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姉、認識の違いに首を傾げる


眠りから醒め1番に視界に入ったのは

見慣れた天井。


脳の働きが鈍い中、昨日の出来事を思い出す。


ディランとフレディと別れてルイと共に教室に

入るまではいつも通りだった。


教室に入ってから気づいた、あの、


甘い匂い。


ねっとりとした重さ感じ、

甘さをトップに持ってきており、

思考が匂いにしか行かない感覚。


気づいた時は匂いがキツかったけど、段々

もっと嗅ぎたくなる様な魅惑さもあり


絡め取られるような誘惑さもあった。


一時期はやった香水を調合し

直したのだろうか?


香水が人気で学園内でたくさんの匂いが

溢れていた時に嗅いだ事のある匂いに近く


ボーイックの商会で取り扱っている商品かな?


アメリアの計らいで香水人気は落ち着きを見せ、

匂っても制服からふんわりと優しく匂う事が

たまにあるぐらいだったので忘れていたけど、


社交会シーズンで夜会が毎日の様にある季節。


大人達では香水をつけるのはマナーの一環に

なりつつあるのかも知れない。


貴族御用達でもあるボーイックの商会で香水を

扱っているのは当然な事。


商品の香りが店員につく事や服につく事は

当然であり当たり前ので事。


そう考えつくと匂いの疑問も薄くなり、


後、数週間の事だしなんとかなるわね。


思考に区切りをつけベットから起き上がり、

渇いた体と喉を潤してから机に向かい工房の

報告書を手に取った。


集中していたからかマルチダが扉をノックする

音に気づかずいたらしく、


心配げに微かに眉を下げたマルチダに、


「ごめんなさい。集中をしてたらしくて」


ありのままを伝えると、


「体調に違和感はございませんか?」


様子を伺う様に尋ねられたので、


「ありがとう。大丈夫よ」


笑顔で返事を返し、そのまま朝の身支度を

マルチダの手を借り進めていると、聞こえてきた

ノック音に返事をし入室の許可を出すと、


「姉様、おはようございます」


鏡越しに見えたディランとフレディの姿に慌て

ドレッサーから立ち上がり、


「おはよう。ディラン、フレディ」


朝の挨拶を返すも、普段と違う事に首を傾げれば


「昨日のお疲れもあるでしょう。本日、学園を

お休みされては如何かと、思いまして」


体調を伺う様視線と共に告げられた言葉に、

はつりと瞬きをした後、


「心使いありがとう。昨日たくさん寝たから

もう大丈夫よ」


心配して朝か早くから尋ねてくれた事への感謝を

安心して欲しく伝えたものの、ディランの心配は

取れなかった様で、


「ですが、」


言葉を濁しつつもディランの気持ちは変わらない様で


「それに後、数週間したら今年度も終わるわ。

せっかくここまで休まず出席しているのよ、最後まで

休まずに行きたいわ」


学園に行きたい理由で説得を試みるが、どうやら悪手

だったらしくディランとフレディの心配の色が

濃くなってしまい、


助けを求めるつもりでマルチダに視線を送ると、

ディランと同じで、


おかしいなぁ。

休まず学校に行くのが基本だよね?


首を傾げつつディランを見つめれば、重々しい息が

溢された後、


「分かりました。ですが、昨日の様な事がありましたら

直ぐにルイに言ってください」


自分の考えを曲げて私の考えを受け入れてくれた

ディランに


「ありがとう。約束するわ」


嬉しくて笑顔で返事をすれば


「絶対ですよ。隠さずルイに言ってくださいね」


絶対だと、普段使わない言葉を使用しての約束に


「勿論よ」


しっかりと頷き返し、折角だからと自室で朝食を

食べる事を提案すれば、ディランは頷いてくれフレディは

場所の変更を伝えるとの事で退出し、髪を結い終わるまで

ソファで待ってくれる様にお願いし、


「マルチダ、大急ぎでお願い」


ドレッサーに座り、鏡越しにお願いをすると、


「畏まりました」


しっかりと頷いてくれ、手早く綺麗に結い上げてくれた。


用意された朝食も残さずしっかり食べ、元気な足取りで

ディランの手を借り馬車に乗り込み、


「ルイ、おはよう」


待ち合わせ場所でディランと話し終えたルイに朝の挨拶をし


「エスメ、ディランとの約束覚えてるだろ?

何かあったら遠慮せず直ぐに言えよ」


ディランから朝の約束が伝わっている様でルイに念押しされ

たので


「勿論よ。ディランとの約束だもの、しっかり守るわ」


そう伝えると、したかないと微笑み返され、


「ディラン、しっかり見張とくから行ってこい」


「ありがとう。頼んだ」


ルイの言葉にディランが頷いた後、


「では、行ってきます」


「行ってらっしゃい」


ディランと向き合い挨拶を済ませた馬車に乗るディランを

見送った後、ルイと共に校舎に向かって歩き出した。


第481話


ホワイトデーですね。何もしないイベントになっていますが何かしようかなと思います。


ブッマークや評価、いいねボタンをいただき誠にありがとうございます。


ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。

お時間ありましたらお読みください。

https://ncode.syosetu.com/n4082hc/


フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。


お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!

https://ncode.syosetu.com/n9341hw/


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