姉、親友の恋心を知る
この数日、通常の授業と共に
昼休み、淑女教育の合間、屋敷に帰ってからと
試験勉強に力を入れてきた。
勿論、睡眠も休憩もしっかり取り進めてきたので
多少の無理はあったかもしれないが許容範囲のはず。
試験に近づくにつれクラスの雰囲気は異様な熱気と
緊張感に包まれ授業に訪れる教授が不思議そうな顔をしたり
顔を顰めたりと様々な反応を見せてくれる中、
ついに試験当日となり
王国歴から始まり魔法歴に計算に語学
周辺国の歴史と関係に王国を支える貴族とその領の特産物
クラスメイトの半分以上は職に就いているので、
知っていなければならない知識と知れば仕事が楽になる知識
もあり、これから職を見つけるクラスメイトも将来を見据え
このテストが重要なのだと理解し力を入れている。
勿論、自分だってルイもマリーも自分ができる範囲で
日々の勉強と共に行なった試験勉強。
目星を付け、苦手な教科は集中して行い、
得意の教科は覚え間違いをしていないかの確認をし
数日間の試験に挑んでいる。
勿論、試験中でも淑女マナーは行われるので、
試験後マリーと共にアメリアの待つ部屋へ行き、
2人を見守り、お茶会は
「今日の試験はいかがでしたの?」
試験中でも普段と変わらないアメリアに尊敬をしつつ
「自己で答え合わせをしましたが、良い結果が出せるかと
思います」
マリーが困った様に眉を下げ微笑み返事を返すと
「良い事ですわ」
満足そうに頷いた後、優雅に紅茶を飲み、
「エスメさんはいかがでしたの?」
自分にも話を振ってくれたので、持っていたカップを
ソーサーに戻し
「私も自己採点をしたら記入した答えは合っていたから
大丈夫だと思う」
そう返事を返すと、
「満点という事ね。素晴らしいわ」
嬉しそうに微笑み、
「ルイはどうでしたの?」
マリーと自分の答えを聞いた後なのでアメリアの表情に
期待の色が浮かんでおり、淑女のアメリアでは無い表情に
微笑ましく思い見ていると
「まぁまぁかと」
どの言葉を使いどう返事を返して良いのか分からない
と言った感じではあったが、手応えはあったと言う
ルイに
「期待しておりますわね」
満足そうに頷き紅茶を飲み喉を潤すアメリアに
「アメリア様もいかがでしたか?」
マリーが尋ねると
「普段と変わらない問題ですもの。前回同様の
位置ですわね」
平民クラスと貴族クラスとでは授業内容は全く違う。
その中でもアメリアは上位に入る結果を出していると
ディランが言っていた事を思い出し、
「普段から沢山頑張っているものね」
ディランの事を思い出してしまったからか、
つい人前では控えていたアメリアへの褒め言葉を
漏らしてしまい、内心慌てアメリアを見れば
一瞬、言葉の理解ができなかったのかキョトンとした
表情の後、顔を赤くし
「当たり前の事ですわ。わたくし、殿下の婚約者ですのよ?
国を背負う者として当然の事ですわ」
普段聞かない早口で告げられた言葉と必死に冷静になろうと
している姿が可愛らしく
「アメリアには当然かも知れないけれど、誰もが
できることではでは無いわ」
アメリアの年下で可愛い妹なのだと実感すると、
少しイタズラ心も芽生え
「殿下の事が大好きなのね」
声を顰めアメリアに伝えると、さらに顔を赤め
はくはくと口を動かす姿は、とても可愛く
殿下に恋しているのね。
アメリアの気持ちが分かり良かったと思いが
耳まで赤くし両手で顔を隠してしまったアメリアに
少しやりすぎてしまったとので、どうするべきかと
悩ますと
「失礼いたしました」
顔は赤いままではあるが、淑女のアメリアの対応に
話はここまで告げられたので、違う話題へと話を進めた。




