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姉、祖父母に緊張する?



太陽が傾き部屋の中は窓枠の影が長く伸びるのを眺め初めて顔を合わせたメイドから紅茶を入れて貰い一息つく。


薄い緑色の壁紙に飴色の机と椅子が見え視線を動かせば本棚があり見慣れた題名に王都から持ってきた本が入っている事が分かった。


持っていたティーカップを置くとソーサーに上手く置く事ができず当ててしまった音がなり


「不作法でごめんなさいね」


壁に控えてくれているメイドに眉を下げ謝りを入れると


「お気遣いありがとうございます。奥様よりお怪我のことは聞き及んでおります。どうぞお気になさらず」


メイドらしく淡々とした声と言葉に


「そう言って貰えるとありがたいわ。これからも何かと迷惑をかけると思うけどよろしくお願いね」


微笑み言葉を続ければ一礼を返事として返ってきた。


再びティーカップを手に取り一口飲み、気を付けソーサーの上に置いた。


再びぼんやりと部屋を見渡しこれからの晩餐のことを考える。


騎士としてまた公爵家当主としてのお祖父様は想像していたより細身で身長の高い人だった。


お父様と雰囲気が似ていた様な気がするけれど、どこか豪快な感じもあった。


お祖母様はお父様とディランと同じ瞳で優しい感じもあったけど女主人として凛とした雰囲気もあって怒らせたら1番怖い人だと感じた。


祖父母は優しい人だと思う。


初めましてのご挨拶をもう一度して、その後はディランの指示に従った方が良いわよね。


話をしなければお互いどんな人物なのかわからないもの。

もしかしたら挨拶の時の印象とは違うかもしれないわ。


体の中にある空気をゆっくり細く吐き出し瞼を閉じる。


じわりとお腹の中心から広がる緊張感が全身広がり心と体が強張っていくのが分かった。


なんだろう?この感覚?


今まで数人だけど初めましてのメイドや騎士の人達と会い話して来たけどこんな不思議で怖い感覚はしめてだわ。


どうしてしまったのから?


怖いと思う気持ちが溢れ良くない想像が勝手に広がっていく。


初めて会うのにどうしてこんなに怒りや悲しみの表情が想像できるのかしら?

まだ貴族としての挨拶しか行っていないのに。不思議ね。


お祖父様の怒る顔

お祖母様の悲しむ顔


そんな想像ばかりが広かり心と思考か支配されていく。


初めての感覚なのに何度も体験したかの様に感じる。


どうしてかしら?なぜなのかしら?


自分に問いかける。


思い浮かぶは私じゃない私が必死に笑い話をしている姿。


前世の私


そっか。


前世の私は初めましての人に会うのが苦手なのね。


必死に話しかけている姿になんだか微笑ましく思うも自分にとっては初めて体感する緊張と人と会う事への恐れにどう対処すれば良いのか分からず頭と体を動かせずにいると


「姉様」


聞き馴染んだ呼び声に目を開け声がした方に視線を向ければ心配そうな表情のディランとフレディが立っており、互いに視線を交わし合うとフレディが目の前に立ち絨毯に膝を着き、左手の手袋を取り


「失礼します」


この数日に何度も繰り返された行動と言葉にされるままにいる。


乱れてしまった前髪を手櫛で整えつつ


「熱は出ていない様ですが少し顔色が悪い様に見えます」


後ろにいるディランに体は動かさず言葉だけで伝えるフレディに


「大丈夫よ。多分寝ていないから顔色が悪いだけで体は元気よ」


慌て声を上げると


「分かりました。体調が優れなくなりましたらすぐおっしゃって下さい」


ディランの溜め息と共に言われた言葉に頷き、立ち上がりディランの元へ歩けば手が差し出されるので腕に手を置き案内されるまま歩き出す。


フレディのノックの後に開けられた扉を潜り用意されたテーブルに座れば、白いパンとガラスのコップに飲み物が注がれ


「お帰りディラン、エスメ。良く帰って来てくれた。我々は君達姉弟を歓迎しよう」


お祖父様の言葉とが終われば食事が始まった。


右手が使えないので左手でフォークを持ち食事をいただくが料理人の気遣いもあり一口大に切ており食事を楽しむ事ができた。


お互い少しづつ話をしゆっくりと会話を広げてゆく。


「街道を通ると様々な領を通るがどうだった?」


「立ち寄ったどの領も独自の発展をしており書物だけでは知り得なかった事がわかり大変勉強になりました」


お祖父様のからの言葉にディランが返事を返し


「ディランは勉強家なのね」


お祖母様が微笑ましそうに言葉を繋ぎ


「道中、私にも沢山の事を教えてくれディランの知識で沢山助けられました」


私が微笑み言葉を繋ぎ返せば


「それは何よりだ。紙だけでは知り得ないことも多い。体験してこそ理解深まるものだ」


お祖父様が笑い、ワインを口に含む。


お互いが話題を作り会話を進めて行く中、肉料理に魚料理が数品を食べ終わると晩餐が終了を迎える。


その後は部屋を変え、紅茶を楽しみつつ更に会話を楽しむ筈だったが


「疲れている所にすまないがエスメが怪我をした事について聞きたい。思い出すのも辛いだろうができる限りで良い話しを聞かせてくれ」


お祖父様の言葉に内心驚くも


「勿論です」


ディランの頷き告げた言葉に従い心を引きした。


第45話

突然の人見知りが出てしましました。


急に寒くなりましたね。お体は大丈夫ですか?暖かい食べ物が恋しです。


ブックマークに評価や星を押していただきありがとうございます。

とても嬉しいです。


ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております、

よろしけれお読みください。

https://ncode.syosetu.com/n4082hc/

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