姉、重大な事に気がつく
花々や作物にとってはこれからを生きる為の
雨が何日も降り続き、それに応える様に
草木は枝を伸ばし葉を大きくし、
皆に愛され心待ちにされている薔薇は
ゆっくりと蕾を膨らます。
薔薇の開花と共にやってくる社交界シーズン。
屋敷の中が俄かに忙しなく感じるも、
それに伴い学園も学業とは違う忙そがしさも混ざり
出し、
「マリーさんは来年、社交界デビューとなりますが
マナーができていないと言う訳では決してありません」
放課後の淑女マナーを学ぶ為のに通い、私もルイも
マリー自身も今年デビューするのだろうと声にこそ
出さなかったものの、皆がそう思ってが、
アメリアの発言に内心驚いていると、
「まずは、殿下とわたくしでマリーさんを受け入れ
安い様に1年かけて社交界の皆様や貴族社会に知って
貰います」
淑女の微笑みと共に告げられた言葉には、突然、
光の魔術を使える様になったマリーを良く思わない人達が
いる事を示しており、
「その間、マリーさんはタントデビューに向けて
ドレスの作成、ダンスの練習、基本の所作に貴族の方々の
名前を顔の一致とその家の歴史に領の特産物など、覚えて
いただいますわ」
なんでもない様に告げたアメリアの言葉に、眩暈がしそうに
なる程の重要な事も含まれており、横目でマリーを見れば
顔を強張らせつつも頷いていた。
知識は剣にもなれば盾にもなる。
来年のデビュー時には守りを厚くし少しでも心身を守れる様に
するのね。
アメリアの考えに賛同し、自分も手伝える事ができればと
帰ったら改めて復讐をする事を頭に入れ、アメリアの話に
耳を傾ける。
アメリアや殿下は今年社交界デビューをするので、
放課後のマナー教室ができない時も出てくる。
その時は課題と教師の派遣を出すのでそれをこなして欲しい。
一応予定にしているのは王家主催の舞踏会と家が主催する
夜会と親戚が主催する夜会のみ。
「勿論、招待状はいただくけれどあいr難い事だけれども
全部出ていては身が持たないもの。それにわたくし達は
学生だわ。学業に重き置く立場でもあるから最小限ね」
紅茶を飲みつつ紡がれる言葉に、複雑そうな感情を
読み取ってしまい、席を立ち空になったアメリアの
カップに甘いミルクティーを淹れ手渡すと、
「丁度、飲みたかったの。ありがとう」
先程の微笑みとは違い、嬉しそうに笑ってくれた事が
嬉しくなりつつも、未だ硬い表情をしているマリーには
冷めてしまった紅茶を下げ、少し甘めで淹れたミルクティーを
置き、ルイと自分はストレートで淹れ注ぐ。
「楽しい事ばかりでは無いけれど、王家の皆様はマリーさんを
思っての決定。理解していただけて」
自分が座ったと同時に告げたアメリアの言葉に
マリーは頷き
「勿論です。王家の方や貴族の方々には感慨なお心を
いただき感謝申し上げます」
ゆっくりと頭を下げ返事を返し、
「頭を上げて頂戴。理解いただけて嬉しいわ」
その後は手始めにと王家の歴史を軽く振り返りをして
終了をし、校舎を出たのちマリーと別れ
「そう言えば、ディランも社交界デビューするのかしら？」
ルイと歩いている時にフッと思いつい声に出すと
「そうなんじゃないか？」
ルイも当たり前の様に返事が返り、
そっか。
そう納得したものの
「え？ 待って。私、聞いてない」
大事な事なのに聞かされていない事に気がつくと
自然と馬車に向かって走り出し、
苦笑しつつ出迎えてくれるフレディに
「フレディ。私、ディランが社交界デビューするって
聞いてないんだけど！」
周りにいた従者さんの視線を集めてしまったのは
申し訳ないけれど、それどころでは無く勢い良く
問い詰めると
「ディラン様、ご自身がエスメ様に報告したかったのです。
自分の口からは」
申し訳なさそうに眉を下げながらの言葉に、
「分かったわ。気づかなかった事にする」
勢いは落ち着き、逆にいつ教えて貰えるのだろうと
楽しみに変わりディランの到着を待った。
第471話
気温差が大きいですね。花粉もありますどうぞご自愛ください。
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ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。
お時間ありましたらお読みください。
https://ncode.syosetu.com/n4082hc/
フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。
お兄様、隣に居る令嬢は誰です？婚約者のお義姉様はどうなさったの？大変！廃嫡とざまぁを回避しなければ！
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