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姉、大喜びする


香水の問題は平民クラスのみ表に出ている様に見え

たが、


「ああも強いと紅茶の香りも分からなくなりますもの」


淑女マナー後のお茶会でのアメリアの一言に、頷いて

良いのか判断できず苦笑していると、


「なんでも適量という物がありますの。それを超えて

ああも主張をするだなんて下品以外ありませんわ」


どうやらアメリアは香水の件で相当頭に来ている様で


「それになんですの? アメリア様もいかがですか。だなんて

わたくしがその様な不快を感じる流行りに乗ると思われている

だなんて」


どうやら耐えに耐えてきたが我慢ができない様で、


「何よりこうして匂いで体調を崩す生徒が少なからず

居るのだから、淑女らしく控えめに変えるべきだわ」


マリー体調を崩している事も怒りの1つの様で、嬉しいけれど

どう反応すれば良いのか分からないマリーは眉を下げ微笑み


「お心使い嬉しく思います」


マナーで習った返事を伝えると


「当然の事ですわ。教室が分かれ扉を閉めていると言うのに匂いが

教室まで届きますのよ? 当人達が居るクラスメイトの嗅覚は

おかしくなっているのではありませんこと」


猫目の目尻をさらに吊り上げ、怒りを見せるアメリアは自分が

香水の流行りに乗らない事を起こっている様に見せつつも、

自分のクラスメイトやマリーの体調の事を強く心配してしており、


「香水の種類が増えることは大いに結構。ですがああも匂い

相手を不愉快にさせるのならば、害以外ありませんわ」


大きな溜息と共に落とされたアメリアの言葉に心の中で頷きつつ


「好きな事や夢中になっている事を注意するのは難しい問題だよね」


誰もが好きな事や夢中になっている事に注意されるのは怒りを

覚え、人間関係を拗らせる事となる。


特に小さな社交界と言われる学園の淑女の世界もそれは同じで


アメリアも注意したいが個人の感想だけでの注意は相手に不快を

覚えさせる事を理解しているので、怒りを覚えても動けない状態

なのだろう。


何か良い案があれば良いのだけど。


重い息を体の中に落としつつ、香り高い紅茶の1口飲み思案する。


前の人生で子供達がチェーンのついたアクセサリーやアニメに

歌手の服装を真似た時、親だった私はどう対応したっけ。


朧げになっていると前の人生を掘り起こすと、


熱が冷めるまで賛同しつつも公共での良い場所と適さない場所を

教えた様な記憶かあるが、今回の香水の問題には適さない様な

気がし頭を悩ませると


「匂いが混ざって誰がどの匂いか分からないて

言ったらどうだ?」


ルイからの言葉に全員がルイの顔を見ると


「香水というのは己を主張する匂いなんだろ? だったら

強すぎて匂いが分からない。そう言えば良いだろ」


当たり前の言葉ではあったものの目の前が明るく開けた気がし


「流石ですわ。 折角良い匂いですのに勿体無いと伝えれば

少しは抑えてくれますわね」


「はい。ルイさんとアメリア様のおっしゃる通りかと。

折角違う匂いを纏っても混ざれば良い匂いでも

分からなくなりますよね」


「さすがルイね。頼りになるわ」


3人から賛同されたが照れる事も恥ずかしそうに顔を

伏せる事も無く堂々と背筋を伸ばし座っている姿に、

ルイの成長を感じ嬉しく思いつつも、


これがミランダなら照れながらも嬉恥ずかしそうに

してただろうに。


見たかった。


悔しい気持ちも持ちつつ香水への打開策が見つかり

先程までの雰囲気が一変、普段と変わらない楽しい

お茶会になり、


後日、


「殿下とアメリア嬢よりルイにお褒めの言葉をいただきました」


ディランから帰りの馬車で伝えられた言葉に

飛び上がらんばかりの喜びを爆発させた。


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