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姉、考える


薔薇の花が綻び出すと王都の雰囲気は

どこか浮き足立ち一層賑やかな雰囲気になり

学園内でも、ドレスの話題や貰った招待状の数など

廊下を歩けば様々な声が聞こえてきて、


「社交界シーズンはこんなに賑やかなのね」


初めて体験する出来事に、雰囲気に釣られるように

高揚する気持ちで隣にいるボーイックに話しかけると


「そっか、エスメさんは王都でのシーズンは初めてだったね」


なんだかもっと前から近くに居る様な気がしてたよ。


穏やかなに笑い返事をくれたボーイックに


「どう言ってくれると嬉しいわ」


近くにいても違和感のない程に馴染んだ事に嬉しさを

伝つつボーイックを見つめれば


「貴族の方々はね。地方にある領から王都まで来て

交流や事業の話や関係を深めたり、淑女の方々は

結婚相手を見つけたり、その関係で商店は貴族の方々の

要望に応える為に奔走してるからね」


「そうなのね。楽しい時間の前準備も大変だものね」


以前、アメリアのお茶会の準備を思い出し返事を返すと


「そうだね。様々な苦労の人力の上に楽しんでいられる

事をはすれてはダメだね」


どこか棘の含みを感じるも


それが家業と言えどもご両親と従業員の皆が忙しい

時期だし、思う事はあるわよね。


接客や小売業の大変さを噛み締めつつ


「関わってくれている人達に感謝の気持ちを忘れは

いけないわ」


改めて思った言葉を声に出せば、ボーイックが

嬉しそうに笑い、


「やっぱり、エスメさんがいいなぁ」


こぼれ落ちた言葉は誰かと比べた言葉だったので

聞こえないフリをし反応を返さないでいると、

小さな笑い声の後


「そう言えば、王妃様がなんでも斬新なドレスを

作られている噂が出ているのだけれども、

マリーさん、何か聞いてないかい?」


いつもの様に授業の合間の教室でお喋りは

いつの間にか探り合いの様な雰囲気になり止めようかと

口を開きかけるもルイに袖を引かれ止められている内に


「初めて知りました。王宮に通っていると言っても

王妃様を始め王族の方々とお会いできる立場では

ありませんから」


アメリアから習った微笑みとは違い、普段から

見せている柔らかな笑みと普段と変わらない声に


交わし方が上手くなったと喜ぶべき所なのだろうけれど

少し怒りの感情も混じっている感じに心の中で首を傾げて

いると、


「おい、そろそろ始まるぞ」


ルイの言葉に皆が一斉に次の授業の教科書を準備だす。


そうやらクラスメイトも先程の会話が気になった様で

聞き耳を立てていた事が分かり、


誰が何かのはずみで傷つくかもしれない。

話す内容を気を付けないと。


自分の中で注意し、放課後にアメリアに伝えると


「あら。気にせず話していただいて構いませんわよ」


予想とは違うアメリアの言葉に、返事を返せずにいると


「勿論、マリーさんの判断の中でですけれど」


優雅に微笑み貴族様に返ってきた言葉に、

マリーは表情を引き締め頷き返す姿に


なるほど。これも淑女教育の1つなのね。


言葉で教わり体験で身に付ける。

マリーは体験をし沢山経験を身に付ける時期なのね。


日々アメリアの指導の元で身につけていく所作も

マナーもマリーは習得をし結果を出せているのだと

判断をされている事に嬉しく思い、紅茶を飲んでいると


「あまり隠しても余計興味を募らせて暴走する

恐れがあるもの。適度に情報を渡してガス抜きを

してあげれば彼も満足がゆくでしょ」


中々に鋭い棘の言葉に驚きアメリアの顔を見ると

にっこりと微笑まれたのみで


「分かりました。やってみます」


マリーもどこかやる気に溢れており、

1人首を傾げていると、隣に座るルイから重々しい

息が落とされ、


アメリア達の心情が理解できす、帰りの馬車の中で

ディランとフレディに今日の出来事共に尋ねれば


「アメリア嬢の判断は正しいかと」


ディランが真剣な表情で頷き、


「マリーさんには頑張っていただきたいですね」


同じく真剣な表情で頷くフレディに、

さらに意味がわからず、


「と、いう事があったんだけど。なんで怒っているのかな?」


寝る前にマルチダに今日の出来事と共に尋ねると


「皆様、エスメ様の事が大切なのです。お怒りになっても

仕方ありません」


子供の頃にあったなぜ? なに? どうして?と

同じ気分になってしまい、


「有難い事だけれども、それにボーイックには

彼女が居るから、ありえない事よね」


大人なのだから自分の持っている知識と経験で答えを

出すと、


「男女と言うより人間関係は複雑であり奇怪でもあります。

見えているものだけが正しいとは限りません」


布団を整えてくれつつ返ってきた言葉に、頷き返し


「難しいね」


皆が怒っている事が自分には分からない。


感覚か取り止め方の違いもあるのだろう。


なんだか寂しいなぁ。


マルチダが退出し1人暗くなった部屋で考えるも


止めよう。

暗い中で考えても良い事は思い浮かばないわ。

太陽が出てから考えよう。


心の中で潜りを付け瞼を閉じ眠りに身をまかせた。


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