姉、親友の手腕に拍手する
学園全体の雰囲気がどこか忙しなくも
楽しげな空気は舞踏会も社交界も夜会も関わりの
少ない自分達のクラスにも伝わり、
なにも予定も無いが雰囲気にどこかそわそわと心が
動き出し
休みの日に街でお茶をしよう。
一緒に公園へ出掛けてませんか?
休憩時間になると皆が楽しそうに笑い、楽しい計画を
立てている話が聞こえると、
私も、楽しい事をしたいなぁ。
そう、思うもディランもフレディも夜会や舞踏会の準備で
忙しそうに動いており、お父様もお母様もそして働いている
皆も忙しそうにしており
とても言い出せる雰囲気ではなく、
みんなに疲れが取れる飲み物でも準備しようかな。
楽しげに笑うクラスメイトを眺めつつ、必要になる
ハーブなどを頭の中で考えていると
「エスメさん」
斜め前に座るボーイックがこちらに振り向きながらの
呼び掛けに考え事から意識をボーイックに向けると
「次の休日、僕と街に行かない?」
聞こえてきた言葉に首を傾げつつ
「彼女さんは?」
クラスメイトから聞いていた彼女さんの事を尋ねれば
「うん。彼女とは最近会っていないんだ」
視線を落とし寂しそう教えてくれた言葉に、
「喧嘩でもしたの?」
付き合っているとは言え他人同士、意見の食い違いは
当然ある。
その事を分かっていても、受け入れられな事だってある。
少しでもボーイックの気持ちが軽くなればと、お節介と
分かっていながらも尋ねると、
「試験以降、どうも避けられているみたいで」
悲しげに微笑むボーイックに気軽に次回挽回すれば
良いとは言えず、
「そう。それは悲しい事ね」
次の試験は学年が上がってから行われる。
もしかすると貴族クラスの彼女さんは次回を待つ時間は
無いのかもしれない。
複雑な関係に言葉を濁し返事を返すと
「それに彼女、好きな人ができたみたいでさ」
その人に夢中なんだ。
告げられた言葉は無慈悲で思わず思考を停止して
しまい、返事ができずにいると
「それは、どう言う事ですか?」
補う様にマリーがボーイックに尋ねてくれたので
彼女さんとの関係が聞く事ができたが、
ボーイックの家も大商会で王城にも出入りができている、
商会の中では上位にいるが、
彼女さんはそれよりも位のある人が良い様で、
侯爵の男性に夢中らしい。
彼女さんに貢がされただけの存在の様な気がし
何とも言えない状況に
「なので、良かったら気分転換に付き合って欲しいと
思って」
誘った理由まで告げられると、
一緒に行ってあげたいけれど、ディランもフレディも
忙しい中で街に行きたいとはとても言えないわ。
どう断ろうかと悩む中、
「だったら俺が付き合ってやるよ」
そう言うのは男同士で派手に遊んだ方が気が紛れだろ。
ルイの突然の提案と理由に確かにと頷き
「なんなら他の奴らも誘って派手に行こうぜ」
少年の様に笑い誘うルイにボーイックは驚いた様で
すぐに返事を返せずにいると、ルイの呼び掛けに
男性のクラスメイトが集まり、あっという間に休みの
計画が立てられてしまい、
「みんなの優しい親切心を断るなんて事はしないよな?」
悪戯っ子の様に笑い外堀を埋めてしまったルイの手腕に
ボーイックも頷く事しかできず、その流れの素晴らしさに
思わず拍手を送った。
その出来事は、淑女教育のお茶会時に盛り上がり、
更に帰りの馬車でディランとフレディに今日の出来事として
話と
「流石、街で子供達をまとめていた事はありますね」
自分が褒められた様に嬉しそうに笑うディランが見れ、
次の日、ルイにその話をすれば
「良かったな」
さらりと頭を撫ぜられ、淑女教育のお茶会時に話せは
「良かったですね」
マリーは嬉しそうに笑ってくれ、アメリアも柔らかく微笑み
話を聞いてくれた。
第473話
三寒四温中にて温度差で体調を崩しがちな上に花粉が元気に飛んでおり、春ですね。
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ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。
お時間ありましたらお読みください。
https://ncode.syosetu.com/n4082hc/
フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。
お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!
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