姉、お菓子を作る
昨日は、お祖父様とお祖母様には
会えなかったがイルさんと沢山話をし
領の事も少し知る事ができて、嬉しくて
帰って直ぐにそのままディランとフレディに
その場の勢いで聞いた事をそのまま話、晩餐
へと入っても話は止まらず、少し夜更かしを
してしまった。
が、念願のスパイスが手に入ったので
ベットに入ってからも作りたい物をアレコレ
考えていたらいつの間にか朝になっており
起床時間と共にベットから飛び起き、
思いついたレシピを書いていく。
シンジャークッキーにシナモンクッキー
シナモン入りのパウンドケーキ
ジンジャー入りのパウンドケーキ
ジンジャーシロップも作りたいし
定番のシナモンロールも作りたい。
パンがあるのだからフレンチトーストに
シナモンと蜂蜜をかけて食べたい。
思いつく限りのレシピを書き上げ、
マルチダのノックに返事を返したものの
書いている手は止まらず、
「おはよう、マルチダ。ごめんなさい
もう少し待って欲しいの」
顔だけを上げてお願いをすると
「かしこまりました」
状況を理解してくれたのか、頷きと共に
了承の返事を貰えたので、1人でいた時より
急いでレシピを書き上げるも、
フレディのノックの音が聞こえ
「おはようございます。エスメ様」
朝の挨拶を貰うも
「おはようフレディ。ごめん。
まだ身支度ができてないの」
慌て挨拶を返したものの動かしていた手は
止まらず、
「かしこまりました。ディラン様には
少し遅れる旨をお伝えしてきます」
困った様な眉を下げながらも微笑みと共に
頷きと共に返してくれた言葉に
「ディランに本当にごめんなさい。と、
伝えて」
自分の到着を待ってくれているディランへの
謝罪の伝言を頼むと頷き返し部屋を出て行くのを
ドアの開け閉めの音で察しつつ、
更に急いでレシピを書き上げた。
「終わったわ。マルチダお願い」
勢い良く羽ペンを置き、そのままの勢いで
椅子から立ち上がり控えてくれていたマルチダに
声をかけると、動き出したと同時にマルチダも
自分に向かって歩いており、手早く生成色の
ワンピースに着替え、髪は櫛を通しただけにし
早足で自室を出て隣のディランの部屋の扉を
ノックし入室許可を貰ってから扉を開け、
「おはよう、ディラン。遅くなっごめんなさい」
挨拶と共に自分の理由で迷惑をかけた事を
謝罪すると、
「いいえ。気にしておりません。良い案が
浮かんだのだろうとフレディと話していた
所なのです」
いつもと変わらない微笑みと共にくれた
言葉にディランの優しさを感じ、思わず
両手を伸ばし
「ディラン、大好き」
抱きしめ思ったそのままを伝えると
「ありがとうございます」
急な事だったにも関わらず背中に腕を回し
抱きしめ返してくれたディランの肩に頭を
乗せさらに抱きしめた。
少し骨張ってきた体を抱きしめ、ディランの
日々の成長を感じていると、
「姉様、そろそろ朝食にいたしませんと」
この後、キッチンへ向かわれるのですよね?
ゆっくりと腕の力を緩めながらの言葉に
そうだったと思い出し
「貰ったスパイスで沢山お菓子を作るから
楽しみにしててね」
互いに抱きしめていた腕を解き、テーブルに
向かうとフレディとマルチダが朝食の準備を
整えてくれており、椅子に座り朝食をいただいた。
食後の紅茶も楽しみ、ディランとフレディに
「お茶会のお菓子楽しみにしててね」
そう言葉を残し自室に戻り、久しぶりの
メイド服に室内帽を被りキッチンへゆく。
前の人生でクリスマス時期にジンジャークッキーも
シナモンクッキーもパウンドケーキも作っていた。
後は作っていた感覚と微調整をすれば良いはず。
気合いを入れつつクック長に場所を借りる事を
お詫びをしたのち、材料を測り作り出した。
作り出せば体が覚えているもので、手早く
クッキー生地を作り寝かせている間に
パウンドケーキ作りに進め、予想していたより
早くでき上がったので、まずはクック長やキッチンに
いた皆で試食をし、美味しいという感想を貰い
伺う様にクック長に視線を向けると、
「大変美味しゅうございます」
笑顔と共に太鼓判の一言を貰えたので、
屋敷で仕事をしているお母様へ運んで欲しいと
お願いをし、残りは
「ディランお待たせ」
お菓子の試食がある為、ディランもフレディも
昼食を食べずに待っていてくれたので、早々に
お菓子を持って部屋にお邪魔をし試食して貰うと
「不思議な味がしますが、とても美味しです」
シナモンクッキーを食べたディランの感想と
「辛味がありますが紅茶とも合いますし、
好き嫌いがハッキリするかと思われますが、
美味しいです」
フレディの感想にも
「スパイスだとどうしても独特の味はあるけれど
体に良いお菓子としてだと食べやすくて良いと
思うの」
紅茶を飲みつつ伝えるとディランもフレディも
不思議そうな顔をしたものの、ハーブと同じ
扱いで良いのだと判断したようで
「なるほど、確かにそう言われると食べやすい
ですね」
フレディの言葉に頷き返し、
「次は違うのを作るから楽しみにしててね」
笑顔で2人に伝えると
「楽しみにしております」
そう返事が返ってきた。
桜の開花宣言を聞きました。今年もどこかで花見をしたいと考えております。
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誤字脱字を教えていただきありがとうございます。
修正が遅れており申し訳ございません。
ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。
お時間ありましたらお読みください。
https://ncode.syosetu.com/n4082hc/
フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。
お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!
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