姉、お茶会から帰宅する
「お帰りなさいませ」
馬車からルイの手を借り下りマルチダのからの
挨拶を貰い
「ただいま」
返事を返した後、
「ディラン、フレデイ。ただいま」
マルチダから数歩離れた所で出迎えてくれた
ディランとフレディに声をかけると
「姉様、お帰りなさい」
ディランの後に
「お帰りなさいませ」
フレディからも挨拶を貰い、ルイから
ディランへとエスコートの役が変わり
屋敷の中へと足を進めた。
「とても、楽しかったわ」
自室へと向かう中、我慢ができずお茶会の話を始めるが
「それは何よりでございます。まずはお着替えを」
マルチダからの提案に、ドレスと着て宝石をつけている事を
思い出し
「そうね。終わったら話を聞いてくれる?」
マルチダの案に頷き、その後、ディランへ提案をすると
「勿論です。お茶の準備をしてお待ちしております」
自室の扉前で約束をし、ディランとルイとフレディに
別れを告げマルチダと入れば、お針子さん達が居り
「エスメ様。お帰りなさいませ」
一斉に礼と挨拶を貰い、
「ただいま帰りました」
返事を返すと一斉に頭を上げてくれ、
「お疲れの所をお申し訳ございませんが、
お着替えをさえていただいますね」
「お願いします」
その言葉に頷き返すと、まずはマルチダの手により
ブラウンダイヤモンドのネックレスが外され、その後
同じ宝石で作られたイヤリングを取ってもらい、
手袋取り、ヒールを脱ぎ、ドレスとクリトリンを脱ぎ
コルセットの紐を緩めて貰うと、体が解放され少し
多めに息を息を吸うと、小さな笑い声と共に
「苦しかったですか?」
お針子さんの言葉に
「息苦しいという事は無いのですが
なんというか締め付けからの解放がありまして」
恥ずかしくなり口ごもりながら返すと
「分かりますわ」
同意を貰え、促されるままドレッサーへ移動し
宝石の付いた髪飾りを取り、きつく結われた髪を丁寧に
解してくれ、それができるとお風呂へ移動となった。
ラベンダーとカモミールの匂いの中、しっかりと髪を洗われ
体も洗い、疲れた体を揉みほぐし着慣れたワンピースに袖を通し
再びドレッサーへ行くと、先程脱いだドレスは片付けられており
「お礼を言いそびれてしまったわ」
鏡越しに映るマルチダに溢すと
「お伝えしておきます」
普段と変わらない表情と声に心が落ち着き、
すっごく楽しかったから興奮し高揚してたのね。
先程の自分を冷静に判断でき息を付いた。
少し体の重いさを感じつつも、身支度が整い約束通りに
隣の部屋に居るディランを尋ねると、場が整えられており
ディランに促されるまま、ソファに座るとフレディが
出してくれたのは紅茶より赤みのあるハーブティーで
「ありがとう」
お礼をの後、ひと口飲むと少し酸味を感じ重かった体が
少し軽くなったの感じ、もうひと口飲みカップをソーサーに
戻し視線を上げれば、ディランの横には見慣れたルイの姿が
あり、
「そうだわ。アメリアにドレスを褒めて貰ったの」
ディランに必ず伝えなければならない事を思い出し、
前触れもなく告げると
「そうでしたか。良かったですね」
ディランは微笑み返してくれたので
「最新のドレスが着れるのを楽しみにしてます。と、
言われたのだけど、どうしよう」
アメリアに告げられた言葉をそのまま伝えると、
「そうですね。あのドレスは姉様の意見も取り入れ
作ったドレスですし」
少し困った様に眉を下げ、今日のお茶会のためだけに
設えたドレスの為であり販売は考えていなかったが、
「お母様にお伝えした方が良いよね?」
もしもの為にと提案すればディランは頷き、視線を
壁側に居るマルチダに動かしたのを見て、
「マルチダ、お母様にお願いできる?」
お願いをすると一礼の後、ディランの部屋から出て
行くのを見送り、置いたカップを持ちひと口飲み、
「ただただ動きやすい様にとお願いしたドレスが
こんな大きな事になるだなんて思わなかったわ」
言葉を溢すと
「スカートの部分の四方を切り、見苦しく無い様にと
刺繍を刺したのが良かったかもしれませんね」
空になったカップに同じハーブティーを淹れながらの
フレディの言葉に、
「確かに無いデザインだったけれど」
自分が着ていたドレスを思い出す。
空色のドレスの生地に流行りの型で作ったドレスは
クリトリンでの膨らみを抑えつつ布の重ねることで
膨らみを出したら、重くて動きにくなったので
表面の部分に切った布を充てたら、なんだか可愛く
見えたので、お願いしたが
「切りっぱなしはいかがなものかと」
お母様のご友人の言葉に
「では、緑の糸で刺繍をしてはいかがでしょうか?」
ディランの提案が採用されたドレスで。
「ご友人の事もあるものお母様にお任せするのが1番ね」
改めてディランの意見に賛同を伝え、
「アメリアからお土産をいただいたの」
もう1つ伝えなければならない事を言葉にすると、
「先程少しいただきました。明日、お礼を伝えますね」
ディランの手元に届いた様で安堵の息をした後は、
お茶会で話した事をやクラスメイトが褒められ
嬉しかった事、アメリアが婚約者の事が大好きな事、
ディランと過ごした領での思い出を話した事、
話出したら止まる事ができず、晩餐の時間も
食後のお茶の時間にも話つづけ、
「心配しておりましたが、楽しめたようで良かったです」
話を聞きながらディランの嬉しそうに微笑む表情に
困った表情、恥ずかしそうに頬を赤め視線を逸らす表情と
こちらも楽しめ、
「ドレスと着るのは控えたいけれど、とても楽しかったわ」
就寝時間になっても止まらず、マルチダの静止の言葉に
これが最後と感想を伝え、寝る為の挨拶をディランとフレディと
ルイにした後、マルチダと共に部屋に戻った。




