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姉、いつもと違う日を過ごす


奇々怪怪


常識では理解できない不思議な感じで


摩訶不思議


理解できない不思議なこと


馬車の中で私の横に座り手を繋ぎ心配そうに眉を下げたり

時に眉間に皺を寄せ怒っている表情をするディランに


ルイから今日の事を聞いたのね。


体調が優れないディランに負担をかけている事が心苦しく、

いつもの様に教室での楽しい出来事や会話の話をしようと

話題になりそうな出来事を思い出そうにも


教室に入りボーイックに話しかけようとする所は朧げに

覚えていて、その後にルイが体調を気遣ってくれた様な

記憶もあるが授業の時間に、休み時間をどの様に過ごした

も覚えておらず、次に記憶があるのは


アメリアと会い美味しい紅茶をいただいた記憶。


ルイに尋ねられた通り何1つ覚えておらず、

話す話題が見つからず


どうしよう?


何か気分転換ができる話題はないかしら?


必死で考え込んでいた為に、ディランとフレディが

心配気に自分のことを見ていた事に気が付かず

屋敷に到着しても、ディランと手を繋いだまま

馬車から降り


「マルチダ、姉様の入浴の準備を頼む」


帰宅の挨拶をする間もなくディランの命を受けた

マルチダは一礼をしたのち足早に建物の中に去って行き


「フレディ、お茶の準備を頼む」


玄関を潜りながらディランはフレディに命を出すと


「かしこまりました」


フレディも一礼をし足早に去って行った。


「ディラン」


私の心配よりディランの体調を気遣って欲しい。


そう、告げようとするも


「姉様、今日は姉様の部屋にお邪魔をしても

よろしいでしょうか?」


子供の頃を思い出させる微笑みとどこか心配と

少しの離れたくないと甘えの混じる声に


「勿論よ」


即返事を返したのは考えが無いのではなく、

ディランの願いを久しく無かった甘えに答えたいと

思ったから。


久しぶりの事で無意識に鼻歌を歌出しそうな程に

嬉しくて心が弾みながら自室へと招き、ソファに

座ってもらう様に促すと、


「エスメ様、入浴の準備が整いました」


マルチダの言葉に、


「さすがマルチダだ。姉様、ゆっくりして

くださいね」


もう少し待ってとお願いをいう前に、ディランの

言葉に従いお風呂に入り、髪を洗って貰い、

体を磨かれ、軽く全身マッサージとオイルでの

保湿もして貰い、指先から足先までほかほかになり

部屋に戻ると制服から部屋着に着替えたディランと

お茶の準備をし終えたフレディが出迎えてくれ、


「遅くなってごめんね」


いつもの半分のお風呂の行程と時間だったが、

かなり待たせてしまったが


「いいえ。そんなことはありません」


ゆるりと首を降り待たせてしまった事は

気にしていないと微笑んでくれ、


「エスメ様、こちらを」


ソファに座るとどうしにフレディが差し出して

くれたお茶はハーブティで


「色々とブレンドをしてみました。感想を

いただけると嬉しいです」


素敵な笑顔で告げられたので、早速いただくと

レモンの様な爽やかな匂いはあるものの、

口に含めば微かな甘味はお風呂上がりの

乾いた体にスッと染み込み、


「香りは爽やかなのに飲むとほんのり甘くて、

とても美味しいわ」


同じハーブティーを飲んでいたディランも

同じ感想だった様で、


「食後に出しても良さそうだな」


美味しそうにもう1口飲んだ後に出た

感想にフレディは嬉しそうに微笑んだ後


「実はもう1杯違うハーブで淹れておりまして」


こちらもお飲みください。


そう前に置かれたカップを手に取り、一口飲むと


「これもフルーツの香りに似た甘い香りね」


口から鼻抜ける香りを楽しみ


「味は微かに甘みを感じる優しく柔らかな味ね」


先程より控えめに感じた甘み感想として伝えると


「どこかワインにも似た匂いもありますね」


ディランは味ではなく香りが気になった様で

カップに鼻を近づけながらの言葉に


「ティエールという名のハーブで他の国では

リンテルと呼ばれているそうですよ」


ティエールはハートの形の葉を持つ木らしく

どこの村では産湯として使われていると、

書かれておりました。


得意気に話すフレディの言葉にディランと共に

耳を傾けながらハーブティーを飲み、穏やかな

時間を過ごすも、いつもなら話してくれない

ディランの教室での出来事を話してくれ、

興味深く聞きつつ、


晩餐も部屋の移動をするも無く、自室で

ディランと食べ食後のお茶はディランの

提案でハーブティーになり、


フレディが知識を活かし、


「ぐっすり寝れるハーブティーと言われる物を

準備いたしました」


こちらも数種類のハーブを混ぜた様で、

沢山の知識を話してくれ、


「フレディはハーブティー屋さんを開業できそうね」


ディランと笑いながら話すと


「では、お役御免となりましたらそういたしましょう」


そんな日がない事は3人分かっていても、笑い話が

盛り上がり、あっという間に就寝の時間になり


「姉様、おやすみなさいませ」


ディランからの挨拶に


「おやすみなさい。ディラン」


そう返し部屋からディランとフレディを見送ると

静まり返った部屋に寂しさを覚え、マルチダに視線を

送れば、


「お休みになるまでお側におります」


ベットに入る様に促されながらのの言葉に

安堵の息を溢し


「ありがとう、マルチダ」


お礼を告げ、ベットに横になるとすぐに眠気が

やってきて誘われるままに瞼を閉じた。


第478話


暦で春なのに自然が合わない事を浅き春と表現するそうです。今日がまさにですね。



ブッマークや評価、いいねボタンをいただき誠にありがとうございます。


ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。

お時間ありましたらお読みください。

https://ncode.syosetu.com/n4082hc/


フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。


お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!

https://ncode.syosetu.com/n9341hw/

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