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姉、お節介を焼く


ふんわりと匂う甘いお菓子のような匂いや

スパイシーな匂いに花の様な瑞々しい匂い。


様々匂いが学園中に広がっており、

ふんわりと優しく匂うならば良い匂いと

感想を持つことができるのだが、


匂いに慣れてしまったのか少し強めに匂う人も

少なからずおり、


思わず顔を顰めそうになるが、通り過ぎる数秒を

顔に力を入れると


「きついな」


小さな声でポツリとこぼされた言葉に、

声の主であるルイに視線で注意しつつ

通り過ぎると同時に


「おはようございます」


朝の挨拶を交わし合い通り過ぎた背中を少しだけ

振り向き歩いている方向を見れば、下位貴族クラス

の様で、


「なんだか急に香水が流行り出した様な気がするわ」


残り香が残る廊下を首を傾げながら歩き教室へ向う中


「そうだね。僕が販売経路を広め進めた。と、言ったら?」


突然の後ろから聞こえた声に足を止める事なく首を動かし


「おはよう。ボーイック」


朝の挨拶をすると


「おはよう。エスメさん」


大人びた笑みと共に返され


「香水はもともと貴族の中では身だしなみとして

当たり前の物を見直し、新しい香水を取り寄せ

進めてみた、皆、気に入ってくれたみたいでね」


今はまだ下位貴族だけど、次は高位貴族へと

向けて動いている最中だよ。


楽しそうに話すボーイックに感心しつつ


「ボーイックには商売の才があるね。

すごいわ」


率直な感想を伝えると、先ほどとは違い

嬉しそうに笑い


「エスメさんにそう言ってもらえると嬉しいな」


無邪気な子供の様な声に微笑ましく思い

耳を傾けていると


「最近、父さんにお前は才能もなければ人としても

まだ未熟だ。って言われててさぁ」


どうやら心配をかけている様で、助言を貰っているが、

ボーイックには真逆にとっている様で、


「母さんにも出費を控える様に言ってくるし」


泊まる事なく次々溢れてくる言葉に、

苦笑いをしつつ3人で教室まで歩き、クラスメイトに

挨拶をしながら自分の席に座るも、


「今回の香水だって、目の付け所は良いはずなのに

知識不足だ、勉強が足りないなど言ってきて俺の

才能を認めてくれないんだよ」


ため息と共に溢れた言葉に、ルイと顔を見合わせた後


「勉強が足りてないならすれば良いだろう」


ルイがため息混じりに告げた言葉に、


「これ以上必要な知識は無い」


怒りを覚えたようで目尻を釣り上げ棘の様な

鋭い声に


「ええ。香水の売れ行きはボーイックの手腕の結果よ」


喧嘩になる気配を感じ、口を挟み


「今の流れとボーイックの判断が噛み合ったから、

流行りを作れた事はとても凄いわ」


少しでも冷静になれる様に言葉を選び伝えると、

ほんの少し怒りは治った様で、心の中で安堵の息を吐き


「勉強というのは、香りの事だと私は思うの」


慎重になりつつ言葉を選び、


「1つの香りに夢中になる人は居ると思うけれど、

同じ香りを纏った人と会えば、違う香りを求めると思うの」


勉強の意味を自分なりに考えボーイックに伝えてゆく。


「その時に香りの種類が少なかったら、違う店で探し

ボーイックの店から離れてゆくと思うの」


1番売れてい香水を定番商品として置き続けるのは

良い事だと思う。


ただ、新しい香りがなければ客は離れてゆく。


商売を続けるには新しい知識や技術に人との信頼関係

など沢山勉強し、自らの足で作ってゆく必要がある。


とても1人で難しくこなせないので人を雇い、

自分の代わりに動いて貰い、その代わりに賃金で返している。


これが社会の流れで働くと言う事だと、前の人生で勉強した。


お節介ではあるけれどボーイックにはそれを知って欲しい。

ご両親もそう思っているはず。


言葉の速さと声の高さに気をつけつつ自分の考えを

ボーイックに伝えると、受け入れ難い様で瞬間顔を顰めたが


「確かに、商売の基本中の基本は俺も押さえているさ」


すぐさま表情を取り繕い返ってきた言葉に、


考えがいかなかった。感じかな。


透けて見えた考えに、心の中で苦笑しつつ


「良ければ香水のつける最適な量や付ける場所など

付け加えながら販売をするのも良いかもしれないわね」


少し苦言を混ぜながら伝えれば、目が輝き


「そうするよ。ありがとうエスメさん」


嬉しそうに微笑み、広げたノートに何かを書き出し姿を

ルイと共に見守った。


第452話


動き出して1週間経ちましたね。皆様どの様にお過ごしですか?


ブッマークや評価、いいねボタンをいただき誠にありがとうございます。


ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。

お時間ありましたらお読みください。

https://ncode.syosetu.com/n4082hc/


フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。


お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!

https://ncode.syosetu.com/n9341hw/

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