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姉、助言を受ける


「少し行ってくるわ」


そうフレディに言い残しその場を離れ

屋敷の中に入り向かった場所はキッチン。


晩餐の準備が始まりつつある中、申し訳なく思いつつ

足を踏み入れると


「エスメ様、いかがなさいましたか?」


キッチンメイドの1人が気づいてくれ声をかけてくれたので


「ディランとルイと騎士団長にサンドイッチと紅茶に

果実水を持って行こうと思ったのですが」


下拵え中の厨房は皆が忙しなくしており、お願いも、

自分で作るという提案も邪魔にしかならない状態に口を

紡ぐと


「ローストビーフのサンドイッチならばすぐにご準備が

整います」


何処からかクック長が姿を見せ提案をしてくれたので


「ありがとうございます。お願いします」


できれば、お肉たっぷりで。


お礼の後に要望を伝えると、とても良い笑顔をくれ


「お任せください。果実水はいかが致しましょう」


「疲労回復が目的なので酸っぱめの味でお願いします」


クック長とのやりとりを終え、出来上がりを邪魔に

ならない場所で待っていると


「エスメ様」


視線を向けずとも誰に呼ばれたか分かるので


「ねぇ、マルチダ」


顔を向ける事無く名前を呼ぶと返事か返り


「ディランも私に内緒にしている事があるのかしら?」


フレディの話を聞き、ルイの事は男の子だから秘密の

1つや2つあるわよね。


なんて思って聞いていたし、フレディの体験の話を聞き

ディランが生まれてからずっと一緒で、


なんでも知っている。


そう思っていたのに、違うのだと分かり今頃になり

心の中に蠢くものがあり、生まれてから一緒だったが

離れて暮らし、互いに手紙で近情報告をしていた。


自分は秘密にしていた事なんて1つも無い。


ディランも全て話してくれているのだと思っていた。


でも、ルイやフレディの話を聞き


もしかしたらと


そう思うと自分の中に何かが、今、蠢いている何かが

表に出そうになるモノが怖くて両手を握ると


「ディラン様にもエスメ様に言えない秘密はございます」


聞こえた言葉に、勢い良く顔を上げマルチダを見れば


「エスメ様とディラン様は違う人です。ご本人同士が

言ったつもりでも言い忘れていた、書き忘れていた事など

お互いにあるのではありませんか?」


普段と変わらない表情と声の高さに、蠢いたモノが

動きを止め


「どうかしら? 手紙は枚数の関係で書けなかった出来事は

確かにあったけれど」


告げられた言葉を口の中で反復し思い出せば、


「でしたら、ディラン様もエスメ様の知らない事があるかと

思います」


帰ってきた言葉はすぐに受け入れられず、数度瞬きをし

頭の中でマルチダの言葉を繰り返すと、言葉の意味が理解でき


「そうね。そう言われると知らない秘密は、あるわね」


納得できると心中にあった靄が晴れていき、


「ふふ。私にもディランに言っていない秘密があるわ」


お互い様ね。


靄が晴れたら体が軽く感じ、弾む様に軽くなった心に

小さく笑っていると、タイミングを見計らっていた様に

クック長から声をかけられ、サンドイッチと果実水に

紅茶とティーセットを受け取りワゴンに乗せ、


「エスメ様、私がお持ちします」


押そうとしたワゴンをマルチダにお礼を言い任せ、

ディラン達の元へ急足で向かえば、


ディランとフレディが小走りでこちらに向かっており、

手を振り返事を返した。


第439話


暖冬の日々だったので急な寒さは体に堪えますね。どうぞご自愛ください。


ブッマークや評価、いいねボタンをいただき誠にありがとうございます。


ネタバレを含みますが短編に本編終盤の弟ディランの心境と日々を書いております。

お時間ありましたらお読みください。

https://ncode.syosetu.com/n4082hc/


フッと思い付き新しい話も書きました。お手隙の時間ありましたらお読みいただけると嬉しいです。


お兄様、隣に居る令嬢は誰です?婚約者のお義姉様はどうなさったの?大変!廃嫡とざまぁを回避しなければ!

https://ncode.syosetu.com/n9341hw/


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