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公爵令嬢は微笑む


「以上が報告となります」


淡々と伝えてきたメイドに礼を言い下がらせ、

自分専属メイド紅茶を淹れさせてから部屋を出る様に

指示出し1人になった事を確認した後、


体の中に溜まっていた様々な負の感情を息と共に吐き出した。


仲が深まってきているとは言え、


言える事言えない事があるのは理解しているわ。


立場上、この様な個人の感情に振り回される事は許されないの

幼き頃より教えられているので分かっている。


それも、言って欲しかった。

相談し頼って欲しかった。


そう思ってしまう。


まだ、マリー嬢とはそこまで仲を深められていない。


そう、示された事が良い具合に進んでいると思っていた

考えにが間違えだった。


わたくしもまだまだという事なのね。


再び落としそうになったため息を紅茶を飲む事で消し去り

教え身に付けたマナーに沿ってカップをソーサーに置く。


幼い頃から公爵家と時期王妃としての教育に、

将来の地盤作りの為のお茶会での交友関係作り。


どれもこの家に生まれた宿命として必要だとこなしてきた。


でも、心の中で同性平民の子達の様に純粋な友好関係が欲しかった。


手の届かない憧れが、手に入ると浮かれていた。


話してくれなかったマリー嬢が悪いのでは無い。


信頼関係を作れなかったわたくしが悪いのよ。


弱る心を奮い立たせるきっかけになればと紅茶を一口飲み

カップをソーサーに戻そうとした時、


そういえば、エスメさん喜んでくれて良かったわ。


先程まで考えていた事から逃避する様に思い出した出来事に

頬を緩め、


お父様から送られ大切になさっていたカップを貸してくださるのは

お母様もエスメさんがご心配だったのでしょう。


両親の仲の良さ。


大好きで憧れている人物が自分の行動で嬉しそうの笑ってくれた嬉しさ。

自分が学んできた事が無駄ではなかった。


あの様子ならディラン様や従者のフレディに話している違いない。

自分の行動が姉弟で喜んでくれるなら。


小さく笑い、


わたくしたら。

本当にエスメさんとディラン様が好きなのね。


次々思い出すのはエスメさんを中心なことばかりで、

先程まであった憂いはすっかり姿を消し去り


まだ、わたくしが出る幕では無いという事にしましょう。


そう答えを出し、軽くなった気持ちで残っていた紅茶を飲み干し

明日、マリー嬢に伝える淑女マナーとエスメさんとルイさんに

話す話題を考える。


短くなってしまったお茶会の時間だけど、主催する者として

どれだけ招待客を喜ばせる事ができるか、わたくしの手腕に

かかっている。


負けず嫌いの心がざわめきだす。


明日も楽しみだわ。


小さく笑い、テーブルに置いてある呼びベルを鳴らし

毎度を呼び


「急で申し訳無いのだけど明日までに準備して欲しい物があるの」


無理難題はお願いしない。

自分の持てる知恵と人脈を使い準備をさせる。


明日はどんな反応をしてくるのかしら?


本当に楽しみだわ。



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