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姉、お茶会を楽しむ


「マリーさんのドレスは王妃様の

お好きな形ですわね」


「その様にお伺いしております」


「あら。でも胸の部分は違う見たいね」


「はい。わたしの体型と雰囲気に合う様にと

首まで布の覆われる形にしてくださいました」


「マリーさんは、まだデビュー前ですものね」


お互い向かう会う様に座っているアメリアとマリーの

形式に沿った会話を聞きながら、


話の流れを知っていれば初対面の時に互いに

気負わず話題を考えずに話せるというのは有難いことね。


マナーはお互いが不快な感情にならない最善を考えた動きと

約束なのです。


ミランダがルイとミラにマナーの説明をした時の言葉を

思い出し実体験してようやく言葉の意味を知り感心していると


「エスメさんのドレスの刺繍は素敵ですわね」


アメリアが気を使い話しかけてくれたので、


「ありがとうございます。全て弟の案と腕の良いお針子の

おかげですわ」


マリーと共に淑女教育を受けている身をして成果を出すべく

淑女の微笑みと共に伝えると、


「まぁ、羨ましいですわ。わたくしもその様な素敵な弟が

欲しいわ」


金糸とばかりに輝く髪に猫の目の様に少し釣り上がった目尻。

完璧で見本と評される所作にアメリアの立場と家の爵位。


様々な事が混じり、アメリアの言葉は嫌味だと受け取られ

やすいが日々を一緒に過ごし、会話をすれば


アメリアが自分の厳いが心優しく、気遣い上手な素敵な女性だという事が

分かっているので


「自慢の弟なので、そう言っていただけて鼻が高いです」


言葉のままにディランへの褒め言葉を受け取り返事を返すと


「仲の良いご姉弟なのですね」


マリーが羨ましそうな言葉に


「ええ。この国、いいえ全世界で1番仲が良いと思っているわ」


つい、いつも通り返してしまい、過ちに気づいた時には遅く

挽回する言葉を頭の中で考えるも


「素敵な事だわ。ねぇ、マリーさん」


「はい。いつも聞かせていただけるご姉弟のお話は羨ましくもあり

微笑ましいく思っております」


「まぁ、普段はどんなお話を聞いているの?」


本来ならば自分で会話の修正をしなければならないのに、

アメリアとマリーの助けて貰い、そのまま話は進み


「弟さんがとても可愛いくて、つい抱きついてしまうらしく」


「溺愛ですのね。分かりますわ」


「この前の試験でトップだった事を報告し褒めて貰えたと

嬉しそうに笑いながら教えてくださいました」


「あらあら」


「そう言えば、最近弟さんの身長が自分と同じになり

これから大きくなるのは嬉しいけれど寂しい。

とも仰ってました」


「姉心は複雑なのね」


本人を置いてディランの事で楽しそうに盛り上がる2人の話を

聞いていると恥ずかしくなり、誤魔化すようにカップに手を伸ばし

飲み干すと、メイドさんがすぐさま新しい紅茶を継ぎ足してくれ

お礼を言いかけたが、すぐに目礼で返すと意図が伝わったようで

小さく頷き微笑み返してくれた。


「ねぇ、ルイ。貴方エスメさんと同じ領だったわね」


ほんの少し会話から離れただけでなぜかアメリアが壁側に

控えているルイに話しかけており


「そこは遠くて声が聞こえないわ。こちらへ」


五指揃えて指された場所は自分の後ろで、言われるままに

ルイが移動し終わると


「ルイ、貴方エスメさんとは領が一緒だと聞いたわ。

あっていて?」


アメリアの雰囲気が先程とは変わり、ルイとの間に壁の様な

境界線の様な見えない線が引かれ、内心首を傾げるも


「はい。そうです」


ルイも気づいていいながらも気づかないフリをし

返事を返しており、


「領でもエスメさんは弟さんと仲が良かったのかしら?」


「いつも手を繋いで街を歩いておりました」


「いつも? そんなに頻繁に街へ行っていたの?」


「祭りの日や買い物など」


両手を後ろに回し、無表情で淡々と答えるルイと

真剣な表情で質問をしているアメリアと同じ様に

真剣な表情をし聞き入っているマリーに、


いつも話していたと思うのだけど?


普段からディランのことを話していたので、同じ事を

ルイに尋ねる事へ疑問を感じるも、よくよく周りを見れば

メイドさんに護衛の騎士も微笑ましく見守っている雰囲気に


警護と言えど1人で壁際に立ってるルイへの気遣いだわ。


アメリアの心遣いに気が付き、ならば自分も会話に

混ざるべきだと思い


「そうね。ルイが居るから良く遊びに行ったわ」


頷きと共に会話に混ざると


「遊びにですか?」


マリーが不思議そうに首傾げ尋ねてくれたので


「ルイは街で子供達のまとめ役をしていてね。

弟と一緒の時もだけど、1人でも良く会いに行ったわ」


まだ少ししか立っていない記憶を懐かしき思いながら

話とマリーは意外だった様で、驚いた表情をしており


マリーには話して無かったかしら?


首を傾げ記憶を辿るも思い出せず、ならばと


「ルイはね、弟の初めての友達なのよ」


出会いから話そうとすると、


「エスメ」


自分だけに聞こえる小さな声で静止を止められたが、

気づかないフリをし、


「出会いはね、春の祭りの日だったわ」


意気揚々と話出した。



第463話


気温の低い日が続いておりますが体調はいかがですか?早めの就寝で健康維持ができております。


ブッマークや評価、いいねボタンをいただき誠にありがとうございます。


ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。

お時間ありましたらお読みください。

https://ncode.syosetu.com/n4082hc/


フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。


お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!

https://ncode.syosetu.com/n9341hw/


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