうですね。姉様のお考えを実行してみます」
緊張して強張っていた顔から普段の表情に戻り
力強くいなずいてくれた事に、心の中で安堵の息を
溢し、
「夕方からは忙しくなるから、今はゆっくり
過ごそうね」
指の間を流れる髪の感触を楽しみながら、
そう伝え、近くで控えてくれているフレディに
視線を向ければ、微笑みながら頷いてくれ、
空になったカップを下げたのち
「甘めに作りましたハーブティーです」
カモミールの香りがするお茶を用意してくれたので
「ディラン。せっかくフレディが淹れてくれたから
飲みましょう」
撫ぜていた手を止め、言葉で促しつつカップを
取り一口飲むと、甘く優しい香りが口から鼻に抜け
ほっと息を溢した。
あっという間に桜が満開になり気がつけば桜が散り始めました。春は駆け足の様です。
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ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。
お時間ありましたらお読みください。
https://ncode.syosetu.com/n4082hc/
フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。
お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!
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