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姉、弟を堪能する


暖かな陽気の中、時折吹く冷たい風を感じながら

せっかくなのだからとディランにお願いしフレディも

同じ敷物の上に座って貰い、3人で食事や紅茶を飲み

ながら沢山の事をディランとフレディに話す。


クラスメイトの事や授業内容に教師陣の癖に

授業内容。


女生徒とピクニックをしてからはぐっと距離が

近くなり彼女達の職場の面白かった出来事に

上司や同僚の話に相談や悩み事など話して

もらえる様になって、


「お姉ちゃんとして頼られていると思うと嬉しくて。

時々ね、恋の相談も受けるのよ」


その時のクラスメイトの表情は可愛くてね。


頬を染め、恥ずかしそうにしつつも

思い悩んでいる事を話してくれるクラスメイトに

癒される時もあれば、一緒に心ときめかせる時もある。


「人気のある人は仕事もできる人は勿論だけど、

家事の手伝いをしてくれ、相手を気遣える優しさが

ある人ね」


ピクニックから始まった恋の話をよくよく聞けば

前の人生にもよく聞いた話題で


「ボーイックは友達としては素敵だけど、

恋人としてはどうなのだろう? と、意見が出ていて

驚いたわ」


王宮にも出入りしている商会の跡取りで話も上手く、

相手を喜ばせる事も得意だからさぞクラスメイトで

人気なのかと思えば


「なんでも、女性の好みが最悪最低なんですって」


どうやら、今お付き合いしている人が言うままに

貢ぎ、ご両親の名前を使い街には迷惑をかけている上に

お付き合いしている方が貴族として顔を顰める行為を

しているとの聞いた事を話しつつ


「ディランはその生徒は知ってる?」


少し心配になり尋ねると


「いえ、知りません。もしかするともう1つの

クラスに在籍をしていると思われます」


ハッキリと答えをくれたディランに頷きつつ


「そうなのね。その話を聞いてボーイックの事が

心配ではあるものの、どう話せば良いのか迷っていて」


ほら、人の恋路を邪魔する者は馬に蹴られてしまえ。

そう言うじゃない。


「お付き合いしてる生徒さんは、平民から貴族籍に入り

まだ1年も経っていないと聞いているわ。

社交界デビューをするにも淑女のマナーも1年では

身につけるのは難しいでしょうし」


幼き頃から生活をするのと一緒に淑女マナーも一緒に

学び身につけるので、1年では身につくは少ないのは分かる。


「どうしたものかしらね」


空を見上げこぼした言葉に答えなど見つかるはずもなく

せっかくディランが計画してくれた楽しい時間なのに

思わず出てしまった暗い話に気づき


「ごめんね。こんな話になってしまって」


謝罪をするとディランはゆるりと首を振り


「姉様が悩みを1人で抱えている事が分かり、

この時間を作って良かったと思っております」


自分の事の様に真剣な表情で返事を返してくれたかと

思うと


「ええ。お一人で考えるより、こうして話していただけ

嬉しく思います」


ディランとは反対側に座っていたフレディの言葉に

申し訳なく思い頷く事ができずにいると


「彼を心配する姉様の気持ちはとても素敵です。

その姉様の弟として誇らしく思います。が、悲しんでいる

のを知らずにいるのは心苦しいもの」


ディランの言葉に勢いよく振り向くと目が合い、


「頼りにならないかもしれませんが話して下さるだけでも

結構です。僕に話しにくいのならばフレディにでも

話してください」


話すだけでも心が軽くなるものですよ。


今まで1度も見た事のない大人びたディランの表情に

驚いたものの


「ディランが頼りにならない事は無いわ」


聞こえてきた言葉を真っ先に否定し、


「ねぇ、フレディ」


同意を求め名前を呼べば


「ええ。ディラン様は頼りにりエスメ様の心強い味方です。

けして頼りにならないと言う事はありません」


即、求めていた返事を返してくれたフレディに心の中で

絶賛していると、


「では、ぜひ頼ってください」


嬉しそうにでも恥ずかしそうにはにかんだディランに


「私の弟が今日も可愛いしかっこいい」


溢れてくる感情が抑えきれず抱きつき、心の声を漏らすと


「ありがとうございます」


どこか呆れながらも背中に腕を回してくれるディランの

優しが愛おしくて


「ディランは世界一可愛いしかっこいいわ。

そうでしょ、フレディ」


叫ぶ様に背中側に居るフレディに同意を求めると


「ええ。主として誇れるお方です」


どこか含み笑いをしながらの言葉に揶揄いの色を

感じたがディランも同じだったらしく、ピクリと

体を動かしたので、力いっぱい抱きしめ


「そうよ!ディランは努力家で頑張り屋さんだもの

お姉ちゃんとしても誇らしいわ」


ディランの頬に自分の頬をくっつけ伝えると


「お褒めの言葉、ありがとうございます」


恥ずかしげに返ってきた言葉に可愛さが溢れるも

視界の端に入る空は茜色になりつつあり


楽しい時間はあっという間に終わるのね。


心の中でため息を注いながらも同じ身長となった

ディランを抱きしめ続けた。



第448話


震災に事故と亡くなられた方に哀悼の意を表します。



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